苦悩の傷跡 プロローグ

僕は3人兄弟の末っ子である。別にそれが自分にとって大変なことであるとは思ったことはない。ただ、ひとつだけどうしてもそれが原因だったであろうという確信が持てるものがある。それは女である。女に対しての理解が全くもってなかった。

それはもちろん過去の話である。現に女に対しての理解は今であれば人並みであろう。結果として社会にでてからは女と接する機会の方が多かったぐらいである。人生には未来を予想できることとできないことがあり、これは全く不本意でもあるくらいだった。いや、予想通りになったことなど何一つないのかもしれないが。

そんな人生を過ごすことになったのだが、今後どのようなことがあろうと僕の心には癒えることのない傷跡がある。それは自分にとっても苦悩であったが、彼女達にとっても苦悩であったことは明らかであろう。

一言で苦悩というには少し乱雑かもしれない。ある人にとってはそれは快楽でもあるかもしれないし、苦悩を超えた生き地獄と感じる人も世にはいるであろうと思う。それに酔いしれて人生を謳歌する人がいて、それに苦しみ自ら命を断つものがいることがそれを証明している。

この先は闇か光か。そんな問いを心の中で繰り返してみる。そこには光があるだろう。暗い方よりかは明るい方に向かって歩きたいと思うのが僕の率直な考えだろう。本当にそうだろうか、興味本位で暗い方に進んでみようとか思うことだってあるのではないか。結局考えれば考えるほどよくわからなくなる。

なら、僕が歩んできた道は闇を選んできたのか、それとも光を選んできたのか。それは明確だ。どちらも選んできたのだ。光があるところには影が存在する。それが僕たちが住む現実世界だ。

そこで記憶を辿ると面白いことが起きる。ある部分は光しかなく、ある部分は闇しかないという認識になる。そこで広げられた闇の物語は一方が光っていたから所以であると僕は思う。

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那都芽Idea
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