ラストマイル
119.ラストマイル(2024)
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大手ショッピングサイトの荷物に爆発物が仕掛けられる謎の事件が発生。
11月、流通業界最大のイベントのひとつ“ブラックフライデー”の前夜、その事件は起こる。
やがてそれは、日本中を恐怖に陥れる謎の連続爆破事件へと発展していく。
関東の4分の3を担う巨大物流倉庫のセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)と共に、未曾有の事態の収拾にあたる。
誰が、何のために爆弾を仕掛けたのか?
残りの爆弾はいくつで、どこにあるのか?
現代社会の生命線、決して止めることのできない張り巡らされた流通の血管を維持しながら、連続爆破を止めることができるのか?
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これまで上映中の映画のレビューを書いたことはないので、今回はその“初”です。
野木亜紀子さんの脚本ということで、絶対観に行こうと思っていました。
何度も再放送され多くの人に愛されたドラマ『アンナチュラル』、私はリアタイで観て、さらに再放送も観て・・・何度観たかよくわからないくらい。
『MIU404』も面白かったし、『アンナチュラル』同様に魅力的な登場人物やストーリーでした。
映画『ラストマイル』は野木亜紀子さん脚本のそれらドラマの世界線と交差する、“シェアードユニバース”のノンストップサスペンス・エンタテインメント映画・・・らしいです、長い。
流通関係なく生きていける人は殆どいないので(自給自足のアーミッシュを思い出しましたが)ネットで選んで注文した荷物がすぐ届き、便利と喜んで手にしたとたん爆発してごらんなさい?(⇦?)恐怖です。
ネットで買い物をしない人も、流通の末端で働いている荷物を積んだ車が自分の隣で何かの衝撃で爆発してごらんなさい?恐怖です。
映画館で何度もゾッとしました。
まだ正体のわからない犯人には嫌悪を感じましたし、流通を維持してくれているスタッフたちに感謝しましたし、同時に自分も搾取されている側ということを改めて痛感しました。
抜け出したい地獄のような職場環境に歯を食いしばって耐えている人達の犠牲の上に成り立っている便利さや資本主義(特に外資系)に、苛立ちや悔しさを感じました。
間違いや、やめたほうがいいことの上に成り立っている世界に、絶望しそうでした。
人に苦しんで欲しくはないのに、苦しんでもらわないと不便だったり困ったりする・・・嫌すぎる、でもそれが現実。
他人や自分の苦しみや、社会の構造が完全に良くなることなどないですが、また、ある程度目をつぶらないと働けないし生きていけない世の中ですが、その中で考えたりあがいたりして目の前の人を笑顔にし続けていけば・・・何かが大きく変わるわけではないけれど、そういう目に見えないものの大切さを蔑ろにすると、完全に資本主義の闇の部分に屈することになるんでしょうね。
『アンナチュラル』、『MIU404』のメンバーはさり気なく登場する感じ。
両ドラマのファンはもっと出てほしかった、共闘してほしかったと思うかもしれませんね。
私も最初はもっと絡んでくるイメージだったのですが、短い登場時間の中での親しみやカッコよさが爆発していて、映画を観ながらニコニコしちゃうレベル!!
今回は満島ひかりや岡田将生を主軸にした話で、2人の人間性や過去を掘り下げることに注力されていて時間も長すぎず、映画を濃く観ることが出来たと思います。
ストーリーに登場するマジックワード、
「Customer Centric(全てはお客様のために)」
誰かのためにの対象があまりにも多数で漠然としていると、なんとでも解釈できて悪用され、労働者を先導するのに使われるんだなと苦笑。
顔の見えない“誰かのために”、想いの込もっていない“誰かのために”には気をつけたいです。
言葉の意味への本当の理解、状況に合わせての使い分け、そのあたりを考えさせられもしました。
いい映画でした!みなさんも、ぜひ観に行ってください。
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映画から受け取る幸せ37 終了
ラストマイル(2024年9月22日鑑賞)
「映画は自分に元気を与えてくれる、テンション上げてくれる必要なもの!」という強い意識で観るようになりました
幸せになる方法として役立ってくれている映画たちの紹介の続きです
今回は初めて映画館で鑑賞した映画を紹介しましたが、いつもはアマプラで無料で観れる映画をメインに紹介しております
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