【デザイナーのひとりごと2】『つる姫じゃ〜っ!』の 思い出
私の少女時代は、他の女子生徒たちと比べると、少し浮世離れしていたように思う。なぜそう思うかというと、一般的な家庭で経験しがちなエンターテイメントの類を全然経験しなかった代わりに、普通ならば少女時代に触れることのないメディアやコンテンツに触れてきたような気がするからだ。実際、大人になった今になって振り返ると、そのような類の・・・なんだか周りのお友達は一切話題に出さないようなタイトルなどについては、自ら友達に話すのを控えていた。というかほとんど隠していたと思う。コンパイルが出してたゲーム雑誌「ディスクステーション」とか、PCのフリーゲーム「RPGツクールシリーズ」とか、「カードワース」とか・・・おそらく共通の趣味を持つ女子はいないだろうと直感で分かっていたのだと思う。
だって、当時読んでいた漫画で一番ポピュラーだったのが「ポケモン4コマ漫画劇場」だもんなあ・・・うちの小学校時代はお小遣いがとても少なかったので、漫画の単行本を自分で購入するようになったのは中学生になってから。それまでは親が買ってきてくれていたのを読んでいた。一応「スーパーマリオくん」もあったかな。2巻だけだけど・・・。
そんな中で、小学生高学年くらいになった頃から、実家の部屋の本棚にずっと置いてあった古い漫画を読む機会が増えていった。そこで出会った作品の中で、最も強烈なインパクトを残したのが「つる姫じゃ〜っ!」だったのだ。
つる姫じゃ〜っ!とは?
私が「つる姫じゃ〜っ!」を初めて読んだのは11歳か12歳くらいの時だったと思う。私の親世代の漫画で、とても古そうなことは表紙を見てすぐに分かった。
最初はとにかく度肝を抜かれたというか、子ども心に衝撃的だった。なんせ、下品だわ、不潔だわ、暴力的だわ・・・これが当時の週刊マーガレットに連載されていたのか・・・なんてつい思ってしまう。
だけれども、その裏にある父親や家臣の愛情や、クラスメイトや隣国の姫たちとの友情、恋や恋愛、片親の寂しさなど、つる姫のデリケートな一面や優しさも、子どもでも分かるようにきちんと描かれていて、不潔なシーンが色々あるのにも関わらず、つる姫に対する好感度がどんどん上がっていくのが不思議だった。世代が違うにも関わらず、元ネタの分からない時事ネタをギャグと認識して笑い飛ばせるのも不思議だった。つる姫はいつでも勢いがあって、オチのインパクトがすごかった。その対比で、心温まるエピソード回はとても映えるのだった。
調べてみたらウィキペディアもちゃんとあった。連載していたのは1970年代かあ~、私まったく生まれていないや。
週刊連載ということもあってか、漫画内では時事ネタも頻繁に繰り出されたが、その内容が「カラーテレビの登場」とか「東京オリンピック」だったりして、子どもでも分かる古さがにじみ出ていた。懐かしい。
『つる姫じゃ〜っ!』(つるひめじゃ〜っ)は、土田よしこによる日本の漫画作品。また、それを原作としたテレビアニメ。『週刊マーガレット』(集英社)にて、1973年17号から1979年の35号にかけて連載された。単行本はオリジナルのマーガレットコミックス版が全11巻(集英社刊)、愛蔵版全3巻(中央公論社刊)、中公文庫コミック版の文庫版全6巻(中央公論社刊)
アニメ版
1990年1月9日から同年12月25日まで、日本テレビほかにて放送された。全49話。ローカル枠だったため、放送されなかった地域も多い。
出典:つる姫じゃ〜っ! フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アニメもやっていたのか!どのようにやっていたのだろう。これは気になるぞ!パロディも色々あったので、どこまで原作を再現できたのか・・・!!
「つる姫じゃ〜っ!」の現在
なぜ、今になって「つる姫じゃ〜っ!」のことを思い出したかというと、先日ツイッターで流れてきたのである。「つる姫じゃ〜っ!」のアカウントが!一瞬目を疑ったよ、あたしゃ。よく見るとあの西原理恵子先生もフォローしている。そりゃあするよね。土田よしこ先生といえば、私の親世代の女子たちがこよなく愛したギャグ漫画家だ。きみどろみどろあおみどろ。
いきなりの登場にも驚いたけれど、このLINEスタンプよ。これが通じる相手がいるのならぜひやり取りをしたいよね。どれもつる姫の良い味が出ていて、シュールな雰囲気になりそうでいいですね、ふっふっふ。
それにしても、どうして今になってツイッターを?もしかして非公式なのかしらと思ってアカウントTOPを見てみると、特設サイトのURLがありました。どうやら「つる姫じゃ〜っ!」のキャラクターグッズの制作・販売を担う会社が作ったアカウントのようです。なんと毎日「つる姫じゃ〜っ!」の各話を配信してくれるらしい。これは嬉しいぞ!
みんなもぜひ読んでみてね!無料でたくさん読めます!!本当に色々あがっていて、テンションあがるな~!
公式サイトには誕生秘話も載っていました。
『つる姫じゃ~っ!』が誕生したのは1973 年(昭和48 年)。女の子向けの漫画週刊誌で連載が始まりました。つる姫が、お城で寺子屋で、そのほかいろいろなところで、ところせましとあばれまわるお話です。当時の少女たちは元気な〝キモカワイイ女の子〟つる姫に夢中になったものです。
なるほどなあ。
私は現役のファンではありませんでしたが、確かにどこか憎めない、なんだか可愛い「つる姫」のことは大好きだったので・・・そうか、やっぱりみんなの人気者だったのだなあと、大人になってようやくソースを得ることができて、なんだか嬉しい気持ちでいっぱいです。「つる姫」は自信のなかった私の少女時代に、ちょっとしたパンチを与えてくれていたのでした。また会えてとても嬉しいです。きれいな紙の書籍はもうほとんど手に入らなさそうだからなあ・・・。
久しぶりに、公式サイトで各話読んでみよう!
他では入手できなさそうなので、グッズもちょっと覗いて見てみようかな。
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📅現役デザイナーが今まで経験したクリエイティブなことを記事にする試み(毎日更新)