エンジニアからデザイナーに異動した話
この記事はfreee Designers Advent Calendar 2022の6日目です。
初めまして!
freee株式会社で基盤のデザインをしているnachanと申します。
スマブラが好きで社内で初めて話す方から「スマブラの人ですよね?」とよく言われます。(最近やってないんだよなあ…と思いながら元気に「はい!」と答えている)
結婚指輪にスマブラのロゴを掘るくらい好きです。
コロナ前はオフライン対戦会によく出てたりしました。
ちなみに誕生日は 12月6日 です🎉
しかも意図的に今日を選んだわけではなく、空いている日にしようと思い最後まで待っていたところ自分の誕生日が最後まで残っていました。
すごい偶然ですね。
話は戻りますが、
私は新卒からずっとエンジニアでした。歴でいうと5年強になります。
前職でエンジニアとして就職し、freeeに転職の際もエンジニアとして雇っていただきました。
そして2022年7月にデザイナーになりました。
異動の経緯
興味を持ったきっかけ
デザインに興味を持ったきっかけは前職で一緒に働いていた大先輩のドイツ人エンジニアに言われた言葉です。
彼は9歳からプログラミングを始めエンジニアとしての経験が豊富で数えきれないほどの言語を触ってきた人でした。そんでユーモラスでめっちゃ遊び人だった。
新卒だった私は尊敬の眼差しで彼のことを称賛していたのですが、彼はこう言いました。
「今どきコードだけ書けても見た目がカッコ良くないと使ってくれないよ」
これを聞いて当時とても腑に落ちたのを覚えていますし、あれから5年経った今でもこの言葉には非常に共感しています。
IT化が進んだこの時代にユーザーに使ってもらうためには見た目がイケてることが第一条件だと考えています。(レスポンスが返るまでに100秒かかるとかサービスとして論外な挙動は抜きにして)
この日から私はデザインに興味を持つようになりました。
異動まで
転職時はエンジニアとしてオファーをいただきましたが、将来的にはデザインをやりたいことも伝えていました。
どういう風にデザインに関わっていくのかは全然考えていなかったので、ジャーマネと一緒に壁打ちしたり、デザイナーにヒアリングをしたりして自分がやりたいことを明確にしていきました。
(freeeではマネージャ職のことを「ジャーマネ」と呼ぶため、以下こちらの表現を使用します)
当時以下のような案が出たのを覚えています。
エンジニアとしてフロントエンドの方に力を入れていく
エンジニアをやりながらデザイナーが手が届かない細かい修正を自分でデザインして自分でコード直す
デザインチームに異動する
"使ってもらえるイケてるサービスを作る"のが私の軸でしたので思い切ってデザイナーに異動という結論に落ち着きました。
とはいってもすぐに異動をする訳ではなく、エンジニアとしてもある程度のスキルは身につけておきたかったので人事評価のこのランクに到達したら異動しようと決め、そこから数年間エンジニアをやっていました。
そして今年目標に到達したので異動希望を出し、無事に異動が決定しました!
freeeには「異動戦国」という年に一度異動の希望を出せる制度がありそれを利用しました。
デザインスキルはほぼ未経験の状態でした。
エンジニアの時に一度だけ軽めのデザインタスクをもらいSketchを使って作った程度ですが、エンジニアのキャリアを加味してユーザーに価値を届けられる見込みがありと判断され、ありがたいことに異動OKが出ました。
ざっくりと以下のような期待値だったそうです。
デザインの実務経験を積むことで、エンジニア力を活かしつつプロトタイプベースの提案などを進めてもらえそう
社内のデザインシステムの導入や開発を期待できる
ちなみに、異動前の不安とワクワクが入り混じっている時、開発チームの方から「いつでも戻ってきて良いよ」と言ってもらえてとても安心したのを覚えています。(自分もこの言葉使っていこうと思いました)
異動してから何やったか
各プロダクトの共通設定を行うプロダクトのデザインをやりました。
前任者がfigmaで大まかにデザインを作ってくれていて、それを引き継いで修正を加えていく形でスタートしました。
1on1 のミーティングをデイリーで入れてもらいfigmaの使い方、デザイナーの文化のこと、考え方やリサーチの方法など色々サポートしていただきました。
前任者の方、ジャーマネ、チームメンバーには超絶感謝しております。
3ヶ月経った頃から新規PJにアサインしてもらいゼロベースで企画から入っていくようになりました。
エンジニアとデザイナーの違い
組織
「エンジニアはチーム戦、デザイナーは個人戦」
エンジニアは設計や実装などは必ずレビューがあり、モブプロ/ペアプロをやったり誰がどういうソースを書いたのか把握しチームで一つの機能を作り上げるというチーム作業がメインでした。
そのため「同じチームの人 = 一緒に作業する人」というイメージです。
一方で、デザイナーはお互いアサインしているPJが違うので組織上のチームは存在していますが実際の作業は個人でこなしていく感じになります。
つまりこちらは「同じチームの人 = 同じ領域の人」 というざっくりした括りのチーム体制となっています。
※チームによっては上記に当てはまらない例外もあるかもしれませんが、少なくとも私の経験した所はこんな感じでした。
あと、エンジニアは男女比が9:1くらいでしたがデザイナーだと体感5:5くらいです。
理系の学部から文系の学部になった気持ちです笑(どうでもいい)
働き方
「障害が起きない」(当たり前だけど)
起きてしまったらまずいことに間違いはないんだけど、障害対応ってかなりチームと自身の成長に繋がるので無いと無いで寂しい感じがあります。
(いや、起きないのがもちろん一番良いですが)
障害が発生してもあまりできることがないので障害に対してのアンテナもあ
まり張らなくなりましたねえ…。
「ミーティングが多くなった」
エンジニアの場合は実装フェーズだとミーティングは朝会のみでその後一日何もない日が存在したり、割と作業時間が取れていました。
しかしデザイナーはより上流工程から入っていくことになるので、関わる人が増えヒアリングや認識合わせ、壁打ちなどのミーティングが増加しました。
加えてプロジェクトを跨いでアサインされることもあるので2, 3チーム分のスクラムミーティングが入ってきたりします。
作業時間が限られていているので、作業時間取りたい場合はミーティングブロックの予定を入れることもあったりします。
考え方
「エンジニアは数学、デザイナーは国語っぽい」
エンジニアは要件を満たす機能を作ることがゴールであり、そこまでのアプローチの方法を考えるのが主な仕事でした。
実装手段は多々ありますが、最終的に同じ挙動になるのでまさに数学をやっている感じです。
デザイナーはユーザーにとって使いやすい機能を考えるのが仕事。
このユーザーはプロダクトによっても違うし、ターゲットによっても答えが変わるし、状況によって最適解が異なります。
というか答えなんてなくて仮説を立ててそれをリサーチなどで確かめていく感じで、人によって受け取り方が変わる国語っぽいなと思いました。
目的がはっきりしていたタスクをこなすというエンジニア脳だったので、最初は「(答えがないので)無限に考えられるな…?」と考え方の違いにかなり苦悩しました。
情報設計を学び今は少しずつ慣れていっています。
エンジニアとデザイナーで同じ
もれなく皆個性的です。見た目も中身も。
というか個性的じゃない人なんていないよね、人間て。
エンジニアの経験が役に立つところ
やはりコードが読める・書けるにつきます。
「この機能ってどういう条件でどう動くんだっけ…?」となった場合、普通なら恐らくstaging環境かintegration環境をぽちぽち操作して確かめますが、私は該当箇所のソースを探しにいき、確実な情報を得ることができます。
エンジニアが出したPRを見てデザイン通りになっていそうかソースから読みとってPRコメントができるので、Merge前に修正してもらい開発効率の向上に繋げることもできます。
しかも自分でPRを出すことも可能です。
デザイナーになりたいと思っているエンジニアの方へ
もうエディタの宗教戦争しなくて済むぞ!!
ちなみにVSCodeに立場を奪われたAtom民でした。
(VSCode使いやすすぎて泣いた)
明日12月7日はディズニーが大好きな@tomominが今年リリースした大型プロダクト freee販売 をデザインした記事を出すそうです!
是非お楽しみに〜〜!