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私と折り畳み傘
黄緑色のシンプルな折り畳み傘が私の唯一持っている折り畳み傘。
マジックテープがはがれかけていて、縫って直したのだけど、そもそもこのマジックテープはもともと買ったときはボタンだった。
すぐに壊れてしまって母が付けてくれたマジックテープ。
母の、私への愛を感じながら、今度は私が傘への感謝を込めてマジックテープを縫った。
この折り畳み傘は、小学生の時の宿泊学習で必要だから父と母と一緒に軽くて丈夫そうなものをと思って選んだ傘。
当時から何を買うにも悩んで悩んで、迷いまくっていた私は、きっとこの傘を買うときも、父をちょっぴりイライラさせつつ、迷いながら買ったような気がする。
すごく気に入って買ったわけじゃなかった気がするけど、自分なりに納得して買ったその時の気持ちだけはなぜか覚えていて、不思議な気持ちになってきた。
これ以外にもいくつか折り畳み傘を持ったことはあったけど、そのどれも壊れて捨ててしまった。でもこの傘は壊れない。(というか、ちょっと開きにくいし、折りたたまりにくくなっているし、実は壊れているといえば壊れているのだけど、使えるから、私の定義的には壊れてない。笑)
今年30歳。この傘と過ごしてもう20年になると思うと、これって最高のエコだなあと思う。
「エコ」が話題になって、マイバックを持つようになったり、リサイクルに関心が集まったり、素材にも気を遣う人がいたりするけれど、物を大切にする、愛着を持って使い続けるって、何よりもエコじゃないだろうか。
例えばエコだからといって、マイバックが大量に売られている状況があるけれど、もしこれが誰にも買われず、使われずに捨てられているとしたら、それって’’エコ’’なのかなと疑問に思う。
本当に気に入ったものだけを、寿命がくるまでいつまでも大切に、時には直しながら使うこと。これこそSDGsでは?
「本当に気に入ったものだけを使う」これってなかなか難しい。流行りに流されてしまったり、誰かの勧めに乗ってしまったりして、本当は気に入ってないのに、気に入っているような勘違いをして買い物をしてしまうこともあると思う。
本当に気に入ったものを手に入れるためには、本当の自分、本当の自分の好みを知っておくことが大事だなあと思う。
しかも厄介なのが、私の折り畳み傘のように、購入した当時そこまで気に入っていなくても、そこに思い出や愛着が加わって「最高のお気に入り」になること。それはそれで素敵なことだけど、そうやって自分の「お気に入り」が変化していくことも自分を知っていくことなんだろうか。
‥‥なんて考えているうちに傘の修復が終わった。
そんなことを考えさせてくれた、「私のお気に入りの折り畳み傘さん」
これからもよろしくね。