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Workin' Hard所感──盛り上がった自分の呟きをまとめるなど
藤井 風「Workin' Hard」がリリースされて約1か月、そろそろ自分のつらつら呟いたあれこれをまとめながら何か書いておこうと思うなどした。
ストンプ(Queen「We Will Rock You」のように足を踏み鳴らすアレ)が最高に似合う、だがこれまでのスポーツ応援ソング群とは明らかに一線を画するタイアップ曲となった「Workin' Hard」、当初Tik Tokで部分的に公開された音源からしてもう異質だった。勿論、いい意味で。
日本のスポーツ中継のテーマソングって競技問わずアップテンポでアゲアゲロックorポップな楽曲のイメージがあるけど、風さんのWorkin' HardはバチバチのR&Bで斬新だなあ
— なつめ (@natsumex0087) July 3, 2023
静かな炎って感じ
公開されている部分のあとにドカンと展開くるのかな
この時点では若干高揚感に富んだ展開への含みを残してツイートしているが、終始低音域を活かしたつくりには、正直喝采した。
あの艶のある低音が太いリズムとあいまって、新しい扉を開いたのが実に斬新。
以下リリース後の高速オタク語りのような独り言ツイート群を引用で羅列。
藤井風さん新曲「WORKIN' HARD」めちゃめちゃめちゃめちゃ格好いいな
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
ひときわグルーヴィーなワークソングだわ
MV、曲の短い尺の中ヘビーな色彩で工事に商業に農業に家事にと様々なシチュエーションを織り込むことで「みんなほんまよーやるわ」「マジでめちゃ頑張ってる」を表現しきってるのいいな
後半の英語のバース、よい労働の本質だよなあ
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
ジャケットアート、働く人たち(各シチュエーション)はみんな地続きの社会にあって、誰かの暮らしをちょっと良くするために頑張ってるのをポップに表現していてすき
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
ワークソング、作業歌のほかに歴史的には理不尽な労働に耐えながら社会をよりよく変革する奴隷歌や労働運動歌もあってジャズやブルースの源流なのだけれど、そこには互いの鼓舞やセルフケア的な側面も含まれるのよね
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
Workin' Hard MV、クレジットが円形なのもいいね
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
円には上下がない
すべての人がそれぞれの持ち場で頑張ってる、それを等しく讃える歌のクレジットが円をなすのはデザインだけでなく意味あってのことだろうね
ワークソング、こと作業歌の肝は太いリズムなので、あのアレンジはまさにど真ん中なんだよなあ
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
ロケ地は台湾か
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
アジアツアーのあとにこれが出るの、台湾の人たち嬉しいんじゃないかな
労働歌とかその中の作業歌、日本で有名なものだとソーラン節みたいに民謡として残っているものがあって音楽だけ聴くとグルーヴがすごい
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
創作だとエボシのタタラうたも作業歌
リズムがっつり感は草津湯もみ唄(草津節)なんて板の出す音が強くてまさにそれ
ああいう土着的なグルーヴあるんだよな
洋の東西を問わず作業歌の力強さはガチ
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
ブラックカルチャーとバスケの関係性からヒップホップ、そしてWorkin'から太いリズムで「みんな頑張ってる」
— なつめ (@natsumex0087) August 24, 2023
すごい曲だ、いい音楽は風みたいにひょいっと色々越えるな
ここ最近個人的に気になっているのが、まさに太いリズムと土着的な音。さらに言うならば、初期衝動やルーツを色濃く感じさせるサウンド。
近年シティポップリバイバルとニコニコ/ボカロ世代の目覚ましい台頭が潮流としてあり、こと泥臭さの色濃く香るサウンドはメインストリームから若干外れがちだったように感じている。
だが、藤井 風という人は方言すらもひとつの表現として自然に織り込みながら、Yaffleプロデュースもあり圧倒的クオリティをもってド真ん中に走り出た。シーンやトレンドとは脈絡なくあらわれたからこそ、与える衝撃の度合いもより強かったのだとわたしは考えている。
その藤井 風が2ndアルバムで洗練の色を増しながら、シンプルかつ熱量のかたまりのような「燃えよ」や和洋折衷グルーヴの権化「まつり」を発表し、いままたルーツミュージックのそのまたルーツまでをも強く感じさせるような「Workin' Hard」をリリースしたことがとても面白い。
MVなど完全に労働歌仕様だ。タイアップのバスケットボール、バスケと密接なブラックカルチャー、そこから生まれたヒップホップ文化、ジャズそしてブルース、さらにその源流へ。
映像の舞台は台湾だが、違う空の下でも「みんなめっちゃよーやるわ」は共通だ。
日が当たろうが当たるまいがどこに住もうが働こうが、賃金が幾らだろうが発生しない家事だろうが、頑張っているすべての人への応援歌。エンパワーメントとしてこれほどにパワフルな楽曲がテーマソングというのは、どう書いたらよいのか見当がつかないが、ともかく筋が通っていたようにわたしは思う。
すべてのスポーツには結果があるが、結果に至るまでには知られざる努力が積み重ねられている。たとえばバスケットボール男子は順位決定戦の最終戦で勝利し、アジア1位でオリンピックへの道を掴んだ。バレーボール女子は健闘したが今大会での出場権獲得とはならなかった。しかしながら、観客は眩い結果や評価ばかりを追うのではなく、変わらずにスポーツの素晴らしさをつぶさに見て讃えることができるのだ。
それは市井の日常生活にしても何ら変わらないだろう。「バスケのタイアップ」だが、「バスケの歌」ではない。「応援歌」だが結果を求めない。それがいい、とてもいいのだ。
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