[うたの素]「ふたつのカケラ」
「ふたつのカケラ」
何も持たずにあなたを愛しているの
明日のあなたにやさしいものを
今日も渡せなかった
さしだせる心さえも
誰より足りない私の
カケラでいいから呑みこんで
あなたにしてしまって
逢えばあなたを愛しているか
わからなくなるほど苦しい
月が今夜もきれいに点る
願いは誰にも言えそうにない
何も捨てずにあなたを愛しているの
つなぐ指には約束もなく
時を止めたいだけ
優しさが冷たいことを
誰より知らないあなたの
カケラが身体になじんでく
淋しい恋の細胞
果てがどこかに隠れていても
わかりたくないほどいとしい
自分勝手な涙が落ちる
出逢った意味などあとづけでいいの
手にしたとたん褪せる夢でもいい
伸ばしたとたん覚める夢より
逢えばあなたを愛しているか
わからなくなるほど苦しい
月が今夜もきれいに点る
願いは誰にも言えそうにない
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