私が子宮頸がんになった話 vol.9 PET-CT
以前、MRIでは骨盤周辺の病変を調べたが、PET-CTではがんが全身に転移していないかを調べた。私の場合、がんがまだ初期で、医師から「がんと診断されたからには一応受ける決まりなので」という言い方をされていたので、「全身に転移してたらどうしよう!!!」という絶望感はなかったものの、可能性はゼロではないと思うと色々考えたくなるので、努めて”無”で当日を迎えた。
それよりPET-CTを受けるにあたっての注意点で気になるものがあった。PET-CTは検査薬に放射性物質を使用するため、「検査終了後、当日中は妊婦や乳幼児への接触は極力避けてください。」と書かれていたのだ。うちの次男は幼児で、特に就寝時は私にべったり。
検査前に病院から確認の電話があったので事情を話すと、赤ん坊ではないのでそこまで心配することはないけれど、できれば接触を控えた方がよいとのことだった。万が一を考え、検査当日は実家に泊まらせてもらうことにした。また、その日の夕方に長男の友達と近所の夏祭りに行く予定だったのだが、ママ友が妊婦さんだったので、こちらもキャンセルさせてもらった。
PET-CTは、
①検査薬を注射後、割り当てられたブースに設置されたリクライニングチェアで1時間ほど休む
②検査
③検査後放射線の減退を待つため同じブースで30分ほど休む
という流れで、待合室はスーパー銭湯の休憩室の雰囲気。5-6名の人がそれぞれの動きをしていた。リクライニングチェアでの1時間は、なるべく何もせず休んでいてと言われたので、ぼーっとしていたら、いつの間にうとうとしていていたところで、スピーカーから呼びかけがあり、検査室へ。
検査後は検査薬を排出させるため、もらったペットボトルの水を沢山飲みながら休憩して終了。
朝ごはん抜きだったので、駅の蕎麦屋で軽く昼食を取り、実家へ帰った。
実家に帰るとすぐ昼寝させてもらい、夕飯は私のリクエストのすき焼き。父とは病気のことで一度も会話をしていなかったので、改めて報告し、「治療頑張りまーす」と乾杯してみんなで鍋を囲んだ。父からは特にコメントはなかったが(そういう人なので)こんなこともなければ1人で実家に帰ることなんてまずなかったので、その日は娘として甘えさせてもらい、ゆっくりした。
がんになってから、健康でいるからできる日常を再確認すると同時に、がんにならなかったら出来なかったのんびりとした時間も、今の自分に必要なんだと思った。キャンサーギフトという言葉があるようだが、まさにこの時間は「ちょっと休めや〜」という天からのギフトかも。
…なんて余裕でいたのは、この時までで、この後の入院&手術は結構ハードだった。治療の山場、2度目の入院生活はこの後すぐ。お楽しみに!