ロングスカートの流行はいつまで続くのか
みなさんお気づきだろうか?
いつの間にやら街中にいる女子たちのほとんどが、ロングスカートやフレアパンツといった、脚を隠す服ばかりを着ていることに。
寒いので脚を出したくないという理由から、冬は毎年ロング丈の女子も多くなる。
しかしここ数年、真夏のクソ暑い中でも頑なにロングスカートを履き続けている女子ばかりなのだ。
何故ここまでロングスカートは流行ったのか。
流行に押し流される
古来から「デートにミニスカートを履いてきたら脈アリ」とか、「ロングスカートを履いているのは警戒心が高い証拠」などと言われてきた。
これらは平成までは通用していたものの、令和の現代にはまったく的外れな通説となってしまっている。
何しろ令和に入るやいなや、史上最大のロング丈ブームに突入したからだ。
あっちもこっちもロングスカート一辺倒。
女子会もデートもアウトドアでさえロングスカートを履いている。
私は昔からロングスカートが非常に苦手で、ミニスカや膝丈のスカートばかりを履いてきた。
しかしそんな私もこのロング丈ブームには抗えず、泣く泣くロングスカートを購入したのだ。
「流行に流されず好きなものを履けばいい」という方もいらっしゃるだろう。
しかし想像してほしい。
100人のロング丈女子の中に、1人だけ脚を出している女がいる様子を。
もう悪目立ちしかしない。
そして流行とは恐ろしいもので、ここまでロングが流行ると「脚を出すのがダサい」という風潮になっていく。
だから嫌々ロングを履いているのだ。
防御心理の表れか
ロングスカートが流行り始めた正確な年を特定するのは難しいが、2017年にはすでに「ゆったりシルエット」の服が多く売られていたように思う。
ドルマンシャツを前側だけインしたり、スカーチョやらスカンツといったビッグシルエットの謎ボトムが次々に現れた。
そしてトドメとなったのが、2020年のパンデミックである。
接触による感染の危険性があるため、人々はソーシャルディスタンスの名のもとに距離を取り始めた。
すると人々の中に「少しでも身を守りたい」という心理が働き始める。
人は守りに入ると新しい行動を起こしにくくなるものだ。
すでに流行していたロングスカートから、いきなり「はい次はミニスカートがトレンドですよ」と言われても、戸惑うだけだろう。
さらに出かける機会が減ったことで、新しい洋服を買っても出番がなかなかない。
結果的に「今ある服で充分」という後ろ向きな理由でロングスカートが定着し続けている。
令和に求められる女性像
もうひとつ別の理由も考えられる。
結婚しても仕事をやめず、共働きをするのが多数派となった現代では「男に寄り掛かる女性」が敬遠されるようになった。
自立し、仕事も家事も子育てもマルチにこなせるのが令和の女性なのだ。
こうした心理というのは当然ファッションにも表れる。
今や、脚を出してチャラチャラした格好をしているような女を求めているのは、一部の富裕層やアッパークラスのおじさまたちだけだ。
20代・30代の男子はしっかりと地に足がついているような女子を結婚相手に求める。
ロング丈のボトムは「浮ついていない心」を表現するのにピッタリのアイテムなのだ。
世界情勢とファッション
海外ブランドの2022春夏コレクションでは「日常への回帰」「復活への喜び」をテーマに、かなり華やかなトレンドラインとなっている。
ミニスカートやブラトップといった露出の高い服装、スパンコールのキラキラや、イエローにボールドカラーといったエネルギッシュな色も目立つ。
パンデミックからの脱却と共に、いよいよロングスカートともお別れ、と行きたいところだが、いかんせん日本ではきっとまだまだマスクとロングスカートは手放さないだろう。
そして令和の女性像がこのまま続く限り、たとえミニスカートが復活しても「大流行」とまではならないのではないか。
実際、日本の春夏トレンド予想を20代に絞って検索しても、ミニスカートはほとんど出て来ない。
日本の春はまだまだ遠いようだ。
最後にロングスカートを履くことのデメリットを一点ご紹介しておく。
確実に足が太くなります。
実は私がロングスカートを履きたくない大きな理由がこれなのだ。
ミニスカートは「見られている」という緊張感により引き締まるが、ロングだと常に弛緩状態になってしまう。
ロングスカートを脱いだ時にがっかりされないためにも、運動や筋トレでなんとかスタイルを維持しようと足掻いている今日この頃です。