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TOKYO M.A.P.S 2024

 六本木ヒルズアリーナで、TOKYO M.A.P.S初日を観た。
 大好きなレーベルorigami PRODUCTIONSがオーガナイザーということで、療養明けながら朝から観覧。列に並んだ時にはもう席の半分くらい。
 思っていたよりも暑かったが、席についたら大屋根が日傘代わりになってくれた。

雲ひとつない快晴

 トップバッターはさらさ。
 スモーキーで憂いを含んだ声が微かな風に乗って、体感温度を少し下げてくれる。お馴染みの曲が心地よく響く。
 バンドセットの演奏がとてもいい。石田玄紀のプレイ、やっぱり好きだな。

 続くMichael Kanekoのステージは暑さを増して、真夏の海辺にいるかのよう。
 Cozyなサウンド、5/29にリリースされる新アルバム「Daydreams」をフィーチャーしたセットリスト。新曲もいちはやく聴けてうれしい。
 Lovers T-shirtsを着ている人が前方にたくさん。愛されてるなあ。

 Kan Sano、新バンドセットも素敵。御披露目から2回目とは思えない一体感あるグルーヴで聴かせる。
 ライブアレンジだいすき、攻めた内容に心が躍る。BPMの大胆な変化に、変拍子。美味しい。
 屋外に響きわたる「Pマママ」は美しい祈りのよう。
 「Everybody Loves the Sunshine」を挟んでまさかの「image」がダンスタイム、これはびっくり。シンプルでベタな振り付けがかわいい、楽しそうな姿が本当にうれしい。そこからの「Natsume」はやはり大盛り上がり。
 ラストの弾き語り「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」(org.サンボマスター)は、静かな中にたしかな熱を湛えて。その選曲も演奏も、あまりにも心に響いてグッときてしまった。

 七尾旅人のステージ。Kan Sanoが心配だから来たけど顔見たから数曲やって帰るわ、のMCで会場が和やかに。
 「Fast car」の日本語カバーで解説をはじめたところ、飲んだくれのくだりで笑いが起きる。当時の社会状況に触れたら、スッと消える笑い声とさざめき。
 想像力さえあれば5分の音楽は2時間の映画にもなる。それが音楽の力。わたしもそう思う。そして音楽は、人の営みとは切り離せないもの。
 能登輪島、氷見に思いを寄せた「帰り道」も素晴らしかった。「オーライオーライ」も素敵な曲。
 ステージを観るのははじめてだったが、アツくて真っ直ぐでしなやかな竹のよう。とかく冷めがちな世にこの音楽は必要だと強く思う。

 この日ラストはSpecial Session。振り返れば後ろは人がぎっしり。
 Kan Sanoバンドセットを中心に、全出演者とMummy-D、中村佳穂、ホセ・ジェイムズを加えた豪華仕様。
 出て来る人たちのカンサノ愛を、とても感じる。ステージ上には「おかえり」のあたたかさとリスペクトと愛が迸り、満ちあふれていた。
 Kan Sano・七尾旅人・さらさで大好きな曲「サーカスナイト」が聴けたのに加え、Kan Sano・七尾旅人・中村佳穂によるセッション「Rollin' Rollin'」は至福のひととき。
 サプライズでNenashiと関口シンゴ(from Ovall)も加わり、「Trouble」に会場が湧く。ソロ回しの妙に上がる歓声。最高の締めくくりとなった。

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なつめ
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」