会社を辞める夫
数日前のこと。
その日は夫が会社を休んでいた。
別に体調が悪い訳ではなく、気分的な有給休暇だ。
この数ヶ月、そういう有給消化的な休みが多い。
自室でnoteを読んでいた私の処へ夫がやって来る。
「凛ちゃん今いいかな」
「うん、どうしたの」
「やっぱり10月で会社辞めることにした」
そう来たか…。
夫を取り巻くアレコレ
夫は2年前に会社の代表取締役となった。
が、その後に紆余曲折があり。
現在は会長付きの仕事をしているが、それがどうも性に合わないと。
さらに地方へ出向する話も有耶無耶となったらしい。
「今の仕事に全然やり甲斐が無い。だからもう辞めようかなって」
私は仕事は楽しくなければ意味が無いと思っている。
お金の為に自己犠牲をするのは自由だが、苦痛でしかない仕事に身を捧げるほどの見返りが、果たして人生にあるのだろうか。
「うん、やり甲斐無いなら辞めちゃいなよ」
「凛ちゃんゴメン…」
「え、謝ることじゃないし。もっとやりたいことに時間を使ったほうが絶対良いよ」
というわけで夫は辞表を提出することになった。
会社を辞めた後の過ごし方
2019年、金融庁が「老後に向けて2,000万円必要です」という指針を打ち出した。
夫が頑張って働いて資産形成してくれたおかげで、我が家はこの先定期的な収入が無くても食うには困らないだろう、という程度の資産がある。
けれど問題は金銭では無い。
夫が老後をどう生きるかだ。
どんなにお金があったとしても「生き甲斐」「やり甲斐」を感じられなければ人生は詰む。
肉体的に生きていたとしても、精神が死んでいたら意味は無いのだ。
残念ながら夫にはこれといった趣味が無い。
そして以前言っていた地方への移住の話も「今はまだいいかな」とのこと。
だから、これから夫には人生のやり甲斐を探してもらわなければならない。
調べ物は時間潰しにもなる
とりあえず夫に「会社を辞めたら年金や税金の計算も変わるから、そこをまず調べてみたら」と助言した。
そうしたことは本来私の仕事なのだが、夫が仕事を辞めるのであれば話は別だ。
暇は人間を駄目にする。
何かしらやるべき事を与えたり示唆し、能動的に生きてもらわなければならない。
夫にいくつかのミッションを提示し、それをこなすことに情熱を傾けてもらうことになった。
幸い夫はゴルフが達者なので、ゴルフスクールの講師の仕事に興味があるらしい。
何でも興味があることをやってみたらいい。
それこそが人生を豊かにする。
では私は何をするか。
別に何もしなくてもいいのだが、元気に動ける人間がふたりも家に篭っていても仕方無い。
何か仕事を始めようと思う。
旅行に行きたい夫
「クルーズ船で世界一周旅行もいいなぁ。凛ちゃん一緒に行こうよ!」
いやいやいや無理。
いくら余裕はあると言っても、将来的に介護付き有料老人ホームなんかに入るとしたらそこまで散財できない。
というような話を訥々としたところ「じゃあ普通の旅行で手を打つ」となりました。
どうも5年程前に行った台湾にもう一度行きたいらしく。
「今度はマンダリンに泊まろうよ!」
「お、おぅ…」
前回泊まったアンバサダーホテルは改装中なので、その他のホテルで検討中。
え、年内に行くの…?
パスポート切れてなかったかな…。
まだ検討段階
「辞表を出す」と言ったものの、本当に辞められるのかどうかは分からない。
なんか色々と引き止めがあったのをこれまでも繰り返してきたし。
私としては静観しているけれど、基本的には夫の好きにしたら良いと思っている。
もしも博打に出て失敗したとて、稼ぐ方法は世の中にいくらでもあるのだ。
人間、死ぬ気になったら何だって出来ますよ。
むしろそんなヒリヒリした人生のほうが面白い、までありますから。
夫が仕事を辞めようが辞めまいが、私の生き方は変わらないってことだけ理解してもらえれば充分です。