【五輪】パリ2024 大会6日目・お茶の間観戦記
今大会の日本チームの傾向として、グループリーグ戦の初戦を落とす競技が多いなと感じます。
無敗で勝ち上がったのは、おそらくサッカー男子だけではないかと。
勢いをつけるためにも白星スタートが望ましいですが、まぁ2戦目以降を全部勝てば結果オーライです。
では大会6日目のハイライトをお届けします。
バレーボール男子・アルゼンチン戦
バレーボールの戦術は時代によって進化してきました。
高さこそが正義、という概念を打ち壊した「速攻」や「時間差攻撃」が生まれ、さらに「ブロード」「パイプ」「ツーアタック」などなど。
現代のバレーボールには多種多彩な戦術が存在します。
ちなみにバレーボールの用語やルールを理解するのに一番良い教科書は漫画「ハイキュー!!」です。
日本代表選手も読んでます。
初陣のドイツ戦はバタバタしたせいで惜敗した男子バレーチームでしたが、この日は落ち着いた入り方をしたのでアルゼンチンに3-1で勝ちました。
この状態を保てば問題なく決勝トーナメントに進めます。
今回の男子バレーチームは「好成績」なんて結果は求めてません。
メダルを取りにパリへ来たのです。
歴代最強メンバーの彼らに大いに期待しましょう。
サッカー女子・ナイジェリア戦
引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる一戦ですが、もちろん引き分け狙いなんてしません。
勝ちに行きます。
2-1で迎えた前半アディショナルタイム。
日本は絶好の位置でフリーキックを得ました。
キッカーの位置に立ったのは長谷川唯と、今大会初先発の北川ひかる。
長谷川から「蹴ってみたら」と言われ、北川が思い切って足を振り抜きます。
ボールは相手GKを嘲笑うように大きく弧を描き、ゴールネットの右隅に直接吸い込まれました。
芸術的フリーキック。
全盛期の中村俊輔を思い出したのは私だけではないはずです。
今大会のなでしこは素晴らしいシュートが多すぎて震えます。
3-1で勝利し、グループCを2位で通過しました。
準々決勝の相手は因縁のアメリカ。
ここが正念場です。
絶対に勝つぞ、なでしこ!
柔道男子90kg級
「令和の三四郎」とも呼ばれる村尾三四郎選手が出場した柔道男子90kg級決勝戦。
互いに技ありをひとつずつ取り、どちらか一方が技あり以上を決めれば一本勝ちになる、という局面でのことでした。
残り30秒、村尾選手の内股が決まって一本!…と思われましたが、審判の手は上がらず。
終了間際、今度は相手からの小内刈りが決まって一本取られたか…!と思われましたが、またしても手は上がらず。
審判の不可解な判定に会場からブーイングの声が上がります。
その後、相手選手の小内刈り「だけ」がビデオ確認された結果、技ありが認められて村尾選手は一本負けとなりました。
会場からは大ブーイングでしたが、もちろん判定が覆ることはありません。
さてこれは個人の見解として聞いてもらいたいのですが。
スポーツ全般において、私は基本的に審判の判断を信用していません。
何故なら審判も人間だからです。
見間違えることもあるし、判断を誤ることもあります。
ですから誤審が起こることを前提としたルール作りが大切なのです。
テニスやバレーボールで採用されている「チャレンジ」や、野球の「リクエスト」。
これらは選手自身もしくは監督やコーチが、疑わしい判断に対してビデオ確認を審判に要求できる権利です。
柔道の場合は審判団の判断によってのみビデオ判定が行われますが、選手・コーチ側からも再審請求が出来るようになれば、今回のような問題も起きずに済むのではないかと。
制度が改正されることを願います。
体操男子個人総合
オリンピック初出場、弱冠20歳の岡慎之介選手が金メダル!
個人総合は6種目の演技の合計得点で競われるため、その名の通り総合力が求められます。
岡選手は大きなミスなく全ての種目を揃えることが出来たのが勝因です。
ここでは優勝を逃したふたりのエースについて書かせてください。
2日前の団体戦でのこと。
中国は鉄棒に落下のミスがあり、その減点が大きく響いて金メダルを逃しました。
母国のSNSは荒れに荒れ、落下した選手への誹謗中傷が相次ぎます。
そんな中、絶対的エース・張博恒は取材に対してこんな風に述べました。
「大会での失敗は間違いなく個人的な問題ではない。まず我々に過失があった。大会中に彼に精神的な安らぎを与えることができなかった。ネット上の皆さんも私たちを応援し、励ましてくれると思います。早くこの感情から抜け出させてくれると思うので、先に皆さんに感謝したいと思います」
こんなに慈愛に満ちた、大人の対応あります…?
私は感動しました。
そしてもうひとりのエース、日本の橋本大輝。
ディフェンディングチャンピオンとして臨みながら、怪我の影響もあり2連覇は叶いませんでした。
悔しくないはずがありません。
それでも彼は笑顔で岡選手を称え、国旗をはためかせながら走ってゆく姿を見送った後に、ひっそりと涙を流しました。
どんなに偉大な功績を残そうと、スポーツ選手もひとりの人間です。
その立ち居振る舞いに関して清廉潔白さを求め過ぎるのはいかがなものかと思います。
ただ、このふたりの人格者は称賛されるべき、と感じて紹介させて頂きました。
大会7日目の予定
陸上男子競歩の開始が遅れていましたが、これを書いている今(15:00)ちょうど始まりました。
パリは今日一日雨予報なので屋外競技に影響があるかもしれません。
そして男子のゴルフが始まります。
全体の開始は16時からですが、予定表では松山英樹・クラーク・フリートウッド組のスタート時間を表記しました。
なお競技会場「ル・ゴルフ・ナショナル」があるギュイヤンクール地方の天気は4日間概ね曇りか晴れの予報です。
バスケ女子&バレーボール女子は初戦を落としているため、何が何でも勝利が必要。
比較的見やすい時間帯ですので、お時間あればゼヒ一緒に応援しましょう!
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