五輪に学ぶ

パリオリンピックが面白すぎる。

幼い頃から続けた努力が
実を結ぶ瞬間を目にすることができるのだ。
なんて素敵なイベントなんだろう。



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幼い頃から4年に1回この時期には、
我が家のテレビで五輪が流れていた。

だけど私自身が極度な運動音痴なこともあり
特に興味を示すこともなく大人になった。

そこから迎えたパリオリンピック。

始まるまでは大会の存在すら忘れており、
開会式が始まったというニュースを見て
「ああ、そういえば、あったな」と。

最初はその程度の熱量だった。

その日は偶然にも
特に観たい番組がない日だったので
なんとなくオリンピックを観ることにした。

その日のテレビは男子柔道66kg級、
阿部一二三選手の活躍を映していた。

名前だけは知っていた。
東京五輪で兄妹ともに金メダルを獲得した話は
あまりにも有名だった。

2回戦、準々決勝、準決勝。
あまりにも涼しい顔で相手を投げてゆく。

妹が負けたことをまだ知らないんじゃないか、
そう思ってしまうほどに冷静沈着だった。

いや、実際そうではなかったと思うが
私にはそういう風に見えていた。

「この人は金メダルを獲る」

あまりの落ち着きように、
そう直観せざるを得なかった。

少しだけ興味が湧いたので
深夜1時まで起きて観戦することにした。

男子柔道66kg級決勝、
案の定阿部一二三選手が勝った。優勝した。

その瞬間、
これまでずっと冷静だった阿部選手が笑った。
明るくて優しそうで、素敵な笑顔だった。

この人は冷静沈着だったんじゃなくて
ずっと自分の感情を押し殺していたんだ。

試合後のインタビューでは
負けてしまった妹の分まで頑張った、
というようなことを述べていた。

完全に兄の表情だった。

その瞬間、私はオリンピックにハマった。
こんなに素敵なドラマがあるだなんて。

きっとこれはスポーツでもお笑いでも同じで
努力を積んだ先で得られる結果は
とんでもなく大きなものなのだろう、と
オリンピックを通して再認識させられた。

日本オリンピック委員会の公式Xでは
「#一歩踏み出す勇気を」
というハッシュタグとともに
選手へのインタビューなどが掲載されている。

一歩踏み出す勇気。
軽いようで、重い一言。

「次の主人公は君だ」と。
そう言われているような、そんな気がした。

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