「独り言の読書記録」アルケミスト/パウロ・コエーリョと出産前日に見た夢
世界的ベストセラーとなったブラジル人作家パウロ・コエーリョによる「アルケミスト ー 夢を旅した少年」。先日、友達との会話で話題にのぼったのですが、まだ読んでなく、錬金術(ラテン語でAlchemiaアルケミア、アルケミストは錬金術師という意味)には常々興味を持っていたので読んでみることにしました。
内容は、私が期待していたようなものとは少し違いましたが、人生に役立つような教訓がたくさん台詞に込められていて、今から夢を追いかけたいと思っている若者を後押ししてくれるような本でした。
ただ、聖書の内容がでてきたり、イエス・キリストが病気やケガを治すというエピソードが語られたことにはちょっと違和感。
錬金術は、古代エジプトや古代ギリシアで生まれ、ヘレニズム文化の中心であった紀元前のエジプトからイスラム世界に伝わり発展したからです。一方、ヨーロッパのキリスト教世界では、神中心の社会になり、錬金術は排除されました。錬金術が、卑金属を金に変えることができる「賢者の石」を創り出しだり、「生命の水エリクサー」によって不老不死の肉体を得ることを目的としていたため、キリスト教の教えに反していたからです。
そして、12世紀頃、イスラム教から持ち込まれた錬金術が、ヨーロッパでも再び行われるようになり、16世紀ルネッサンス期に最盛期を迎えます。それゆえ、錬金術(アルケミア)の語源がアラビア語のAl Kimiyaであるのです。
その後、錬金術は現代の化学に引き継がれていきます。
納得できない内容もありましたが、なぜか、読後に心の中の整理ができたような気持ちになったのは、「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」という考え方は、いくつになっても生きていく上で、持ち続けていたいと思うからかもしれません。
「アルケミスト ー 夢を旅した少年」は、主人公の青年が、2度同じ夢を見て、その夢で示された宝を探しに旅に出るという話なのですが、実は、この私達が寝ている時に見る「夢」にどういう意味があるのかということに、最近興味を持ち始めています。
私が見た夢の中で一番よく覚えているのは、出産前日の明け方に見た夢。
夢の中で、私は、エレベーターに乗っていました。そのエレベーターは上下に移動するわけではなく、観覧車のようにゆっくりと円を描いて動いていて、なかなか行きたい階にたどり着くことができませんでした。ところが、その乗り物が急に真っ暗な中をスピードを出して進む地下鉄のようになったのです。そこで、怖くなり目を覚ましたら、破水していました。
そして、私は病院に行き、陣痛が来るのを待ちながら、体が軽くなったような気がしたので、病室を歩き回っていました。陣痛はなかなか訪れず、夜になり、8時間勤務の助産婦さんが3人目になった時、「そんなに動き回ってはダメよ。赤ちゃんが出口をみつけることができないから」と言われ、ベッドに横になると、間もなくして陣痛が起こり始め、その間隔がどんどん短くなり、翌日のお昼ごろ、4人目の助産婦さんの時に、無事に赤ちゃんが生まれたのでした。(この4人目の助産婦さんがすばらしく、この時間に生まれてきてくれた娘に感謝!)
後になって考えてみると、私が見た夢は、出産を予言していたのではないかと思うのです。観覧車のようなエレベーターは赤ちゃんが出口を探している時、スピードを出して進む地下鉄は産道を見つけた赤ちゃんが出てくる様子。それゆえ、この本が言うように、夢には何かシグナルが隠されているのかもしれません。
実は、私、作曲ができるようになりたいと思っているのですが、なかなかいいメロディーは思いうかびません。ところが、今まで夢の中で何回か作曲をしているのです。その時、パッと目が覚めて、そのメロディーを忘れないようにと思い、口ずさむのですが、いつも再び寝てしまい、次に起きた時には、もうそのメロディーを忘れてしまっています。
これからは、夢を大切に。メロディーが夢の中でうかんだら、口ずさんで録音してから、もう一度寝るようにしたら、もしかしたら、作曲家になるのも夢ではないかもしれません。
私の独り言の読書記録、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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