遺書No.863 馬鹿or天才と紙一重の存在。
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2006.11.20
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「馬鹿」なのか「天才と紙一重の存在」なのかどちらか。
どっちも一緒じゃねーかよその通りだよ。
絶対にそうでありたくはないのだが、
ふとそんな事を考えたりなんかしてしまうと、
もう怖くなって夜もおちおち眠れなくなるんだ・・・。
こんばんわ、みーくんです。
俺は小学生の低学年の頃まで、
とにかくまぁ、よく怒られていた記憶がある。
それはそれはとにかくもうしょっちゅうね、
先生から頭にゲンコツを貰ってたよね。
もうね、日課。
完全に日課でしたよ。
もしもあれが今の時代だったなら、
体罰だなんだと大問題じゃねーかって程にね。
で、よくよく思い出してみると、
俺は保育園の頃からそうだったようだ。
伝言ゲームってのをやるのだけど、
伝言ゲームって知ってるよね?
前の人が言った言葉をそのまま後ろの人に伝えてくっていう、あの単純なアレね。
でも保育園とかだったし、
その伝言に使われる言葉ってのがえらい簡単で、
「すいか」とか短い言葉なもんだからね、
勿論そんなの間違いようがないじゃん?
つまり、つまんねーじゃん?
てゆか間違える奴なんてよほど馬鹿じゃねえ?
くらいに生意気な俺は思ってた。
「何みんな真面目にやっちゃってんの?
もう~これだから たんぽぽ組 だめなんだよ~。」
とか思ってたね。
さて、そんなある日、授業参観がありました。
「おとうさん、おかあさんに、楽しいゲームみてもらいましょう」
とか先生が言って例の伝言ゲームを始めた訳。
今でも覚えているけど、
最初「あさがお」と回ってきたので、
俺は迷わず『まぐろ』って次に回してみたの。
すると、最後尾の男の子に、
先生が聞くわけよ。
「なんて回ってきたの?」
最後尾が答えるよね。
「まぐろです」
そうだよね。
俺から前にすわっている園児達は、
「えーなんでー!」と声をあげる。
・・・してやったり、の気持ちだったよ。
ところが、先生のヤロウ。
後ろから一人ずつ確認してくるんだよね。
「君のところはなんて回ってきた?」
「まぐろです」
「君のところは?」
「まぐろです」
順番にきいていく。
犯人のアブリダシでございます!!!!
どう思う?エグいよね。
保育園だったよアレは確かに。
犯人探しとかもうヤダヤダ。
世の中それじゃダメよ。
ティーチャーったらめちゃ堅実的な方法。
・・・とんだことになったよね、ワトスン君。
俺はズボンの上から、
白のブリーフをぎゅっとおさえた。
そして俺のところにきた時、俺は言ったよ?
「朝顔です!」
父兄たち、爆笑ですよ。
やべ、ウケてる、と思い、調子に乗る俺。
「みー君、次は間違えないでね?」
「はい。」
次も確か「バラ」とか、
そういう簡単なやつだったと思う。
俺はそこでも『イクラ』とか何とか、
また違う簡単な言葉で回したよね。
子供心に寿司ネタで統一しようとか、
もちろんそこまでは考えてなかったと思うけど、
とにかくその時は「イクラ」といってみた。
後列まで行く。
そしてお決まりの確認。
また魔女裁判だ。
「君は?」
「イクラです」
バラと聞いたやつがどこまでいくか・・・。
先生は全てを知っていた。
絶対俺がやったというのを知りながら、
あえて一人ずつ聞く。
今考えれば、
ある意味この先生は「笑い」というものをよく分かってたんだよね、きっと?
俺のところで、
「みー君?」
「バラってききました」
という当然のやりとりをした後にこう言った。
「なんで前の人の言ったことちゃんと回さないの?
これ伝言ゲームなのよ。
そのまんま伝えるだけなのよ。
もう間違わないわよね?」
・・・うん、だよね。
OK、把握したよティーチャー。
つまり「もう1回ボケろ」って事なんだと思う。
少なくとも、当時の俺は、
即座にそう解釈したよね。
ボケという意味がわからなくても、
もうその場のオーディエンスたちは、
間違いなく俺がもう一度間違えてくれることを期待していただろうと思う。
期待を裏切る?
いいやそれは出来ない(キリッ
おまえにできるのかい?
そんなパーティ(授業参観)を盛り下げるようなことが。
オイオイ、サウスセントラルでそんな事やったら間違いなく、「ベイビー おうちへお帰り」だぜ?
行った事ないけどね。サウスセントラル。
てゆかサウスセントラルてどこ。
オズの魔法使いだか不思議の国のアリスで出てきた?
知らねーよどこだよ。
まぁでも、たぶんね。
きっとそう。
ハジけろってこと。
トト、ここはカンザスじゃないわ、って感じだ。
Toto, I have a feeling we're not in Kansas anymore.
(戸田 奈津子訳)
そして次のお題は、
確か「にわとり」とかそういうやつだった。
俺は迷わず『たまご』といった。
最後まで寿司ネタ。
グルービーども(他父兄)たちはやんややんや。
その中に一人だけ、
あからさまに地獄みたいな顔の女が佇んでた。
もちろんそれは俺の女。
そう。
女っていうか、母ね。
マザー。
家で、アレね。
説教ね。
なんから、母は、泣いたよ。
でもね、俺だって泣いたよね。
俺はあれだけ場をわかせたのに、
むしろご褒美もらえると思ってたのにな、と。
へこんだね。
・・・これってアレだよね。
馬鹿なのか、
あるいは、
何とかと天才は紙一重っていう言葉があるけどそれの天才じゃない方か。
つまりは、そういうことだったんだよね。
でもね、俺はそんな俺が誇らしかったんだよ。