熔ける
何だか急に自分の存在が薄れる時があります。
そう言う時は決まって、何かあるわけでもないのにセンチメンタルになります。
全身が悲しみや虚しさに包まれます。でも心地の良い悲しさです。絶望はしません。
そしてそのまま、シュワシュワと空気に溶け込んでしまう感覚になるのです。
みなさん、同じような経験ありますか?
夏は身体から汗のように蕩けて落ちる。
冬は、凍てつく空気に分解されて消滅する。
春や秋は風に吹かれて飛んでいきそうになる。
夜は闇に吸い込まれて星になる。
早朝や夕方は綺麗な空気に包まれて、現実に境界線ができる。
雨が降ると、湿気に匿われて、世界にただ一人だけ取り残される。
でもこの瞬間、嫌いじゃないんです。悲しみと同時に安心感も湧いて出てくるんです。なぜか。
もしかしたら、偶にはふっといなくなりたいと無意識のうちに望んでいるのかもしれません。
こんな詩的なこと、普段ははいわないです。ノートだからこそ吐露してみたくなりました。
明日も明後日も何年後も、この存在の消滅に付き合っていきます。私はただそれに身を委ねるだけです。
完。