努めて人前で夫と子どもを少しだけ褒めるようにしているワケ
私は、努めて人前で夫や子どもを褒めるようにしている。
「褒める」というと上から目線な感じがする。「家族の良いところを謙遜なしで表現するようにしている」というのが一番近い感覚かもしれない。
なぜそうしているのか。というと、努力してそうしていないと、謙遜というか、マイナスイメージのことを口に出してしまうからだ。日本人特有なのかもしれない。他人から家族についてのポジティブな声がけをもらうと、それを素直に受け取るのが気恥ずかしいのだ。「旦那さん優しいね」と言われたら、「でも●●なこともあるけどねー」と言いたくなったり、「お兄ちゃん、妹ちゃんに優しいね」と言われると、「家では喧嘩も多いけどねー」と言いたくなったり。それでも私が謙遜しない理由は、『私が』『私のために』その場を取り繕いたいという目的だけで発せられたメッセージが、(その場にいないとしても)文字どおりネガティブなメッセージとして本人(特に子ども)に伝わりそうなのが怖いからだ。私が気まずい雰囲気を味わいたくないという理由だけで、夫や子どもたちにネガティブなメッセージを与えるなんて絶対に違う。
だから、私は「旦那さん優しいね」と言われたら「いやもう本当に。私は夫のこと仏って呼んでるんだ。笑」と答えるし、「お兄ちゃん、妹ちゃんに優しいね」と言われたら、「そうなのー、めっちゃ助かってるんだー!」と答える。謙遜する癖を断ち切ったのだ。すると、すごく清々しくなった。私が大切にしたいと思える人たちのことを、嘘でも貶める必要がないって、精神衛生上とっても良い。
もしかしたら、私からそんな身内に関するポジティブ返答が返ってきて、気分が悪くなる人もいるかもしれない。もし気分を害したら申し訳無いと思う。でも、そんな人のために、自分の大切な人を卑下することなんてしたくない。これは私の小さなプライドだ。「褒める相手が間違っていたよ、ごめんなさいね」と思いながらも、私は今日も謙遜一切なしで身内について話すのだ。