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【パラリンピック】パリ2024お茶の間観戦記・大会最終日

お茶の間観戦記もついに最終回となりました。
閉会式は旗手の木村敬一選手&和田なつき選手の笑顔を見届けたら、安心して寝落ちしてしまい…。

閉会式以外の大会最終日競技レポ&総括をお届けします。




【陸上男子マラソン(T54)】解説の花岡伸和さんが面白すぎる

オリンピックではパリの名所を周るような素晴らしいコースだったマラソン。
その弊害として高低差のある難コースとなっていましたが、パラリンピックでは車椅子と視覚障害の人が走るため、なるべく平坦なコース取りがされました。

とは言え問題は石畳
パリに限らずヨーロッパの多くの都市の道路は石畳率が高く…。
もちろん文化ですし、ゆっくり歩くには素敵なのですが走る方はたまったものではありません。

特に車椅子で走ると振動で車体が揺れて思うようなスピードが出せなかったり、バランスを崩してカーブで曲がりきれずにコースアウトする選手もいました。
土地の問題なんで仕方無いんですけど、車椅子レーサーにとっては非常に過酷なコースです。

そんな悪条件にも負けずに鈴木朋樹選手が銅メダル!
日本勢としては2008北京大会以来の表彰台となりました。

さて試合の解説を務めたのはアテネ大会とロンドン大会に出場し、日本パラ陸上競技連盟副理事長の花岡伸和さん。
この人が面白すぎました。

花岡さん「昨日、鈴木選手にLINEで意気込みを聞いたんですよ。そしたら『セーヌ川に落ちないように気をつけます~』て。いやいやバラエティ番組や無いんやからw」
アナウンサー「…」

(鈴木選手のインタビュー後)
花岡さん「鈴木選手が『最後まで諦めない、と日本語で言いながらゴールまで頑張った』と話してましたけど、そしたら普段はフランス語で言ってるんですかね?」
アナウンサー「…」

おいNHKアナ!
笑ってやれよ!
せめてなんか反応してあげて…。

笑ったら上層部から怒られるんですかね。
花岡さんは富田林出身の大阪人ですが、こういう時に大阪NHK放送は普段どういう対応をしているのか気になるので、もし良ければ関西noterさん教えて下さい。



【陸上女子マラソン(T12)】ガイドランナーの難しさ

パラ陸上の視覚障害クラスにはガイドランナーという伴走者がいます。
全盲はガイドランナー必須で、弱視はガイドランナーの有無を選手が選択できる形です。

選手とガイドランナーは「テザー」と呼ばれるロープを持って走ります。

左が短距離走、右が長距離走

選手と一心同体、二人三脚にも見えるガイドランナーですが、実は厳格なルールがあります。

  • 選手を引っ張ったり押したりしてはいけない

  • 伴走者が先にゴールしてはいけない

  • 選手と伴走者は互いに手や手首などの体の部分を握ってはいけない

東京大会で金メダルだった道下美里選手は4位でフィニッシュ。
直後のインタビューでは悔し涙を流しながらも、周囲への感謝を口にしていました。

ところが最後の選手がゴールした後、大会運営から順位の変更が告げられます。
3位でゴールしたスペインの選手が失格になったと。

ガイドがフラフラ

スペイン選手の伴走者は、ゴールまでの直線距離に入った時点で体力の限界のように見えました。
ガイドなのに選手にガイドされている始末。

視覚障害があるとは言え、パラリンピックに出場するレベルの女子選手は3時間前後でゴールします。
フルマラソン一般女性の完走平均タイムは5時間、男性でも4時間30分です。
つまり伴走者を務めるには、日本で言うところの箱根駅伝経験者レベルの走力が必要となります(途中でガイドの交代は可能)。

ゴール直前、フラつくガイドの手を握ってしまったことによりスペイン選手は失格。
気の毒ではありますが、あくまでも「選手の目となる役割」のため、物理的に支え合ってはならないのです。

表彰式を終えた道下選手は「練習の時からコーチに『レースは何が起こるか分からないから、とにかく食らいついていればまさかがありえる』と言われていた。後ろを見ずに前の選手を追い続けた結果だと思う」と話しました。
複雑な気持ちもあるかもしれませんが、諦めずに走り続けた成果なので誇って欲しいです。
おめでとうございます!



パリ2024パラリンピック総括

オリンピックの時もそうでしたが、とにかくパリの観客のノリが良すぎました
すぐ歌うしすぐ踊るし、惜しみない拍手と大歓声に感激。

通常、パラ競技は一般競技よりも観客数が少ないもの。
しかし今大会は非常に多くの観客が詰めかけ、競技場によっては連日満員でチケット完売になってました。
つくづく無観客だった東京大会が惜しまれます。

会場の盛り上がりに対して「こんなにたくさんの人に観てもらえて嬉しい」と口にする選手も多く、本当に良い大会でした。
フランスの選手が出ていない試合でもフランス国旗を振りながら観戦するパリ市民の姿に、スポーツの楽しみ方を改めて教えてもらった思いです。

私個人としてはオリンピックでレポをあまり書けなかったことが想像以上にストレスだったので、今回は思うまま存分に書けて満足しました。
一緒に伴走してスキやコメントをくださったみなさんに心より感謝します。
本当にありがとうございました…!

期間中みなさんのnoteをほぼ読みに行けず、未読が大変なことになってます。
しばらくはスキ連打や2週間前の記事に突然コメントしてビビらせる、などの奇行に走りますがお許しください。

それではみなさん、次回は2028年のロザンゼルス大会でお会いしましょう。
またトム・クルーズが見られると良いですね。

ありがとう、パリ!
Merci Paris!!


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