長濱ねるちゃんのエッセイがおもしろい

7月11日。長濱ねるちゃんのエッセイがおもしろい。

ギャクセン的なおもしろさがあるわけではないし、なにか特別な出来事が書いてあるわけでもない。学生時代の部活動の話や、友達と本屋さんに行った話。誰にでもある日常を書いているだけなのに、つい引き込まれる。そして、その話の中に流れていた空気感のようなものが心にのこり続ける。

なんでこんなにおもしろいんだろう。
何度も読み返して、ふと「読んでる人が頭の中に情景を描けるぐらい細部まで言葉で描き切るパワーかも」と気づいた。

たとえば、

集合場所に待っていたガイドさんは、髭が生えた、小麦肌の四十歳ぐらいの男性。坂口憲二さんに似ていた。今日は楽しい一日になりそう、そう確信させる雰囲気があった。この先はよりイメージが湧くようにそのガイドさんを髭口さんと呼ぶことにする。

すごくよくイメージが湧く。もはや自分が実際に髭口さんに会ったような気さえする。そして長濱さんが髭口さんに感じた親近感も同じように私の心に湧く。

視覚情報の描写も見事だし、印象のような感じたものの描き方も、巧みすぎる。

解像度が高いから、聞いていておもしろいのかも。

自分が感じたものに1番ぴったりくる表現を選び抜くことってすごく体力が必要で、つい平易な言葉でまとめてしまいたくなるけど、妥協せずに自分の心と言葉に向き合い続けるタフさが文章を書く力なんだろう。

そんな馬力をつけていきたい。

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