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コミティアに向けて初めての同人誌を作った話
こんにちは!
関西コミティア71で漫画本を二冊出しました、夏目じんです。
参加するまで大変だったし、せっかくなので備忘録も兼ねて経緯を記事にしたいと思います。
毎度のことながらかなり長く(約1万5000字)、人に読ませる気が本当にあるのか?な蛇足部分も多いですが、これからサークル参加したい人とか、いつも一般参加だけどサークル側の人ってこんな感じで準備してんだな、って感じで参考になれば嬉しいです。
はじめに
さっそく書いていく前に、まずはコミティアとはなんぞや?というところから、私の出したジャンルについても軽く説明しておきたいと思います。
有名なコミケと違ってコミティアというのは一次創作のみのイベントになります。
簡単に言うとアニメキャラの二次創作などは基本存在しないです。
前にイベントに行った時に、◯◯の二次創作ないね〜と言って会場を歩いていた人がいたと知り合いが言っていたので、あまり一般的には認知されていないのかもしれないですね。
ちなみにこの記事を読む人向けに言っておかないといけないことかもしれませんが、私が申し込んだジャンルは百合で、作ったものは創作百合漫画になります。
今回出したやつは別にR18とかでもないですがこの記事はひたすら百合という単語が出てくるしうっかり癖を漏らす可能性があるので、苦手な人は合わないと思います。すみません。
普段noteやTwitterで百合が!!百合が!!と呟きまくっている人間なので注意書きとかいらないかなと思ったけど、よく考えたらnoteって知らない人が見る確率の方が高いですよね。
漫画を描くことになるきっかけ
さて、まずはそもそもなぜ漫画を描くことになったのか。
元々私は中学生ぐらいの頃からイラストレーターになりたいな〜なれたらいいな〜なんて呑気に考えながら学生時代一枚絵を描く日々を送っていました。
が、高校生の時に百合というジャンルを好きになってから全てが変わりました。
一枚絵は1人をいかに豪華に描くかという考えで描いていたので、百合って2人いるじゃん……構図が難しい……と壁にぶち当たることに。
2人をいい感じに大きく配置しようとしたら構図なんてレパートリーあんまりないし、面白みも減るし、というかなにより自分の描きたい関係性が一枚に収まるわけがない!!!
この気持ちを、妄想をどこに吐き出せばいいんだ????そうか!!!漫画にすればいいんだ!!!
ということで百合が好きすぎて漫画を描くことになりました。
ただ最初の学生の頃は4ページとか、8Pのネームだけを描いてました。
Twitterにもほとんど投稿してません。
学生時代百合漫画が描けなかった理由はいくつかあって、周りにアカウントを知られていたから描くのが恥ずかしかった&ゲーム会社に就職したかったから無理やり色々なジャンルの絵を描いていた、というのがあります。
私は一応美大を出ていますが、絵の課題ですらどうにか就活用の絵にしてみたり、人手が足りてないと言われている背景の絵とか描いたり、3DCGをやってみたりとかしました。3Dのエフェクトとかも作ってました。遠回りすぎる。
でもやっぱり百合絵描きたくてあまり百合要素ないやつを描いてポートフォリオにのっけてましたね。
悲しいのですがゲーム会社には落ちまくって今の会社に落ち着きました。
悲しくなってきた。何の話をしているんだ。
でもこの背景とか3Dとか触った経験がのちのち漫画でも生きてくることになるとはこの時は思いもよらなかった。
ちなみに絵は時間がかかりすぎるので、自分の欲を気軽にぶつける対処法として小説で百合を書いているのですが(noteで一瞬公開してたけど長すぎて収集がつかなくなったので一旦消した)、謙遜なしに文章力がないのとなかなか完結までの道が見えないのでしばらく小説は公開しない方向でいこうかなと思います。
ストックはめちゃくちゃあるのに公開できるのは果たして何年後になるやら……。
漫画の方が描ける限界があるので完結させられる気がします。
初めての漫画作成〜イベントに応募するまで
色々ありましたが大学を卒業し、社会人2年目ぐらいになって急にちゃんと漫画を描こう!なんならイベント参加を目指してみよう!と思い立ちます。
これは就活用の絵をもう描かなくて済む安心感と、あと「知り合いにアカウントがバレている問題」が卒業したことによってどうでもよくなったのが大きいです。
野に放たれた犬です。いや百合豚か?
草原を走り回る余裕のできた私には、高3の頃から毎日妄想しまくった百合の設定がごまんとあります。
しかしその大半が記憶から抜け落ち、残っているのは数十行のiPhoneのメモと、カクヨムにある大量の小説(全て下書き状態)と、頭の中にある朧げな記憶たち。
メモをしたときはこの設定めちゃくちゃ面白いと思っていたのに、読み返すとなんか微妙に感じてしまい、本当に設定に困った時に出そう、とメモを閉じ、とりあえず今描きたい百合を具体的にするために、クリスタを開きます。
1.一冊目を描いていく
さて、ど素人なので漫画の作り方などほぼ知りません。
とりあえず最初からクリスタを開き、いつものイラスト用のキャンバスを作成。
ここでキャラの設定を練っていきます。
設定やネームは紙に描く人も多いのかもしれませんが、私の手は多汗症気味ですぐ紙がしなしなになるのでアナログ画材とすこぶる相性が悪いです。板タブが最強。短時間ならiPadも可。
アイドルの百合を描くことはすぐ決まりました。
とりあえず2人の絵と簡単な設定を書いていきます。
今回の記事は百合記事ではないので細かいところは伏せますが、ざっくりキャラを説明すると、
永遠(とわ):ツインテールでセンターでピンク担当。可愛い。1P目でグループを卒業する。
咲月(さつき):黒髪ショートカットでブルー担当。かっこいい。永遠と同じグループに所属。
的な感じです。
キャラもできたし……ネーム描くか!!
プロットなんてありません。あるのは脳内の妄想のみ。これはよくない。
クリスタで、今度はコミック用のデータを新規作成しました。
「同人誌入稿」の設定がよくわからなかったので何も考えず「コミック」の方を新規作成し、最初は16Pぐらいに設定していました。ノンブル?なんそれ?と思いながら、なんか必要らしいぞ?ととりあえずチェックを入れます。
描き始めた頃はイベントに参加するかは迷っていたのでそんなもんです。別に設定はあとで変えられます。でも入稿用の設定で最初から作った方が後で楽です……。
同人誌といったらB5だろ!B5!!んで原稿用紙のどの枠内に漫画描くんだっけな……え、モノクロ??グレースケール??どっち???なんか設定がおかしくなった!てか印刷所ってどのタイミングで決めるんだ!?とよくわからないまま執筆を始めました。
説明書、めちゃくちゃ読むタイプなのですが頭が足りなくて全てを理解できず、やってみて躓いたら調べることになる人です。
入稿を終えた今もよくわかってないです。
たぶん本来は小さい紙とかにネームを描いていくのだと思いますが、あと先を考えていないのでいきなりクリスタにネームを描き、いつのまにかそれは32Pに膨れ上がり、これは完成しないぞ?となり、一旦ここで無理やり終わらせられるような話にしました。
小説は昔から書いてきたのに完結させた経験がないので、とりあえず終わらせることを目標にしたかったのです。
題名もネームができてから考えた気がします。
これが「同じグループのアイドルにガチ恋してもいいですか?」です。
長い。一応初めて作ったのでラノベみたいにタイトルで内容がわかるようなものにしたかった狙いがあります。にしても長い。
ネームができたので、ここから清書に入ります。
人によっては、下書きは!!??となる人もいるかもしれませんが、どうせ描き直すことになるし時間がもったいないから最初から清書すればいいじゃないか、と考え、いきなり清書していきました。
清書しながら物語の展開に不満を感じ、気づいたら10ページほど増えて42Pほどになっていました。
ここで気づいた方はいらっしゃいますでしょうか。
そうです、漫画ド素人すぎて、最初にセリフを打っていないのです。写植というやつです。
まぁ別に悪いことではないですが、最初にセリフやフキダシを置いておかないとせっかく描いたのにセリフを置いてみたら描き込んだ部分が見えない、という現象が起きます。
描きながら薄々気づいてはいました。最初にセリフを打っておいたほうがいいのでは?と。
しかしめんどくささが先行し、全面描くという方法をとっていました。
あと、同時並行で会社の昼休憩の時に背景に使う3Dモデルをblenderでこそこそ作っていました。
あえて業種を伏せているので会社によってはあれだと思いますが、こそこそといいつつ、クリエイター系?の会社なので会社のパソコンで自主的に3Dを勉強していても怒られない会社だということは一応言っておきます。
事前に作っておいたので後々の修羅場でかなり時間短縮になりました……作っておいてよかった……。
ちなみに今回のコミティアで出したのは二冊ですが、この一冊目を描き始めたのは去年の2023年8月頃の話です。
確かプライベートで色々あったタイミングだった気がします。吹っ切れた勢いで漫画が描けたのだと思う。
うきうきで描きつつ、当時はコミティアに出るなら一年後かなーとなんとなく考えていたので、特に締切とか気にせず呑気にやってました。
まぁこのまま何事もなく一冊目が完成していくのかと思いきや……。
2.二冊目、三冊目が描きたくなってくる
来年、2024年がやってきました。
1月〜3月は仕事が忙しくて漫画はあまりかけていなかった気がする。
3ヶ月飛んで4月頃、ふと、サークルスペースに一冊だけって物足りないな……そうだ、あと二冊ぐらい描けばいいじゃないか!と思い、描きたい話があったので気づいたら二冊分のネームが出来ていました。
一冊目は30Pほどの、咲月にガチ恋するファンの話。
二冊目は16Pほどの、永遠と咲月の話の続編(R18)です。
前書きでR18じゃないと言っていたのに話が違うじゃないか、となるかもしれませんが、まぁこれは結果的に見送ることになっています。
イベントは10月。自分は正社員で毎日残業している。今考えると間に合うと思っていたのが結構頭おかしいです。
3.初めての同人誌即売会(一般参加)
そしてその頃、一旦2024年の5月に下見も兼ねてインテックス大阪で開催される関西コミティア70に行くことにしました。
漫画家志望の知り合いと行ったのですが、初めての同人誌即売会、楽しかったです。
ただ、一般参加側なのに緊張しすぎて全然作品見れませんでした……いい思い出です。
もうサークル主と目も合わせられないもんね……ずっと下の布とかカタログとか見て目が合わないようにしてました……陰キャすぎる。こんなやつにサークル参加なんてできるのか。
同行者が漫画編集部へ行っていたので、私も興味が湧いてきたりなんかもしました。
ちなみにその同行者に、今漫画描いてましてーイベント出ようかなと考えてましてーと言うと、なんで話が思いつくの?と言われ、(漫画描きたいより百合が描きたいが先行して気づいたら漫画描いてたからどんな話描こうとか考えたことない!!)と思いながら、いやー、自分は描きたい話があるから結果的に漫画描くことになっただけっすねー、と当たり障りのない回答をしました。
私は別に本気で漫画家を目指しているわけではなく、ただ百合を描きたくてたまたま漫画を描くことになっただけなので、絵で生計を立てたいと考えている同行者とは漫画を描く目的が全く違うことに気づきました。
どんな話か聞かれたけどめちゃくちゃふわっと回答しました。
でものちのちメロブいった時に、そういうの(百合)よく買ってるけど好きなの?と言われて、見られてたか……となりました。しかし、よく考えたら一年ぐらい前に自分から百合が好きって言ってた気がするしその人が覚えてなかっただけだな。
帰宅して、やっと10月に開催される関西コミティアに出ることを決心します。
4.二冊目を描き始める
この辺りで一冊目を放置し、少し前にネームができた30Pほどの咲月にガチ恋するファンの話を描き始めます。
登場人物は主に3人。
一冊目でも出てきた咲月に加えて、新しく2人でてきます。
こちらもざっくり説明すると、
月(るな):薄い金髪、癖毛で常にウェーブがかっている。ノンケ。ライブの特典会で咲月にガチ恋。
珊瑚(さんご):黒髪。失恋した月を励ますためにアイドルのライブに連れて行く。
こんな感じ。
実は永遠と咲月の2人は難産だったのですが、この2人はすぐに設定が決まり、デザインも初期案と全く変わっていません。
今回は一冊目のときの反省を踏まえ、同人誌入稿用のデータを作成し、クリスタに直でネームを描くことは変わらないものの、この2人の話は爆速でネームが終わりました。
清書も同じような感じ。
でも前回と違うのは、この時点でページ数はほぼ確定していて、何も迷わず清書できたこと。
キャラがちゃんと決まっていたからでしょうか。
この二冊目の題名が、「アイドルにガチ恋してもいいですか?」です。
一冊目とほぼ同じですね。
なんならナンバリングするとこっちが1になりそうな名前。私の中ではこっちが続編です。
めちゃくちゃしっくりきている名前なのですが、これ実際コミティアで来た人がどう注文??するのか心配でした。
二冊あるわけなので、新刊ください!だとどっち?となるし、題名長すぎていちいち言ってられんし、そもそもほぼ題名一緒だし、見本誌かかげてもらうのが一番いいなぁ……。と思っていました。
5.「関西コミティア71」に応募
そしてそのうちサークル募集のページが解放され、ちょっと緊張しながらサイトを開きます。
応募時にサークルの情報を色々書かなくてはならないのですが、もしR18を出すならその旨をチェックする項目みたいなのがあって、ふとそこで立ち止まりました。
なるほど……。
そう、三冊目はR18を描くつもりでネームを描いています。
三冊目を出すならここにチェックを入れなければならない。
そこで日付を確認して、待てよ、あれ???これもしかして三冊目無理か???と気づき始めます。
この頃はとりあえず一冊目を放置して二冊目を描いている最中で、なぜか三冊いけるだろうという自信があったのですが、このままだと間に合わないぞ……。
チェックをつける=三冊目を落とすとチェックをつけたのにR18のないサークルになってしまう。これは、なんとしても避けなければ……。
ということで、三冊目を諦めました!
後この頃売り子に妹が来てくれることが決まったのでその影響もあります。
その影響で一冊目に描いていた本のいちゃつくシーンが減りました。これを……見られるわけにはいかない……。
まだ可愛い百合ならいいけどさすがにR18は色々とまずいだろ。こういうジャンルは細々と生きていかなければならない運命なんだ。
そして入金、サクカアップをしました。
サークル名「たいのちゃづけ」もその場で考えました。
大好物です。鯛茶漬け。安直。
寿司だと鯛が一番好きです。白身が好き。
応募してからの準備
原稿が予定していたよりも減ったので、ちょっと余裕が出てきました。
一旦ここで原稿はおいておいて、休日、原稿以外は何をしていたのか書いておきます。
結構出かけていた気がします。1人でカラオケとか映画館とかアニメイトとかメロブとか行って楽しんでました。それがなければもう少し早く原稿終わってたかもしれないのにね
出かける日は原稿ができない代わりにサークルスペースに必要なものをちょこちょこ買い足して、小銭もできるだけ崩して、Amazonで本を立てかける棚などを買って、それだけでも楽しかったのを覚えています。
イベントに必要なものは人によって変わってくると思いますが、私の場合は、本を置く棚、ポスターを掲示するスタンド、敷布、小銭をしまうケース、お金を乗せるトレー、ネックストラップ(売り子の分も)、本を会場に持っていくためのケースなどを購入しました。
A4のお品書きを入れる硬質カードケースとか、細かいものもあるのであげていったらキリがない。
あと同人イベントについて調べまくりました。
noteでもコミケとかコミティアの記事をあさりまくったり、YouTubeでもコミケなどの参加者の動画を片っ端から見まくり、たまたま周りに同人誌を作っている人がいたので印刷所の見本紙を貸してもらったり……。
Twitterの検索履歴も同人イベント関係のワードで埋め尽くされています。(現在進行形)
おかげで一時下がったモチベーションがものすごいことになり、寝ても覚めてもずっと同人のことを考えるやばいやつになっていました。
あとで描いた二冊目がほぼ完成に近づく
原稿に戻ってきました。
だいたい締切1ヶ月ぐらい前の話ですね。
後で描いた「アイドルにガチ恋してもいいですか?」が、終わりに近づいてきました。
相変わらず最初に描いた方は放置しています。
人によって漫画の描き方って全然違うと思いますが、私は
ネーム→人物の線画→背景の線画→背景の仕上げ→人物のトーン貼り
の順で進めていきました。
一冊目は色々すぎてこんな綺麗な工程ではありません。
この二冊目はこの工程でスラスラ描けました。
たぶん作画のブレもそこまでないかな?と思います。描き直しもそこまでしてないし。
月と珊瑚の2人が描きやすかったのかもしれない。
悩む印刷所、悩む金額、賑やかしにほしいグッズ
印刷所と単価問題
そろそろ印刷所を決めるか、と考え始めたのが9月初旬。
コミティア1ヶ月半前ぐらい。
印刷所を決めずに見切り発車で始めたので製作中、使いたい印刷所が何回も変わりました。
印刷所によって、こうも値段と納期が変わってくるなんて……。
最初の同人誌だし、二冊とも500円で出そうと考えていたのですが、早割で出しても印刷代を二つ合わせると3万円を越してしまい、もし完売しても印刷費すら回収できないことを見積もりの時点で察しました。
600円にしても元とれないけど、このクオリティで600円はちょっと高いなぁというのが自分の中でありまして。
いつか部数を増やして元がとれるような人に……なりたい……。
もちろんもっと安い印刷所にしたり、オプションを無くしたりすればもっと安くできますが、最初なのでサポートが手厚めのところにお願いしたかったのです。
この時点でおおよその値段、納期はわかったので9月初旬に自分の中での原稿の締切を決めました。
グッズを作りたい
あと、机の上に同人誌二冊だけ並べるのもなんかなーと思っていたので、他に何か作りたくなりました。
何を作るか悩み、手書きの色紙にアクリル絵の具で塗るとか憧れだったので検討しましたが、貰い手いなかったら悲しいので、色々考えて安く頒布できそうなチェキ風イラストカードを作ることになりました。
表紙を自撮り風とかチェキ風に描いたのは、最初からグッズに流用しようと考えていたからです。
今回のテーマはアイドル。
一番それっぽいグッズ?だと思います。
チェキといえばサイン!なので余裕あればサインも作りたいと思いつつ、でもまだチェキにできるカラー表紙は完成していない状態……。
なんか基本的に勢いだけで同人をやろうとしている。計画なんてあってないようなもの。
お金の計算がめちゃくちゃ苦手なのであまり細かいことは考えていませんが、前述の通りこの時点で早割で入稿したとしても印刷代が3万ぐらい必要なことに気づいており、さらにイベント参加費、机の上に置くポスタースタンドやその他もろもろ、全部足したら大赤字なことに気づき、対面の同人イベントってすごいなーと思いました。
ちゃんと計算してないけど今回参加するために買ったものを合わせると5万以上は使ってる?
別に完売するとは全く思ってないけど1人や2人だけならちょっと凹むな。
続けていればいつか黒字を出せるのでしょうか。夢見たいな話ですね。
あとはひたすら描いて入稿するだけ
さて、締切をスマホのカレンダーアプリに書き込みまして、早割の締切はあと約1ヶ月に迫ってきました。
いよいよ追い込まれていきます。
この時点で、「アイドルにガチ恋してもいいですか?」はほぼ入稿できる状態になっており、すかすかの背景にモブとか車とか、描き加えてたい気持ちもあるけど時間なさそうだったら入稿してしまおう、と思っていました。
表紙のデザインも自分なりに頑張りました。
同人誌の表紙を調べまくって参考にしたり、デザインの本を買ってみたり。
私は色の組み合わせ方と字が小学生の頃からずっと下手で、デザインも苦手なのですが最低限見れる形になったかな……とは思います。
でも素人丸出しなのである程度同人誌の部数が上がってきたらデザイナーさんに頼みたいですね。
問題はもう片方。
一年前から描いているので、一ページ目と、さきほど入稿した本の終盤のページとを比べてみると、絵柄が違いすぎる。
これは描き直さないと絵描きのプライド的に本にできない……。
もしかしたら他の人の目からしたらそんなに変わってないのかもしれないですね。
どうなんでしょう?
こちら、本文が40ページほどなのですが、線画は全ページできていて、トーンが三分の一ページほどは終わっている状態で放置しており、読み直してみると構図が気に入らないし絵が下手だし物語の展開が雑だしでめちゃくちゃ直したくなり、4ページほどはネームからやり直し&あまりにも気になる絵(ほぼ全ページ)をこっから直すことに。
まぁ、9月は三連休二回あるしいけるやろ、とカレンダーを見ながら思いました。
早割を目指していますが、まぁ割増いかなかったら最悪いいかな、という呑気な考え。
チェキ風イラストカードは納期が長めだったので、とりあえず最低限表紙は先に完成させました。
人物の線画を直して、トーンを直し、最後の部屋のシーンの背景は中途半端に描いていたものを削除し、ほぼ全て会社で作っていた3Dに置き換えました。
めちゃくちゃテキトーなのですが、画面をそれっぽく埋めるだけで漫画っぽい!!
この背景の描き方は今度noteにまとめてみようかなと思っています。
自己流すぎて他の人が使えるかは謎。ある程度blender使える前提だし。
背景素材使ったらもっと時短になりますね。
私はできるだけなんでも自分でやりたい人間なので背景の葉っぱのブラシとか、ほわ丸とかの簡単なブラシは自分で作ってました。
早割入稿一週間前ぐらいに、これ間に合う!!と確信できるぐらいにはだいたい描けました。もっと直したいけど完璧主義はできるだけ排除します。
でも念には念を入れ、原稿のためだけに有給をとりました。
果たして、間に合うのか……。
…………。
スケジュール通り、早割で間に合いました!!!!
間に合った!のですが、本と一緒に頼もうと思っていたチェキ風イラストカードが祝日が挟まるせいでまさかのギリギリ間に合わないという事態に気づきます。
仕方なく間に合う他の印刷所を使うことに。
どっかでリベンジできるといいけどチェキ風カードってアイドルがテーマじゃなかったら今後刷らないかもな。
初めての入稿編
なんやかんやありましたが、なんとか入稿まで辿り着きました。
ここで、一旦クリスタで簡単にセルフチェックをしておきます。
たぶんEX限定になってしまうのですが、クリスタには製本3Dプレビューというチェックもできてテンションもあがる便利なツールがあります。
実際本になったらどんな感じになるのか?本になった状態を画面上でめくって確認できるものです。
モチベーションをあげるためにもたまにこれで読んだり、違和感があった部分は直したりと結構助けられました。
このツールを見る限り枠は問題ないし、誤字もないし、データの設定もおそらく問題ないはず。
たぶん大丈夫。いよいよ入稿……。
描くのはまぁ手を動かしていればなんとかなるが、この入稿するという行いのハードルが高い。
以前大手の印刷会社に等身大パネルやポスターを入稿した経験はあったので、勝手はなんとなくわかっていたつもりではありました。
ただ、そのときは元々Photoshopで作っていたので書き出しなんて余裕だし、一枚だけなので楽です。
クリスタで描いた漫画の入稿は少しややこしく、ノンブルやトンボやら、クリスタのデータからPSDデータに書き出す際に必要な項目があり、慣れていないのでここに少し時間を使うことに。
「アイドルにガチ恋していいですか?」を入稿した印刷会社は「しまや出版」さんなのですが、早割の締め切りが思っていたよりも早かったので、手こずりながら勢いで入稿しました。
ホームページに入稿データの作り方が書いてあったのでそれに習いました。
あとで思いましたが、ここが一番入稿のやり方がわかりやすかったです。書いてることそのままなぞれば何も迷わずいけた。
入稿時に不備があったら電話をしてもらえるようにしておいたので、あとは待つだけ……。
そして、締切の日に電話がかかってきました。
不備あったのか……と思いながら職場で電話をとり、話を聞いてみると、表紙の子の肌がこのまま印刷すると発色がよくない?ような内容と、このページがグレーの上にトーンがのっているのでモアレができる〜というような連絡をいただきました。
ほう。なるほど???(手元にデータがないのでピンときていない)
表紙は直さなくてもいいかなと思ったのでそのままお願いします、と答え、モアレの件だけ直すことにしました。
色味はどうしても思ってる完璧の色にはできないのでまぁいいやって感じです。
家に帰って指定のページをみると、ほ、本当にここだけグレーになっとる……となんかミステリー小説を読んだかのような気分になり、急いで直して再入稿し、無事入稿は終わりました。
モアレは範囲が大きかったからまだしも、表紙の色味も事前に知らせがくるとは思っていなかったので安心感がすごかったです。
ただなんかめっちゃ恥ずかしかった。
そもそも電話に慣れておらず、原稿を……!見られている……!と確実に直で感じられるので。これからもっと多くの人に買ってもらおうとしているのにこの時点でどうもこうも言ってられないですが。
でも確認の電話はほしいしな……ありがたすぎる……。また使います。
慣れるまでR18は入稿できないかもしれない。
絶対印刷所の人は何も(修正ぐらいしか)気にしてないだろうけどな!!
そして、そんな初めて入稿した同人誌が二冊目入稿前に到着しました。
予定よりめちゃくちゃ早い。
できた本はあとでまとめて紹介します。
問題の「同じグループのアイドルにガチ恋してもいいですか?」は、元々例のチェキ風カードを作ろうとしていた「サンライズ」さんに頼むことにしました。
ひとつの印刷会社にしぼって印刷する方も多くいらっしゃると思いますが、私はとにかく色々使ってみたかった&早割の納期が優しかったので、チェキ風カードが入稿できなくなったとはいえ予定通りこちらの会社に。
一冊目を入稿していたおかげで、若干入稿の仕方は違うものの比較的スムーズに入稿できました。
同じ日にチェキ風カードも入稿していきます。
本当はアイドルのサインの部分を特殊印刷でテカらせたかったのですがどうしてもどこも納期が合わず、ノーマルの印刷で納期が間に合う「オレンジ工房」さんに急遽頼むことになりました。
計画性のなさがここであだになってしまった。
慌ててデータを作ったので不備があったらどうしよう……まぁいいかと思いながら入稿。
ここで、ついに脱稿しました!
若干すっきりしない脱稿ですが、準備に一年以上かかっているわけなので、達成感はめちゃくちゃあります。
あとは入稿データに不備があったら連絡がくるので、それを待つだけです。
会社でスマホをチラチラ見ること数時間。
……来なかったです!
二社とも、入稿受付完了のメールがきました。
目立った不備はなかったようです。
作ったものを見ながら感想を書いていく編
先ほど入稿し、実際にイベントで頒布するものたちを紹介してみます。
まずは最初に入稿したものから。
アイドルにガチ恋してもいいですか?
![](https://assets.st-note.com/img/1729518525-wbUIahPiRLuMvZdNSs4x86B5.jpg?width=1200)
印刷会社:しまや出版
オンデマンドセットライト
B5の32P
表紙:ホワイトポスト 200kg 白
オプション:クリアPP、ハイピンク
本文:上質紙 90kg
遊び紙:アトモス95kgレッド
文字を見てもわかる通りピンク系モリモリです。
ピンクというのは、theアイドルって感じしますよね。アイドルものやるならピンクだろう、みたいな安直な考えです。
この安直な考えのせいで二冊目の表紙の差別化で頭を抱えることになります。
こちら、実は届いてからダンボールを部屋に持ってきてカッターで箱を開けたはいいものの、本を見るまでに3時間ぐらいかかっています。
しかもやっと中身見れたのはこれ書いてるとき。
自分の描いたものを、誰かが確認して本という形にしてくれたという大変ありがたい事実と向き合うのが恥ずかしすぎてしばらく直視できませんでした。
なんだそれ?と思われる人もいるかもしれないし、わかると思う方がいたら嬉しい。
記事を書いている今はケロッとして全然見れます。
なんで見れなかったのか不思議なぐらい。
でもダンボールから新品のものを取り出すまで3時間ぐらい葛藤があったのは確かで、自分はもしかして黒歴史は量産してしまったのでは???これ売ろうとしてんの自分???こんなこと……しなければよかった……と謎の後悔に走り、一旦電気消して寝ようとしたものの寝れず、その暗闇の中でようやく恐る恐るダンボールを開けて見たレベル。
やっと見ることができた初めての同人誌は、表紙のハイピンクのせの色味が思ったより自分の使っている色と相性よくないかもな?と思ったぐらいで(これは事前に連絡もらっていたのでこういうことか!って感じ)、すごい!!!本だ!!という小学生もびっくりの感想が出てきました。
色味が違う問題は昔から付き纏ってきていた人生の永遠の謎って感じなのでこればっかりは経験するしかない。
何も知らない人が本だけ見たら全然気にならないと思うので十分満足です。
でもクリスタとPhotoshopで色味変わる問題はどうにもできないので本気でやるならPhotoshopは必須だなぁ……。
表紙をじっくり見たあと、まず開くと選んだ遊び紙が入っていて、透けてる紙だったんだ!とそこで謎の喜びが入りました。勝手に透けないやつだと思ってた。
![](https://assets.st-note.com/img/1728227827-sf2AOpcoX871PdbaKlREtZ5H.jpg?width=1200)
透けてるってテンション上がるじゃないですか?
トレペ遊び紙の見た目がめっちゃ好きで二冊目はトレペにしようと思っていたので思わぬ嬉しい誤算。
こっから本文見るのが拷問でした。
でも見てすぐにそれが覆るぐらい驚きました。本文の印刷綺麗すぎる。
ちなみにしまや出版さんは普通のオンデマンド印刷と、スミのテカリを抑えたオンデマンド印刷があった気がするのですが、今回のセットは普通の印刷です。
結果的に思っていたよりもテカリは気になりませんでした。黒ベタを多用せずトーン塗りで原稿を描いたからかもしれません。
本文は思っていた通り以上の綺麗な印刷でした。
良くも悪くも同人誌って感じでこのテカリも素人っぽさがあって好きです。
印刷所によっても違うんだろうか……楽しいな……。
普通のコピー機しか知らないからこんな綺麗にトーンとか出るんだ……あ、モニターで見てる時よりも塗り残しが目立つ……ここまで薄い塗りは印刷には出ないのか……むしろアナログのトーンっぽくていいな……いやでもそうなるとあのぼかす工程いらんな……なるほど……。
って感じで勉強的な意味で本文を読み進むことができました。
各々恐怖を感じた入稿だったけど物になると満足感がすごい。
次は、完成までに一年以上かかった問題児。
同じグループのアイドルにガチ恋してもいいですか?
![](https://assets.st-note.com/img/1729518733-9dKI5rf6QNoYuGA3xZpWTyCw.jpg?width=1200)
印刷会社:サンライズ
特殊紙カラー表紙セット
B5、42P
表紙:キュリアスIR パール 146kg
オプション:PP加工
本文用紙:ルンバホワイト
遊び紙:クラシコトレーシング ホワイト 52kg
こちら、なんと、ページ数は10も違うのに単価はほぼ変わりません。
まぁ変わらないというか、あまり変化のないように調整したというかなんというか。
サンライズさんは印刷所の中では比較的安い方に分類されるんですかね?
納期もゆるめだし早割25があるので思っていたよりも安くできました。
あと見てわかる通り、さっきのものよりホワイト寄りになっています。
理由は白色が好きだからです。
ピンクとの対抗です。
購入する人が一目で違いがわかるようにしたかったので。といいつつ表紙デザインには思いっきりピンクを入れてしまっているので意味ない。「アイドルに〜」はピンクっぽい感じで、「同じグループの〜」は青白っぽい感じ……のつもりだったのですが入稿作業時にあんまり変わらなくないか!!??となりました。時すでに遅し。
黒髪ショートカットの咲月を二冊とも左側に置いてしまったのもよくなかったかも。
ぱっと見で違う本だとわかるようにしたかったのですが色味は近くなってしまいましたね……。
紙の種類はかなり悩みました。
人から貸してもらった見本紙を見て、これいいなーというのをピックアップしていくと何枚か廃盤になっていて在庫限りの紙があるということを知り、とりあえず在庫限りになっている中から選ぶことに。
キュアリスIRパールの輝きが気になり、こちらにしました。
写真は表紙の裏。グリッター感がすごい。
![](https://assets.st-note.com/img/1729518841-vSzZNk9uRIjqiy2pQ7F4c3fn.jpg?width=1200)
こういう質感のある紙にはPP加工しない方がいい説があるのですが、した方がいい気がしたのでPP加工をつけました。
てかてかです。個人的にかなりテンションがあがりました。
マットにしたらどうなったかが気になるところ。
黄色味のある紙なので印刷の色もどう出るかわからず勢いで決めたけど綺麗に印刷されていて満足です。
本文は一冊目と比べると若干紙が透けている&テカリがあまりないのが特徴でしょうか?
これはこれで漫画っぽくていいですね。
同人誌っぽさだと上質紙かも。
ページも40Pとそこそこあるので、重量感があります。本作ったぞ!!って感じ。
最後はこちらのグッズ。
チェキ風カード
![](https://assets.st-note.com/img/1729519541-VnQ6Ay4DCbFUjpaH29lofZc0.jpg?width=1200)
印刷会社は「オレンジ工房」さん。
商品名はインスタントチェキ風カード。
こちらは特に紙の指定等はなしで、テンプレートに画像をはっつけるだけの簡単なやつです。
サインは下手なりに頑張ってデザインしました。
一応、一般的な写真の位置はこうです、という枠はありましたがそれを守る必要はなく、自由度が高いのでなんでもできそう。
若干色を加工して入稿したので鮮やかな色合いになっています。
紙も色味もそれぞれ全部違うので本当の色味はどこにもない。でもそれが印刷の良さですよね。
参加準備をしてみてのまとめ
はい、かなり長文になりましたが大変さが伝わったのではないでしょうか……?
学生時代、なんとなーく憧れてきた同人活動。
いざやってみると一冊作るだけで時間もお金も体力もいるし、これは半年に一回イベントに出れたらいい方だな、と実感しました。
一年に何回もイベントに出ている方ってすごすぎないか?
本を作れるだけで偉い、とよく言いますがその言葉の意味がすごくわかります。
正直まだ黒歴史を量産してしまったのでは??というちょっとした後悔が残っているのと、こんなこと二度とやりたくない、というネガティブな気持ちがあるのですが、この一年間とても楽しかったのは事実で、絵も上手くなってる気がするし、描いた意味があるというか、報われた?感じもします。
noteの記事を参考にしまくったし、Twitterに投稿されている設営完了ツイートを見て想像を膨らませたし、あと知り合いにも色々聞いたり、先人がいたからなんとかできたんだなぁと思います。
具体的にどこの誰とかは多すぎて言えないのですがnote含め、体験を残してくれた人ありがとう。とても参考になりました。
あと家から会場への本の運び方については、実家からスーツケースをとってきたのでこれに詰めて持っていきました。
本を守るためにAmazonでプラスチックのアタッシュケースも買い、部数的にめちゃくちゃちょうどよく収まりました。
と、いうことで、参加するまではこんな感じでした。
実際サークル参加をしての感想は別記事でゆっくり書きます。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
また何か読んでいただけたら嬉しいです。