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UNITE-LOVE TOUR Day1 at ADRIFT

 Deep Sea Diving Clubのデジタルシングル「ユニラブ」リリースに伴う「UNITE-LOVE TOUR」初日、下北沢ADRIFTで行われた東京公演を観た。

 現時点でツアー中のためもう少し遅れて出そうかとも思ったが、よく考えたら福岡公演は会場の雰囲気に合わせ違った趣向になると既に公表されているので、ネタバレの心配はないかもしれない。

この見事な快晴ぶり
晴れバンドというかもはや
季節を夏にするバンドがDSDC
Universal Bakes Nikomeテラスにて

 ゆうに早く着いてフォロワーさんたちと待ち合わせ。別のフォロワーさんから魅力的なスープカレーのお誘いもいただいたけれど、今回は大好きなエルダーフラワーソーダとベリーの焼きドーナツを既に食べていた。爽やかな風味で涼を得る。

看板の一角にDSDC

 オープニングアクトはluvがつとめた。ボーカルHiynとDJ Ofeen、ベースZum、キーボードRosa、ドラムのShoで構成される関西の5人組。ライブを観るのはこの日がはじめて。
 まだ大学生ながら存分に魅せるステージングで、ネオソウルやファンク香る楽曲は至極グルーヴィー。どの曲もいい、大収穫といったところ。

luv(opening act)

 Hiynはまるで漫画から抜け出してきたような、シュッとした佇まい。Zumはにこにこと笑顔で低音を鳴らし、Rosaは挑むような眼差しでアイコンタクト。あとのふたりは職人っぽく見え、そのバランスも面白い。
 苦手だというMCは人懐っこく、表情も多彩だ。


 

 場が充分に盛り上がったところで幕が引かれた。いつもならば転換にさほど時間がかからないものを、何やらごそごそ。

部屋!?

 藤井風のホールツアーやKan Sanoの復帰ライブが部屋を模したセットだったが、まさかADRIFTでDSDCがこのスタイルをするとは思わなかった。
 しかもオシャレ、部屋のあちこちにはメンバーが愛聴するアナログ盤や書籍が散りばめられている。やわらかそうなソファまで。

Deep Sea Diving Club

 メンバーのスタイリングも部屋にぴったりのオシャレさ、今回は衣装がnano universeとのこと。公演前にアップされた意味深なインスタストーリーはこの伏線だった。

 1曲目もまさか、SUNSET CHEEKS。シンセからゆったりとはじまる夏の夜もいい。
 続くフーリッシュサマーはアウトロのコーラスメロディーを冒頭に。よりサマーアンセム感が強まる。

Vo. 谷颯太 サポートKey.中野ひより

 「自由に踊って好きに楽しんでいってください」のMCから、ギターとボーカルのユニゾンが印象的な曲SARABAへ。久々に聴いたけれどやはりライブ映えするし、間奏のアレンジがアツい。

 その熱気のままJust Dance。高ぶりを爆発させるような圧巻のドラムソロ、後半にキーボードとギターのソロ回しもあり聴かせどころ満載。

Drs. 出原昌平

 フラッシュバック'82はイントロから全く音源と異なるアレンジ。1コーラス終わりの鮮やかなキメ、ギターソロにタメを効かせたドラムが絡む。
 より大人のフラッシュバック、ベースが際立つラップパートも、ジャジーなキーボードもいい。

 サビのハイトーンが美しいFLACTAL、そしてlostpeopleと、ショートセットではなかなか聴けない曲が続く。ツアーならではの嬉しさ。
 大胆なアレンジも多く施されたセットリストの中でcinematicloveは「いつもの」感があり、それでいて熱は溢れて、このコントラストもすこぶるいい。

 メンバー紹介を経て最初期の曲suncelco。福岡から上京してきたばかりの彼らが鳴らすサンセルコ。これも、ここで聴けるとは思っていなかった。

 そして、メジャー1stEPからgoodenough. へ。自らを鼓舞して何かを突き破るような、それでいてひと際の繊細さをも感じる曲。

Ba. 鳥飼悟志

 新曲ユニラブの前に、作詞作曲を手がけたBa. 鳥飼から製作背景が明かされた。昨夏、demo14として一部がアップされている。
 それぞれが持つ、代わりが効かない唯一の愛「unique love」からユニラブ。大切な友人を亡くし、悲しみを一年かけ落とし込んで作り上げられた。
 人はかならずいつかいなくなる。残っていくもの、かたちに残そうという思い、かたちがないからこそ生じる重くてやさしくて強い感情。いい曲だし、いい歌詞だと繰り返し思う。
 この夜の演奏も。

 本編ラストはbubbles。バンド名と海を散りばめた、夏の化身のようなポップかつ切ない曲で鮮やかに締めた。

 勿論火がついたフロアはそのまま黙っているわけがない。メンバーを待つ拍手は絶えず鳴り、アンコールへ。
 物販紹介のあとは、Interlude(for early summer)。これがきたらあれ。ラストはライブ定番のT.G.I.F.へ。 

 金曜日の夜、待ってましたとばかりに声が上がる。
 「いやあ大変長らくお待たせいたしました、Ladies and gentlemen!ギター、大井隆寛!」のコールとともに大井が前に。熱いソロでフロアを沸かせた。

Gt. 大井隆寛

 久々のツアー。今回は東京と福岡の2公演、きっとふるさとの地でも新鮮な驚きとグルーヴで魅了することだろう。
 いいライブだった、とても。


物販で新旧グッズを購入
アクリルキーホルダーも買い増しした

(文中敬称略)

セットリストプレイリスト for Spotify


なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」