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7倍の日差しの下で

 
遠い南の島。
波の音だけが聞こえる灼熱の中。

旅の直前まで精神的にあまり良い状態ではなかった私。
つい癖で、うつむきながら歩いていた。
 
ふと目に留まったきみの足跡は、
なんだか人生の道標のように見えて。
後を追うとその先に、まっすぐ海の方を見つめるきみがいた。
 
何分か経ったとき。
きみは私にその姿を見せつけるかのように、
視線は全く変えないまま大きく両手を広げた。

そして、あっという間に、
日本の7倍の紫外線が降り注ぐ大空へ姿を消した。

私はここに来て初めて上を見たかもしれない。
この瞬間、雲一つない空も、自由に飛ぶ君も、
私の何かを変えてくれた気がする。
 

今度またどこかの島で会えるかな。
もし会えたら、報告したい。
あの時悩んでいた私が転職して好きな仕事に就いたこと、
きみのおかげで自由に羽を広げ、前向きになれたんだよと。
 
 
 
#旅する日本語
#炎節

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