どうでも良さそうで案外大事な話
私は右目より左目の方が大きい。
そんなことに気づいているのは世界中で私ひとりだけだと思うけど、やっぱり左目を強調した方が全体的にかわいい印象になる。(と思っている。そもそも私はかわいいタイプの顔立ちではないのだけれど。)
そんなわけで長らく前髪は額の左側で分け、右に流して、右目を少し隠し左目全体を出すようにしていた。
ところが、
私の前髪の毛根は左に流れる形状をしているのだ。
つまり自然の摂理に従うならば、右分けにして左に流すべきなのだ。
それでも私は頑なに自然に逆らい続けた。
「ほんとはこっち側の方がセットしやすいんですけどねぇ」
と苦笑する美容師さんにも
「いや、左分けでお願いします!」
と逆らい続けた。
しかしやはり、自然に逆行するって大変なことで、
どうにもこうにも、やっぱり前髪が不自然なのだ。
変なところで浮いてくるし、伸びてきたらパラリと真ん中に落ちてきてしまう。
そんなある日、左目の上にタンコブかと思うほどの大きなニキビができた。
私のチャームポイントである(誰も思ってない)、比較的ぱっちりめのこの左目の上に…!!
ちょっと人目に晒すには、あまりにグロテスクで熟れた果実のようなニキビであった。
ニキビはいずれ治る時が来るだろう。しかし、私はこの度満を持して、
「今回は、右分けにします…!」
と革新を試みたのだった。
「え?!まじすか!小西さん!どうしたんすか?!」(←女性の美容師さんである。)
彼女は驚愕した。
しかし私は、目を少しでも大きく見せることより、自然の流れに身を任せることを取ったのだ。
自然に従ってみようと思ったのだ。
するとどうだろう。今感じていることそれは、
「右分け、めっちゃラク…」
何もしなくても前髪が、まさに「自然に」流れてくれる。
あぁ、自然に従うとはかくも心地よいことなのか…
それから私は1年ほど続けたマツエクもやめた。
私の目を大きく見せてくれていた長くてちょっと大げさなカールのついたマツゲ。それを取った後の私の地まつ毛は、以前より短く弱々しくなっていた。
なんか、かわいそうなことしちゃったな。まつ毛ちゃんごめんね。という気持ちになった。
自然に抗わない。
そんなこと言い出したら
パーマもかけるなよ、メイクもするなよ、
もっと言えば、
乗りたくもない電車乗るなよ、ムカついてるのにヘラヘラ笑うなよ
世の中自然に従ってないことだらけなんだけど、
たまにはこんな選択をするのも気持ちいいよね、という話でした。
ちなみに分け目を変えてマツエクを取っても、誰も「目が小さくなったね」とは言わない。(気を遣ってるだけ??)