青い未来のぎんなん feat.1時間舐めつづけられる飴
7月10日。バスの中から、青空をバックに揺れている青いイチョウの葉っぱを眺めていたら、葉と葉の間に実がなっていることに気がついた。葉っぱとまったく同じみどり色をした、未来のぎんなん。ひとつ目に入って、あれっ?と思い、よく見たら、一枝に20個ぐらい、ぼこぼこついている。
まだ固そうで、11月頃に地面に落ちているようなぐにゃぐにゃしたやわらかさはまったくなく、それなのにぎんなんらしい、独特の質感。つやのない、なんて表現すればいいんだろう。
あれに似ている、と思った。
小学生の頃にUFOキャッチャーの景品で心奪われた「1時間舐めつづけられる飴」。みどり色のまん丸の棒付き飴で、飴なのにつやつやしていなくて、紙のような質感だった。
漁師さんが長時間手がふさがっていてもエネルギーを摂れるように開発された、というようなことが書いてあったと記憶している。
15年以上も昔のことなのに、よくこんなにすっと記憶の中から現れたものだ。欲しくて欲しくて心焦がれた感覚とともに浮かんできた。
あの飴は結局手に入れられたのだろうか。あんなに欲しかったのだから、きっとなんとしてでも手に入れたような気もするし、もし手に入れていたなら、きっと1時間も根気よく舐めつづけられずに途中で捨ててしまって憧れも失っただろうとも思う。
ネットで調べてみたら、たしかにあった。数年前にもTVで取り上げられたりしているみたい。
今でも欲しい。「1時間舐めつづけられる飴」のなにがそんなに心を揺さぶるのか。じっくり考えてみたい、と思いながら、眠さに勝てず、このあたりでおしまいとしましょう。
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