【再掲】この広い音楽の海の中で
※この文章は、2019年12月に自分のはてなブログに投稿したものを再掲しています。
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ずっとまとめたいと思っていた、私がゴスペラーズに出逢ってから今までの記録を残したいと思います。
時系列はちょっとバラバラだけど、当時のリアルな感情を思い起こせたら。
当時高校2年だった2013年9月、たまたま見ていたミュージックステーションの音楽情報を紹介するコーナー「Mトピ」でゴスペラーズがカバーアルバムをリリースする、というニュースを見た。
収録曲はやさしさに包まれたなら、ロビンソンなど。
好きな曲のカバーが入っていることと、Mトピの中で少しだけ流れたゴスペラーズの歌声に惹かれて、地元のTSUTAYAで「ハモ騒動」を借りてきた。
レンタルでもゴスペラーズのCDを手にするなんて初めてで、メンバーの顔と名前と声が一致しない状態のまま聴いていた。
一曲一曲聴いていって、やっぱり最初に印象に残ったのは、邦楽の中でも有名なやさしさに包まれたなら、ロビンソン、真赤な太陽。
でも他のどの曲も、今まで知らなかったけどいい曲だな、と感じた。お気に入りはTIME STOP。
聴いているうちに、そういえばゴスペラーズの有名な曲まだちゃんと聴いたことなかったな、聴いてみようかな、と思うようになった。
そのとき覚えていたのは、幼い頃にテレビで流れていた、たった一つのこと約束したんだ~ってやつとガラスの靴で~踊るミモザ~ってやつ。
その2曲がどちらも入っているベスト盤みたいなやつを…と思いまたTSUTAYAに行き、G10を借りた。
よし聴いてみよ!って始めから再生すると、
衝撃を受けた。
最初から最後まで、どの曲を取っても全部好きだった。
歌詩が好き、メロディーが好き、世界観が好き、まだ名前も顔もわからないけどこのメンバーの歌い方が好き、5人のハーモニーが好き……
こんなアルバムに出逢ったのは初めてだった。
今まで好きになったアーティストのアルバムはどうしても、お気に入りの曲と好みに合わなくてあまり聴かない曲に分かれてしまっていた。
だから、アルバムの曲全部好きになるなんてことがあるのか、と信じられない気持ちでいた。
そして、今まで自分がシンガーソングライターやジャニーズの音楽ばかりをずっと聴いていたからでもあったのか、今まで知らなかった大人の世界を音楽を介して覗いてしまった背徳感と興奮と。
直感的に、もう戻れないな、と感じた。
そういう音楽を好きになるにはまだ早いかもしれない、でも刺さってしまったんだから仕方ない。
興味を超えて、何かに情熱が傾くあの感覚。
程度も時間もどれだけのものになるかわからないけど、私は彼らをきっと好きになる。
そんな確信を久しぶりに抱いた。
そうしてまた、TSUTAYAでこれまで出ている全てのアルバムを借りてきて(ありがとうTSUTAYA)、暇さえあれば検索をかけたり動画を漁っていた。
でも地元のTSUTAYAにはThe GospellersとMO' BEATだけは置いていなくて、でもどうしても聴きたくて、地元の中古のCDショップをひたすら巡った。
当時はサブスクなんてほとんどなかったし、親はさほどインターネットに明るくなく、ダウンロードするのもAmazonで注文するのも気が引けたので、店舗でCDを手に入れない限り音源を聴くことはできなかった。
MO' BEATは中古で手に入れることができたけど、The Gospellersだけは地元のどこを探しても見つからない。
諦めかけていたとき、札幌のタワーレコードで新品が1枚だけ売られているのを見つけた。本当に嬉しくて、(あまりないパターンの)思い出の1枚になった。
CDはライブ会場でも買えることを後から知って拍子抜けしたけど、CD2枚のために必死になるくらい好きになれたのは今思っても嬉しい。
そのうち、自分がG10もハモ騒動も聴く前に出逢っていた曲があったことを知った。
永遠にと青い鳥。
ハモ騒動を聴く少し前、BENIさんの英詞カバーアルバムをTSUTAYAで借りて聴いていた(ほんとにありがとうTSUTAYA)。
そこで気になっていたのが「永遠に」。
すごくいい曲、どこかで聴いたことがあるけど、誰の曲だっけ…
そんなことを思いながら聴いていて、後に原曲がゴスペラーズであることを知って感動した。
そりゃいい曲だよ。そりゃ好きになるよ。
10月にリリースされたシングル「VOXers」の3曲目「Forever Love」を聴くと、初めて聴いたときのような新鮮な気持ちになるのは、きっとBENIさんカバー版を先に聴いていたからじゃないかな、と最近になって気づいた。
青い鳥は、映画うた魂♪の主題歌。
当時小6の私は、同級生の友達とその子のお姉ちゃんと映画館まで観に行っていた。
私はピアノを習っていたけど、進学先の中学校には音楽系の部活は合唱部しかなくて、小学生のときから自分は合唱部に入るんだろうなと思っていた。部活に入ったらこんな感じなのかな、って思いながらうた魂♪を観ていた。
審査員役の5人も「今年はレベルが高いですね」も劇中の合唱版の青い鳥もラストの主題歌も覚えている。
その5年後にまた出逢って、今度はこんなに好きになるなんて。
中学の合唱部に入って、最初はハモるだけで楽しかったのが、だんだん上手くなることだけを自分にも周りにも求めたり人間関係が拗れてきたりして、ある程度上達した頃にはもう、最初の頃の楽しさはなくなっていた。
高校に入ってからは楽しんで歌うことを少し思い出して合唱を続けることを選んだけれど、時間が経つとどうしても技術ばかりに目がいってしまった。
そうやってモチベーションが下がっていたときに、ハモ騒動を聴いて、G10を聴いて、CDやライブ映像でゴスペラーズのたくさんの曲に触れて、歌うことの楽しさをもう一度知ることができた。
それからは部活も楽しむことができて充実していた。
引退前最後の演奏が終わって、帰りのバスで青い鳥を聴いて少しだけ泣いた。
ゴスペラーズは歌うことの楽しさを教えてくれる先生のようだった。
たくさんの曲を一通り知った頃には20周年記念シングルのSING!!!!!やThe Gospellers Nowが出始めて、ハモメロツアーが始まって。
北海道は千歳公演のみ。行きたかったけれど、受験生だったこととゴスマニになったことを親に言っていなかったので讃歌は断念。
でもグッズだけはどうしても欲しくて、模試が終わってすぐに電車に飛び乗った。
会場に着いた頃には先行販売は終わっていて(先行販売という仕組みを知らなかった)、チケットもないので開場後にも買えず。
会場のスタッフさんに頼んで、開演後に買わせてもらえることになった。
開演。
会場の歓声と5人の歌声が音漏れで聞こえてきて、音漏れでも歌を聞けてしまった嬉しさと申し訳なさと、扉の向こうに行けない悔しさを抱えたままグッズを買って帰宅。
次のライブは絶対に行く、と決意した。
そして初のライブ。
2015年3月の、FM Northwave presents CLUB ZEPP 2015。
高校を卒業して、一人暮らしを始めてすぐのライブだった。
ゲストはゴスの他に、コラボ曲「続く道」をリリースしたクリス・ハートさんと、ゴスと出逢うより前に永遠にと出逢わせてくれたBENIさん。司会は今年3月のSSPで歌い手として共演した佐藤広大さん。
トリで登場した彼ら。
やっと、やっと会えた。
マイクオフでも声が聞こえる距離にいる、歌が上手い、格好良い、会場の盛り上がりがすごい、こんなにも楽しい…
一人で胸がいっぱいになりながら贅沢な初ライブを終えた。
初の単独ライブ讃歌は6月のG20札幌公演。
一般でなんとかチケットを取って、2階席最後列での讃歌だった。
セットリストが大好きな曲しかなくて、楽しすぎて、呆然としたのを覚えている。
初めて行ったのに、今回を超えるライブはないんじゃないかと思った。
今思うとそれは杞憂だったけれど。
楽しかったけれど、本編最後の「約束の季節」で涙が止まらなくなった。
大学生になり、人生初のバイト先でハズレくじを引いてしまい、なかなか酷い生活を送っていた。帰ろうと思えば帰れる距離にある実家に帰る時間すらほとんど取れなかった。
そんな時期に行ったライブの最後、高校時代地元にいたときによく聴いていた「約束の季節」で、辛い気持ちが勝ってしまった。
このライブが終わったらまた現実が始まってしまう、嫌だ、帰りたくない、
そんな気持ちで聴いてしまって、でもゴスの歌声は優しくて、寄り添うように歌う姿にまた泣けてきて、散々に泣いてしまった。
そんなG20札幌公演を終えてからは、少しずつ熱量が落ち着いてきた。バイトは数ヶ月後に辞めた。
その年の北山さんの手術は、当時は病気の知識もないしTwitterで他のゴスマニさんと繋がっていなかったこともあり、そんなに重い病気だとは思っていなくて、あまり心配していなかった。
状況によっては復帰できなかったかもしれないだなんて思ってもいなかった。
4人だけで出演したFNS歌謡祭も観ていて、やっぱり寂しいな、大変だろうなと思っていたけれど、事の重大さを実感したのは、復帰してしばらく経ってからだった。ごめんなさい。
北山さんが戻って来てくれたから今の私がいます。生きていてくれて、ゴスペラーズを続けてくれて、本当にありがとう。
2016年に入ると、当時付き合っていた恋人と別れたことで、思い出に紐付いていた曲を聴けなくなってしまった。それからしばらくゴスから離れていた。
再燃するきっかけになったのは、2017年のSoul Renaissanceツアー札幌公演。
リリース当時はあまり聴けていなかった、1曲目のGOSWINGが聴いていてすごく心に響いて嬉しくて、久しぶりに生で観る5人に自然とまた惹かれていった。
2年前はG20を超えるライブはないと思っていた。でも、ソウルネは軽々と超えてきた。
ライブの興奮が冷めやらぬまま、公演の少し前から作っていたTwitterの趣味アカウントで少しずつゴスマニさんと繋がるようになった。
ずっと1人で讃歌していて、それももちろん楽しかったけれど、誰かと感想を共有したい気持ちに駆られた。
2018年に入り、苗場20周年のライブビューイングを観に行って、その気持ちはますます強くなった。
就活生になった私は息抜きにTwitterを漁ったり少しずつ他のゴスマニさんと話したりして(息を抜きすぎていたような気もする)、就活が終わってからはたくさんのマニさんと繋がるようになった。
11月のW2N2札幌・苫小牧公演では初めて「フォロワーさんに会う」という経験をした。初対面でも気兼ねなく話をさせてもらえたり一緒に盛り上がってくれたりと、優しいゴスマニさんにたくさん会うことができた。
後に気軽に遠征ができるようになったのも、マニさんに会う楽しみを知ったからでもあると思う。
2019年に入り、2月の苗場ライブビューイングで終電を逃し「来年は現地で観よ」とカラオケでオールしながら決意。
ソウルネが最高だと思っていたら、W2N2が軽々と超えてきた。
このあたりで、ゴスペラーズのライブは毎年最高を更新してくるということに気づいた。
W2N2もセトリが最高だけど、個人的にアコースティックアレンジの「約束の季節」が思い出深い。
3年半前、G20で泣いたあのときと今回は違った。大学に入ってすぐに行ったG20と、就職も決まり大学生活も終わろうとしている頃に行ったW2N2。
4年間で楽しいことも辛いこともたくさんあって、少し離れていた期間もあったけれど、私にはゴスペラーズの音楽があった。
W2N2の約束の季節は、そんな4年間を清算するような気持ちで聴いていた。
たくさん辛かったし、私は生きるのが下手だったけど、それでいいと思えた。
そう思うとなんだか安心して、また泣いてしまった。
3月にようやくGOSMANIAに入会した。このあたりからいろいろと加速する。
同じく3月、Sapporo Soul Party!に讃歌。ライブは今までずっと1人で讃歌していたが、初めてフォロワーさんと連番させてもらえた。
毎年東京と大阪で行われているSOUL POWER SUMMITは、実は今まであまり興味がなかった(ごめんなさい)。
これまで遠征したのは別の推しの舞台で一度だけ、ライブを観るために道外へ出たことがなかった私には、東京や大阪に遠征してまで単独で出演しないライブを観に行く、という気が起こらなかった(本当にごめんなさい)。
でも、SSPがあまりにも楽しかった。
初めましてのアーティストも、コラボも、もちろんゴスも最高だった。
東京大阪ではこんなに楽しいことを毎年やっているのか、と衝撃を受けた。
SSPを札幌でやってくれていなかったら、ソルパワに行きたいとは今年も思っていなかったし、他のライブの楽しみ方も違っていたかもしれない。
4月に新社会人になり、1、2週目でしんどくなったので、軽率に「そうだ、ソルパワ行こう」と決めた。
フォロワーさんになにわのチケットを譲っていただいた。最初は土曜日だけだったのが、公演後が有給の取りやすい時期だということを知り、日曜日もおかわりして譲っていただいた。
7月にはSkoop On Somebodyの札幌公演にも行った。ちゃっかり沼に足を踏み入れる。
このとき初めてお会いしたフォロワーさんとは、その後ライブやそれ以外でも濃い付き合いをさせてもらえることになった。
8月のRISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO。
マイク5本で殴り込みに来ると噂のゴスペラーズのロックフェスに遂に行くことができた。
台風で1日目が中止になった中、なんとか開催できた2日目で、ゴスの出番でその日一番の青空が出て、サウンドチェックで感無量になって、(仮)女神認定を貰って(ライジングで7回目)、ゴスマニじゃない周りの観客の「すごい」「格好良い」の声にそうでしょうそうでしょう?と心の中でドヤ顔して、念願のなりきりゴスペラーズができて、こちらもまた濃い付き合いをさせてもらえているマニさんにも初めて会えて、終わってからも余韻に浸って、幸せでたまらなかった。
今までに讃歌したライブはどれも本当に楽しくて順位を付けられないけれど、ライジングだけは格別。
そして、ゴスでは初遠征のソルパワなにわ。
全国のたくさんのゴスマニさんにお会いして、ソルパワならではの盛り上がりを肌で感じて、ライブが終わってから飲みに行って喋りまくって、観光もして、最高の初遠征になった。
10月、始まった頃からいつか行きたいと思っていた高崎音楽祭のビッグバンドコンサートに讃歌できた。
フォロワーさんと3連番して要所要所で崩れ落ちたり、VOXersの宇宙初披露に立ち会えたり、聴きたかった曲をたくさん聴けたり、これまた最高に楽しかった。
2019年のライブ讃歌はここで終わりだけれど、終わっても楽しいことがたくさんあった。
11月と、デビュー記念日の12月21日に開催した北のゴスマニ円盤鑑賞会。
ライブさながら、それ以上(?)に絶叫しながらライブ映像を観て、たくさんの道内のゴスマニさんと仲良くなれた。
12月はタワーレコード札幌店のゴスカフェの開催時期が被り、解散した後はロスになるほど楽しかった。
1月にはG25の下関に行くし、2月の苗場と4月の函館の計画も立てている。
いつか行きたいと思っていた苗場がこんなに早く叶うなんて。
函館もきっと楽しい旅になる。
ここまででもすごく長くなったけれど、それだけ思い出があった証拠。
そしてこれからもきっと増えていく。
これからの楽しみが絶えないのは、出逢う前からも、出逢ってからも、今も、ゴスペラーズがずっと活動を続けてくれているからで。
私は運命だとか奇跡だとかいう言葉をあまり軽々しく使いたくなくて、今があるのは全て自分が選んできたことの結果だと思っている。けれど。
あの日Mステを見ていなかったら、幼い頃に聞いたひとりやミモザが耳に残らなかったら、ゴスペラーズという存在を知らなかったら、ゴスペラーズが25年も歌い続けていてくれなかったら。
今の自分はいない。
Mステを見てハモ騒動を聴いて、という前にも好きになれるタイミングはたくさんあったかもしれないけれど、もし昔から好きだったら今では幻の過去のライブにも行きたかったな、なんて思ったりもするけれど。
あのとき、出逢えて良かった。
人生を彩ってくれてありがとう。
たくさんの街に歌いに来てくれてありがとう。
ずっとずっと上を目指してくれてありがとう。
変わらないところは変わらないままでいてくれてありがとう。
続けてくれてありがとう。
5人でいてくれてありがとう。
私は私のゴスマニ人生を誇りに思う。
こんなにも幸せだもの。
だから。
あなたに巡り会えたこと、奇跡だと思うよ。
いつも彼らが、「5人で歌い続ける」と約束してくれるように、私も何度でも約束する。
これからも共に、ゴスペラーズ坂を登り続けます。