【労働日誌】迷子になって職場に辿り着けない
みなさんお疲れ様です。
カフェの喫煙ブースにノートパソコンを持ち込んで仕事する奴が理解出来ない夏木です。
そんなにタバコ吸いながら仕事したいのであれば「ルノアール 恵比寿第1店」に行く事をオススメしたい。
この大禁煙時代において全席喫煙席という型破りな店です。
さてお仕事関連の話として労働日誌をたまに書くことにしました。
細かい部分にフェイクは入れますが、基本的には起こったことをそのまま書くつもりです。
迷宮の中心でSOSを叫ぶけもの
出勤にも慣れて来た頃、事件は起こった。
いつものように更衣室に行って着替えを済ませると、準備が早く出来るようになったおかげで出勤時間までかなり余裕がある。
ふと、ミカさんの言葉を思い出した。
「ここのバックヤード広いんで、色々探検してみると面白いですよ！」
よし、いっちょウロウロしてみるか。
などと思ったのが間違いだった。
方向音痴の人間が闇雲に歩くとどうなるか。
答えは明快、迷子である。
しかもここは従業員用フロアというグーグルマップも対応していないエリアだ。
文明の利器に頼ることも出来ず、愚かな私は半ベソかきながら屍鬼のようにひたすらフロアを彷徨い続ける。
もう出勤時間5分前であることに絶望し、意を決して店に電話をかけた。
「お疲れ様です、夏木です。すみません、迷子になりました…」
「あららーw 待っててね、今サリナを迎えにやるから！」
電話に出た主任の命によって20代後半の社員・サリナさんが迎えに来てくれた。
「すみません！本当にすみません！」
「あははw うち迷子になる人多いんで全然大丈夫ですよー^^」
20代に保護されるアラフォー。
もう介護の域である。
地味に凄い店
結局ギリギリの出勤となったが遅刻は免れた。
お仕事モードに頭を切り替え、フロアの現状を把握。
まだまだ新人の身ではあるが、この店を観察していて気付いたことがある。
スタッフ各人のオペレーション能力が非常に高いのだ。
例えば私が7番テーブルにオーダーを取りに行ったとする。
周りのスタッフは耳で会話内容を聞き（結構静かなお店なので聞こえやすい）、オーダーを通す前にファーストドリンクや食事のセット（食器やシルバーなど）を用意してくれるのだ。
キッチンにオーダーを通そうと向かう私と擦れ違いに「7番テーブルの生ビール2つとセット持って行くね～」と、別のスタッフが最速でお客様に届ける。
凄すぎるんだが…！？
店によって方針は違うが、基本的にオーダーを受けた人がそのテーブルのドリンクを作ったりセットを自分で用意するパターンが多い。
しかしこの店では「サポートが当たり前」という精神が根付いている。
忙しい時間帯となるとそこまでサポートし合えないが、スタッフ同士がお互いによく観察することにより、それぞれが自分の立ち回りを完璧に理解しているのだ。
誰かがミスしても「ここ私がやっときます！」「ありがと！そこ終わったら休憩入っちゃって！」など、コミュニケーションMAXで回している。
私もそこそこ場数はこなしているが、ここまでスタッフ同士の連携が取れている店は珍しい。
ご紹介出来ないのが残念な程に凄い店である。
理解ある上司
ピークが過ぎた頃、主任である50代女性に声を掛けられた。
「夏木さんはお酒飲むの？」
「大好きです」
「タバコは？」
「吸います」
「一緒じゃん！w 喫煙所教えときたいから今から一緒に行こう。暇な時間なら休憩以外でも一服しちゃっていいよ^^」
飲食業従事者の喫煙率は高い。
「タバコ吸ってる人の作った料理なんか食べたくない！」という方もいらっしゃるかもしれないが、少なくとも私が働いてきたカジュアルレストランの数々ではタバコを吸うシェフが1店舗に1人は必ず居た。
なお鮨屋の職人や高級レストランのシェフは基本的に吸わないので安心してほしい。
主任と喫煙所でタバコを吸いながらおしゃべり。
「まだ色々と不慣れで、みなさんにご迷惑おかけしていて申し訳ないです…」
「夏木さんは流石経験者って感じで十分過ぎるぐらいやってくれてるよ～。あとね、いくらでも失敗してくれて良いんだよ！笑顔で働くのが一番大事だから^^」
神か！！
いや、むしろこういう「失敗も織り込み済み」な人が上に立つべき人間なのだろう。
一緒に働いているスタッフにも主任の思いがしっかり伝わっているようで、みなさん本当に明るく心地良く接して下さる。
雰囲気が良すぎて沼りそう
これまで割と厳しいルールの店だったり、逆に放置され過ぎな店でも働いてきた。
自分の丁度良い立ち位置を探るのに時間を要する店もあった。
そうした中、今の店は自分的にバランスが取れた店だと思う。
特別に厄介だったり怖いスタッフも居ないし、みんな親切で優しく、何よりお客様に誠意を持っている。
私は働く以上ホスピタリティを何よりも大事にしたい性分なので、店長云々は抜きにしてこの店の戦力になりたい、と強く感じている次第だ。
いや店長も諦めてないけども。
ここの素晴らしいオペレーションの一員になりたい。
あと、英会話要員としても主任に期待されてるので頑張ります。
しばらく英語から離れてたので、もうちょい復習しないと…。