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2022ジャズ納めは満天の星

 ライブ鑑賞を再開した記念すべき2022年を締め括る師走の公演は、果てなき贅沢の極みに酔いしれたい。
 そんなわけで、BLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRA directed by ERIC MIYASHIRO plays Music of INCOGNITO with special guest JEAN-PAUL 'BLUEY' MAUNICK を、高崎芸術劇場で。タイトル長いね。
 ラグジュアリーなブルーノートで観るかどうかを一瞬迷うも、音の良いこの会場にはやはり惹かれる。

もうすっかりお馴染み、高崎芸術劇場
おおお!看板にテンションがあがる
過去コラボレーションが流れるデジタルサイネージ

 エリック・ミヤシロ率いるブルーノート東京オールスタージャズオーケストラ、配信では数回観たことがあるが生ははじめて。
 このオーケストラのテーマと言うべき楽曲「BLUE HORIZON」でショーはスタート。
 
 続いてA.sax本田雅人をフィーチャーした2曲は、昨年惜しまれつつこの世を去った故・和泉宏隆氏追悼企画。T-SQUAREの名曲から、吹奏楽でもお馴染み「宝島」と人気の「OMENS OF LOVE」が演奏された。
 ウインドコントローラーNuRadの電池残量が15%で焦ったり、音源iPadの起動が出来ていなかったり謎の曲が流れたりと少しのトラブルもあったものの、それ自体が不思議な演出であるかのごとく会場が和やかな笑いに包まれた。
 いざ始まってみれば流石のハイパープレイヤー、圧巻の音世界で場を魅了する。個人的に「OMENS OF LOVE」はかつて仕事でよく耳にしていたので、このスペシャルセットかつ生で堪能できるのは感慨深かった。
 モテない思春期を過ごすエリック少年がイルカに命を救われた体験談から生まれた楽曲「Skydance」は、イルカたちのジャンプと海の煌めきが目に浮かぶよう。

 続くコーナーはINCOGNITOのブルーイが、スペシャルカワイイガールズ(※うろ覚え)ことジョイ・ローズ、チェリー・V、ナタリー・ダンカン(いずれもVo.)とともに登場。
 ブルーイにとってエポックイヤーだった1975年、ライブの告知でビッグネーム・サンタナの下にあった小さな文字列、長いバンド名。それがEarth Wind&Fire。
 このくだりで、EW&Fの名前に拍手が小さいと、もう一度「EW&F!」をコールしてアピールするブルーイ。これオタク語りによくあるやつだ、わたし知ってる!当然、ここは受けた衝撃からのオマージュ「1975」を。
 艶やかな「Above The Night」、「Talkin' Loud」、そしてインソムニアで眠れない夜にブルーイがテレビのハチドリから着想を得た「Colibri」がすこぶる格好いい。
 「I See The Sun」で未来への希望を。さらにStevie Wonderの定番曲にしてINCOGNITOの名カバー「Don't You Worry 'Bout A Thing」へ。このMCでまたもやオタク語り炸裂。「Stevie Wonder ! 」仕切り直して大きな拍手に満面の笑みのブルーイ。まさかの「あざーす!」、わたし思わず身をよじって声を抑えながらも爆笑。それを目にして笑うメンバー。4列目だからバレバレだ!
 珠玉のナンバー連発、冴え渡るボーカルにうねるファンクネス。グルーヴのとりこだ。

 ゲスト退場後もBLUE NOTE TOKYO ALL-STAR JAZZ ORCHESTRAの素晴らしい演奏が続く。ソロ回しの楽しいこと!腕利きだらけのスペシャル編成、耳の幸せと言うよりほかない。
 そしてアンコールではゲスト再登場。勿論会場は大盛り上がり、クラップの渦に包まれた。
 
 オケよしゲストよし、流石の凄腕一流勢揃い、素晴らしいライブ。ブルーイのMCもユーモアと音楽愛に満ちていて素敵だったな。しかも散々喋ったあとに「これ英語で喋ってるけど⋯⋯わかるよね?」、キュートだ。

会場周辺はすっかりクリスマスムード
館内にもツリーが飾られて華やか
高崎駅直結のペデストリアンデッキにて

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」