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秋だけどトロピカル
すっかり朝夕の肌寒さが増したこの頃。夏の鮮やかさをちょっと名残惜しく思い出したくなる、そんな週末金曜日のわたしにラテンジャズ。
今回のチケットは企画によりご恵贈いただいたもの。感謝。
もしいただけなくても購入しようと思っていたので、まさに渡りに舟だった。嬉しい。
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お馴染み高崎芸術劇場
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これはすごいぞ!
国内ラテンの一流ビッグバンドといえばサルサの代名詞オルケスタ・デ・ラ・ルス(以下デラルス)と、その流れを汲むラテンジャズの熱帯JAZZ楽団がすぐ脳裏に浮かぶ。この日はデラルスの歌姫であるNORAと熱帯JAZZ楽団の初共演になる上、ホールが音響に優れた高崎芸術劇場。これはもう見逃すなんて有り得ない。
夏川りみのジャズ、というのも気になるところ。
先日の渡辺貞夫に続きこれも年齢層アウェイ間違いなし、と予め踏んでいたが、まさにアウェイそのもの。見渡す限り人生の大先輩ばかり。先日よりは若干マイルドかなあ、というくらいだ。
(みんなもっとラテンジャズ聴こうよ?)
心の中で呟きつつ開演を待った。
熱帯JAZZ楽団の演奏でショーはスタート。外の肌寒さが嘘のように、一気に過ぎ去りし夏へと誘われる。グルーヴの心地良さは言うまでもない。わかりやすく書くならば、ひええ流石テクい巧すぎる!
この楽団は高崎音楽祭を契機に結成されたとあって、カルロス菅野の軽妙なMCにもそのくだりが練り込まれ、たくさんのあたたかい拍手を得ていた。
カルロスの呼び込みでNORAが登場。真っ赤なドレスがまさにDIVA、だがふたりの喋りは夫婦漫才。
道が分かれたとはいえ、デラルスでともに世界を飛び回った仲だけあって「Sabor a mi」のデュエットはフィーリングもぴったり。続くMISIA「Everything」のスパニッシュサルサバージョンは絶品。
続く「Cuero sono」のマンボアレンジ演奏前にはスタンドアップしていい旨がアナウンスされたが、年齢層が高いこともあってか聴衆は着席のまま思い思いに揺れていた。
魅惑のNORAタイムはここで終了、再び熱帯JAZZ楽団のみによるショーから休憩へ。
休憩明けも熱帯JAZZ楽団から。盛り上がったところで夏川りみ登場。ここで気付く。もしかして会場のかなりの数、夏川りみ目当てか!拍手の大きさがすごい。
澄んだ高音域とその伸びが美しい。この方ジャズもっとやってほしいなーと思っていたら、ヒット曲「涙そうそう」のジャズバンドバージョンが。このアレンジが最高。もうこれ音源にすればいいのに。
夏川りみ終わりで招待席がまばらに。これにはびっくりした。いや、まだまだ全然楽しいし、なんなら再び出るんじゃないのか。
この予想は的中し、アンコールではふたりのディーバを呼び込んでの「Got to be real」そして「September」というキラーチューンが炸裂。ついに聴衆も立ちはじめ、気がつけば大ダンス大会の盛り上がりだった。
秋のクラーベ打ち放題まつり、2-3も3-2も堪能。久々のサルサステップ、席のスペースが狭いとはいえ、上手く踏めていないことを少しだけ反省した。ラテンはいいね。
(文中敬称略)
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