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【デザイナーのひとりごと124】11歳の頃の私の目に映った「セリリのはっぴーばーすでぃ」

(※この記事では、1998年くらいに発売されたディスクステーションvol.18に掲載されていた「セリリのはっぴーばーすでぃ」に関するネタバレを含みます。)


皆さんは、「セリリのはっぴーばーすでぃ」というゲームをご存知でしょうか。おそらく、「セリリ」が誰のことを指すのかがわかる人には、少しはイメージがつくのかもしれません。

「セリリのはっぴーばーすでぃ」とは

「セリリのはっぴーばーすでぃ」とは、もともとぷよぷよシリーズを制作していたゲーム会社「コンパイル」が手がけていた、「ディスクステーション」というWindows95専用のゲーム雑誌に毎号ついていた遊べるゲームタイトルの1つ。とっても人見知りで被害妄想が強めだけど、本当はお友達が欲しくてずっと海の中で泣いていたセリリちゃん。見かねた「おさかなさん(プレイヤーの君たちのことだよ!)」の助けを借りながら、来年のお誕生日を祝ってくれるお友達を作るべく、頑張って成長していく育成ゲームです。

オープニング動画ありました。

オープニングでいきなり友達宣言してくれる、我らがアルルちゃんですが・・・セリリちゃんの能力値が足りないと、誕生日の当日になっても、普通に来てくれません。ひどくない!?あんなにその気にさせて、期待させておいて!!・・・いるよね、こういう子。

私はこのオープニングを見て、子供心にすっかり騙されて、「アルルは絶対来てくれるよね?だって約束したし!」って思っていて、エンディングで本当にびっくりするくらい華麗に裏切られたので・・・このゲームで「あの明るいアルルですら社交辞令を使う社会の恐ろしさ」を知ったような気がします。

掲載号について

なんたって、コンパイル全盛期(この後、ものすごい急降下で倒産へと突き進んでしまうんだけれども・・・)に出された号だったので、各タイトルの人気もすごかったのでしょうね。私の記憶する限り、「セリリのはっぴーばーすでぃ」が掲載されたDS(「ディスクステーション」の略称のことだよ!)vol.18は、読者による人気投票の応募総数が一番多かった人気タイトルで、さらに、セリリちゃんは得票数が堂々たる1位(これは次の号の記録だけれども)だったのです。すごいぞセリリちゃん!

(まだ実家にあると思います。欲しいな・・・)

ゲームの魅力とシステム

人見知りで内気な人魚のセリリちゃん。これから1年かけて、いろんなお稽古やお勉強をしながら、町や森にお出かけしたり、時にはイベントに果敢に挑んだり・・・個性豊かなキャラクター達との出会いや交流を経て、お誕生日当日までに可憐に成長する過程を楽しむゲームです。

「本編」と呼ばれる?ぷよシリーズでは厄介で面倒な女の子キャラであるセリリちゃんが、このゲーム内ではお友達づくりのために己を磨き、タスクをこなし、強くなっていく・・・その姿には子供心に感動したものです(だからこそ、初回プレイで誕生日当日に誰も祝いに来てくれなくてBADエンドになっちゃった時は罪悪感で死ぬかと思いましたけどね・・・子供の頃の記憶ですけど)。普通にめっちゃ可愛くていい子なのですよね、セリリちゃん(初期の頃はノリが悪くてすぐ泣くので、女子の間ではすごくいじめられやすそうではあるんだよなあ・・・それがまた、成長する過程を楽しめる要因にもなるのです)。

ゲームシステムの説明動画もあった。コンパイルの古参ファンはみんなすごいなあ。お友達になりたいです!

お友達になれる面々

このゲームでは、それぞれのキャラクターの特性に合わせて能力を上げるのが前提になります。プレイ初回では達成条件が全く分からず、まんべんなく能力値を上げていった結果、誰とも親密になれず孤独な誕生日を迎えてしまいましたが、一度クリア条件を知ると一気に進めやすくなりました。

ただし、アウルベアやアルルは難易度がめちゃくちゃ高いですね。マスクド校長先生なんて見つけるのに苦労した・・・変な場所にお出かけできるようになってから、怪しいぞって感じでやりこんでいた記憶です。

アルル

オープニングであんなにカジュアルにお友達になってくれたのに、デフォルトキャラの中では一番やることが多いんじゃないのか・・・?力と頭脳がかなり必要。決して簡単に心を開いてはくれないのだ・・・。

ルルー

美しき武道家の彼女には、力があれば良いのです。

ウィッチ

実は似た者同士。ってことにどうやって気づいてもらえばいいのか・・・?一緒にいろいろ作りましょう。

すけとうだら

実はセリリのことが好きなので、コツさえつかめば楽勝です。のちに別のキャラ達成のための踏み台になりがち。

ドラコ

可愛さ命の彼女に、セリリの飾らない可愛さをどう理解してもらえば良いのでしょうか?

アウルベア

街のあばれ者と呼ばれているけれど・・・その実は?根気強く向き合いましょう。

(隠しキャラ)マスクド校長

まず、会いに行ける状態を作りましょう。話はそれからだ。

詳細なパラメータについてはこの記事にまとまっていました(すごいぞ、コンパイルファン!)

思い出ぽろぽろ

このゲームがでた1998年、私は11歳、小学5年生。ちょうど学校でクラス替えが行われて、それまで仲の良かった友達と離れてしまった時期でした。人見知り・・・というか、年頃の割にぼんやりとしていたせいか、新しい友達が全然作れなかった私は、セリリの気持ちにものすごく共感していました。お誕生日を一緒に祝ってくれる友達なんて、いませんでしたし(これについては、今でも、こんな風に祝ってくれる友達がいたら、それはとても素晴らしいことだろうと思うのです。)

だからこそ、初回プレイでみんなに裏切られて孤独な誕生日を過ごすセリリと「おさかなさん」という構図はいじらしくも前向きで、何が本当に大切なのか?考えさせられたような気がするのです。その後、たくさんの友達に囲まれるセリリは幸せそうだったけれど・・・最初の孤独な誕生日だって、良かったんじゃないのかな、なんて。

だって、ドラコとかすけとうだらとのそれは、果たして「お友達」だったのか?疑問が残りますし・・・(ウィッチ、マスクド校長先生はとても良かったけど)。セリリちゃんが1年間とても頑張ったこと、それによって世界が広がって、昔よりもいろんな人と交流できるようになった。それだけでずっとすごいことだと思ったのです。11歳の頃の私は、お友達を作ろうとか、まずそんな勇気もなかったからね。それはとても難しいことなのですよ。

昔使っていた富士通のパソコンがぶっ壊れて、Windowsとの縁は切れてしまったけれど・・・またやりたいな、ディスクステーションのゲーム。環境をお持ちの方は、「セリリのはっぴーばーすでぃ」ぜひ遊んでみてくださいね!


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