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「浪費家」というキャリア

服好き会社員による会社員的ファッション論。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。

新年度を前に、ニュースでは物価上昇と賃上げの話題で賑わっていますね。
皆さんは春からお給料上がりそうでしょうか?

上がりそうな方も、そうでない方も、服好き会社員にとっては切っても切り離せない、お金の話を今回はテーマにしたいと思います。

初回を読んでいただくとお分かりになるかと思いますが、20代の頃、それはそれは浪費家だった私。

新卒1年目で10万円以上するブルックスブラザーズのジャケットを買ったり、毎月2万円出して表参道の美容室に通っていたり、父親から「お前は毎日バッグを買っているのか」(もちろん比喩)と呆れられたり、全くそんな身分でないのにふらりとヴィトンの路面店に立ち寄って買い物していい気になっていたり・・と、とにかく数えればキリがない浪費の思い出たち。。

当然ほとんど貯金なんてできず、そんな自分に負い目を感じたりすることもありました。(なら使うのやめなさいという話ですが、それが素直にできないのが服好きの宿命)

ですが、30過ぎて久々に会った大学時代のしっかり者の友人が発したこの言葉をきっかけに、私の中でお金との向き合い方が変わりました。

「お金は結構たまったんだけど、なんで20代でもっと使わなかったんだろうと思うんだよね」

もしかしたら貯蓄ができてなさそうな私を思いやっての、優しい発言だったのかもしれません。
もしかしたらその一瞬だけ、隣の芝生が青く見えたのかもしれません。

ですが「お金を貯めなきゃ」とただ焦りがあった当時の私にとって、お金を使わない後悔もある、という事実は、結構衝撃的な発見だったのです。

「メリハリをつけてお金を使いましょう」
「消費・浪費・投資のうちのどれなのか考えてお金を使いましょう」

いずれもよく聞くフレーズで、「ですよね」と納得した気になって、すぐに行動に移そうと思いがちです。が、共通して言えるのは、どちらも「自分のお金に関する価値観をしっかり理解している」というベースがないと、できないということです。

自分にとってのその価値観・・明確ですか?
もしそうでない場合、どうしたらわかるのでしょうか。

私は、やっぱりお金を使ってこそわかるものだと思います。

ただ憧れで表参道で髪を切ってもらっていた経験があり、(所在地よりも毎日自分でスタイリングしやすいことの方が大事だと気付いたから)今は美容室にはそこまでお金をかけなくていいとわかる。

欲求のままにブランドバッグを買ったことがあり、(結局自分は飽きてしまったり、美しさをキープするのは難しかったから)今はバッグはハイブランドでなくてもいいかなと思える。

質に惹かれて買った10万超えのジャケットが、(結局15年以上経った今でも愛用しているから)ジャケットはやはり高い方がよいと思える。

きちんと振り返ると、「(  )」内の、価値観を形成する学びを得ているんですよね。

そしてそれは人それぞれ。
例えば表参道の美容室に行くことが、毎月のお楽しみで、セルフイメージを上げてくれる、ということでしたら、それは決して浪費ではないと思うのです。

ついでに私はきっと、これらの経験していなかったら、「あぁ、若い頃から表参道で髪切ってもらったらもっと素敵な自分になれたのかな」「ブランドバッグを持ってないのって恥ずかしいな」とか、思い続けていたことでしょう。

やって後悔することより、やらない後悔の方が大きくなりやすい。
なぜなら、やらなかったこと自体の後悔のほかに、「もしやっていたら」の妄想の後悔もおまけでついてくるから、というのも本当な気がします。

浪費だったと区別されがちな買い物も、おしゃれ好きの私たちにとっては、学びと経験。キャリアです。
その経験で得た価値観を元に、お金を大切に使う。
私はそれに気付いてから、心地よい自分なりのマネープランを築けている気がします。

会社員の私達が日々がんばって得るお給料。

節約や投資などのスタートを切る前に、まずはその大切なお金を、何に使うと自分は幸せで、何についてはお金をかけなくても気にならないのか、本気で考えてみませんか?

その答えが鮮明になればなるほど、あなたとお金の関係はぐんぐんと良くなって、おしゃれ予算の確保も今より楽にできるようになると思いますよ。

今回も貴重なお時間に読んでいただき、ありがとうございました!

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