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カラテア マコヤナの芋を食ってみた


芋(っぽいもの)ごろごろ

ずっと見ていたくなるような綺麗な葉っぱの草を買って部屋で育てていたところ、順調に育ち順調に鉢がギチギチになっていた。
カラテア マコヤナという観葉植物だ。

株分で増やせるらしいので植え替えついでにやってみよう!と抜くと、何やら球状のものが底の方にギチギチと詰まっている。

ジャガイモっぽい。

無精髭が生えたジャガイモっぽい


買って来てすぐに一度植え替えた時にはこんなのは無かったような気がする。栄養を蓄える部位のようで、根本も元気に育ってくれていたようで良かった。

絡まり合った根の先に球が付いていてパズルのようで、慎重にほぐしたつもりだったが最終的に芋が一個余ってしまった。千切ってしまったらしい。

これ、食べられないかな…?

食べられるか、という謎をリサーチ

日本語と英語で軽くググってみるも謎。確かブラジル原産なのでポルトガル語でググれれば何かあるのかもしれない。
「あーこれ庭に生えてた!掘って焼いてオヤツだったわー」とか無いだろうか?

分類的にはショウガの遠い親戚である。(割と遠い)
クズウコン科、という観葉植物以外で馴染みのない科だが、クズウコンという植物も食べられているそうだ。

ちょっと逡巡してる方は見つける。

英語では以前の学名であり日本語名になっているCalathea makoyanaの他に、peacock plantとも呼ばれている。孔雀草という感じだ。クジャクソウではないけれど。

別名があるくらいだからきっと国外でも割とメジャーな観葉植物なのではないかと思うが、食べる話は全然見つからない。

芋、と呼んでる部分は正式にはrhizomeだ。ここから育てるのは難しいらしい。日本語でパッと調べた限り、ここから生やすことに成功している人は見つからなかった。
じゃあもう捨てるか食べるかか。

見た目は毒々しいので意外だったが、"there is no known record of toxicity"だそうだ。

猫がいても安心、というような情報も出てくる。

マコヤん、お前何の毒もなかったのか。だからハダニが付きやすいとかよく書かれているのか。

マコヤんそのものではないが、同属で思いっきり食用利用されている奴を発見した。ソースはWikipedia。

日本語で呼ぶとしたらカラテア アロウイア?だろうか。カラテアは観葉植物として色々な種類が入って来ているが、こちらは見たことがない。

食品としてはTopee-Tamboという、とwikiには書いてある。調べるとtopi tamboが出てくるが、同じもののようだ。

サイズ感も似ている。
スイートコーンのような風味らしい。ウォーターチェストナッツに似た食べ物らしいが、そもそもウォーターチェストナッツも知らない。
甘いのかな…?気になりすぎる!

マコヤんが食用の種類と同じくらい美味しいかは知らないが、なんか多分大丈夫そうな気がして来たし人生どうでも飯田橋な気もして来たので試してみることにした。
もし未知の毒が出て来たら自分の名前をつけて欲しいが無さそうである。

調理

まず、とりあえずよく洗って根っこを切ってみた。

匂いはゴボウのような、ほのかにスイートコーンのような感じがする。事前情報に引っ張られているかもしれない。

切った時に引っ張られてつるりと表面の皮が剥けそうになり、白い中身が見える。茹でてから皮を向いて食べるもののようなのでこのまま茹でてみる。

ポツンと茹でられる芋。本物の芋っぽく見える

茹で時間は15-60分とか20分とか色々あったので、水から茹でて沸騰後20分茹でてみることにした。
火はちゃんと通したい。

待ちながら「メジャーな植物なのだし、美味しかったらみんな食べてるのでは… ?」と不安になり始める。
トマトも昔は観賞用としてヨーロッパに入った訳だし希望を持ちたい。

10分くらい茹でてみて、つついて硬そうだったので、蓋をしてみる。
食べたことがない食材なので正解が分からない。

https://delishably.com/world-cuisine/Topi-Tambo-the-Water-Chestnut-of-the-Caribbean-and-South-America

待っている間暇なのでまたtipi tamboについて調べて読んでいた。トリニダード・トバゴのネイティブアメリカンの人々の間では千年くらい栽培されていたらしい。由緒正しい食べ物である。まあコレは種類違うけど。

残念ながらトリニダード・トバゴ出身の知り合いがいないので、
「あーあー茹ですぎだって」
とか
「それじゃ硬いって」
とかあるかも分からないが取り上げてみた。

茹でる前後で見た目は変わらない。topi tamboより色が黒いかも?

実食


皮を剥くのが面倒

皮を剥くのが面倒だ。薄い皮がしっかり付いていて難しい。

芋っぽい、というか澱粉らしき匂いはする。
ナイフで剥くものなのだろうか…?

断面


らっきょうのような姿になった。手よりはナイフで剥くのを推奨する。全然楽だ。

それでは…いただきます!!!

これは……確かにちょっとトウモロコシっぽい!

ほんのり糖分を感じる甘味があって、瑞々しくシャキシャキした食感だ。
癖は特に無い。なんとなく健康に良さそうな雰囲気を感じる。実際どうかは知らない。食物繊維や何らかのビタミンは入っていそうだ。

超巨大トウモロコシの一粒を齧っているような気分になる。ただトウモロコシより風味は薄く、もっとジューシーで瑞々しい。
味はあまりしないが、シャキシャキ食感と水分の感じは割と好きだ。

まとめ

めっちゃ美味!という訳でもないが、特に不味くもなかった。カラテアだらけの部屋に閉じ込められる事があったら非常食になるかもしれない。

安全性は確かではないので自己責任だが。
というか全く推奨しない。
この後もしお腹を壊したり健康被害があったら更新したい。

私はお腹を壊さずエジプトから生還したが、酒を飲むと大体少しお腹を壊すという特段強くも弱くもないお腹の持ち主だ。そして今日はアルコールを少し摂っている。

好奇心は満たされたし、部屋の中でカロリー源を生産したことに満足感がある。

トリニダード・トバゴに行くことがあったら本物のtipi tamboをぜひとも食べたい!とやりたい事ができた。


(追記)
約1日経ったがお腹に特に問題はない。

カラテアのことを今までかわいい綺麗な葉っぱだとしか思っていなかったが、食べられることが分かった事で食料として認識し始めている。
多分それって人間にとって一番大事な生物種への認識なので、何かそういう本能があるのかもしれない。知らんけど。

引き続きかわいがりはするので今後とも元気に育って欲しいものだ。

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