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パフォーマンスを上げる欧州式仕事術

《仕事をしない時間をいかに生み出せるか》。欧州では、これが、仕事の成果を左右すると考えられている。⠀



実際に、2017年には、BBCジャーナリストAmanda Ruggeriが世界中から数々の学術論文をまとめた記事“The Compelling Case for Working a lot less”内で「働く時間を減らすことが、生産性とクリエイティビティを高める」と結論づけている。⠀


デンマークではHygge(まったり過ごす時間や空間)、スウェーデンではLagom(ほどほどに)、オランダではNiksen(何もしない)という各国独特の言葉に表されるように、働く時間を抑えることが欧州流成功法として広く伝えられてきた。⠀


ドイツ語でNichtstun(何もしないこと)をネット検索すると、何もしない時間を確保することが仕事の成功の鍵であるという専門家の記事や、「何もしないこと」ができないことを本気で悩む人たちが真剣に意見交換している情報が山ほど出てくる。⠀


Ruggeriがまとめた論文の中に、5000人以上の正社員を対象にした調査例がある。長期休暇を取る人とそうでない人を比較したものだ。結果、長期休暇を取る人が3年以内に昇級するまたはボーナスを得る確率は、長期休暇を取らない人の2倍になるという結果が出ていて、休暇を取ることが仕事の成功と直結していることが示唆されている。⠀


コロンビア大学などで教鞭をとるJosh Davis博士の著書Two Awesome Hoursに出てくる例もわかりやすい。1万回腕立て伏せをしたいと思っても、それを一度にやるのはまず無理だ。しかし、休み休み長期間で行えば誰でも実現可能になる。しかも、休み休み続けることで確実な筋トレ成果がでるもので、これは仕事の成果の出方と同じだというのだ。⠀


私も試してみた。が、日常の中で仕事しない時間の産出は想像以上にしんどい。朝起きてから寝るまでほぼ仕事のことを考えているし、気づけば携帯を握っているか、PCの前に座っている。大量に溜まっていく仕事を目の前に、仕事しないという選択肢は現実味がない。


そこで、2年前から定期的に実践し始めたのが年に4,5回長期休暇をとること。日常から自分の身を半ば強引に物理的に隔離するためだ。ネットがない環境であるとなお良い。⠀


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今回は、家族とバリ島に来た。気になってメールや連絡事項も読んでしまうし、会議も参加してしまうのだけど、仕事しない時間は確実にできていく。理由は単純で、ネットの速度が遅くてイライラして仕事にならんし、何よりここでしか堪能できない誘惑がたくさんあるからだ。⠀


ビーチで波の音に耳を済ませていると、ふと今は亡き家族や友や知人のことが思い起こされる。ボリビアで出会った搾取される農民たちのことを偲ぶ。何のために会社を経営しているのか、私たちの信条を回顧する。⠀

社会、地球、次世代のために。この想いに忠実であれる会社でありたい。身体の内側から願う力がまた溢れ出てきた。




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