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ことばさばき
歌い手の永遠の課題だとおもう、言語のこと。。
イタリア語はカタカナ読みと言ったけれど、厳密には細かい母音の違いや、巻き舌などいろんな違いがあるよね。
しかし!ダントツ、ドイツ語の方が難しいと思う。
自分自身一番慣れているのがイタリア語だというのもあるけれど、子音の多さやウムラウト(母音に¨が付いている、üとかöみたいなの)の発音など、日本語の引き出しには全くないものをたくさん求められて。。
さらに、フランス語もRの発音や、鼻母音は感覚にすらないものだし、ロシア語やチェコ語なんかはまず文字ですか記号ですか…って言いたくなるくらい。
スペイン語、英語、もちろん日本語も、数多ある言語それぞれの特性を捉えることーーー
歌だけに許された言語を音楽化する魅力は、最大の難関でもあるのですね。。
玲ちゃんリクエストのマッチの歌、あれも苦戦したねー笑
ざっくりと書いてみようかな…
Schwefelhölzle
曲頭に何度も出てくる「マッチ」という単語を、音節で区切ると、こんなかんじ↓
しゅ ゔぇ ふぇる ほ(へ)る つれ
摩擦音の「しゅ」
唇をつかう「ゔ」「ふ」
ウムラウトの「ほ(へ)」
Lの発音で「れ」
一つの単語で気をつけなくてはいけないことがまずこれだけあって、正確な発音を理解してまるごと言えるようになったあと、リズムにのせてみる。
そして他の単語と繋ぎ、フレーズでなめらかに言えるようにしていく。
音楽的なところにいきつく前に、こんな準備があります。。
そして歌いながら(息を吐きながら、音程とリズムをつけながら)捌いていくというのがね、面白さでもあり、難しさでもあり。でも、作曲家たちは音楽と言葉の交わった美しさを奥深ーく考えてくれているので、ここだ!というポイントがちゃんとある気がするよ。
でもピアニストさんの譜読みと同じようなものだよね。
私たちは言語はいろいろだけど、一度に出せる音は一つ。
1秒の間にいったい幾つの音をあやつってるの!と思うことも多いピアノパート。
そのあたりのコツ?ご苦労?を玲ちゃんにきいてみようかなぁー^^
(写真はスカラ座博物館で見た、ロッシーニ特別展で飾られていたポスター)