[うたの素]「禁花」

「禁花」

淡い季節をいつまでも 歩いていたかった
こぼれおちてく言の葉が どれだけ刹那でも

そっと離れるやさしさは 風花に似ていて
熱を冷ましてゆくように 濡らして消えてゆく

私にひそむ棘が
いつかあなたを きっとあなたを・・・
 
大切にしたい想いが
わかってほしい想いが
咲いてはいけない場所で咲いたのなら
誰ひとり気づかないよう
風吹く丘で揺れるよ
あなたを好きだと匂い放ちながら


やっと芽生えた歓びを 摘み取る指を噛む
はがれおちてく時の粒 浸み込む土の上 

かなわぬ夢と知って
忘れられるなら 人は泣かない

まっすぐなだけの願いは
たったひとつの願いは
心に根を張り決して枯れないから
止まらない涙はただ
風吹く胸をうるおす
あなたを探していつかまた咲くために

大切にしたい想いが
わかってほしい想いが
咲いてはいけない場所で咲いたのなら
誰ひとり気づかないよう
風吹く丘で揺れるよ
あなたを好きだと匂い放ちながら


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