見出し画像

【パラリンピック】パリ2024お茶の間観戦記・大会4日目

「パラリンピックの裏で24時間テレビをやっているのはいかがなものか」という意見を目にしました。
今日はそれについての個人的見解も少し書いておこうと思います。

まずは大会4日目のレポから行きます!



【車椅子テニス女子シングルス1回戦】上地結衣、金メダルへの道

余裕だぜ

全豪・全仏・全米でグランドスラムを達成している日本女子のエース、上地結衣が登場。
「汗一つかかず」という表現は大袈裟ですが、相手に力の差を見せつけ2-0ストレート勝利を収めました。

彼女はリオで銅メダル、東京で銀メダルを獲得しています。
パリでは悲願の金メダルを…!


【ボッチャ男子個人(BC2)準々決勝】スギムライジング不発、杉村英孝選手ベスト8で散る

惜しくも…

東京大会で金メダルに輝き、ボッチャの知名度向上に貢献した杉村英孝選手。
2連覇を目指してパリに乗り込みましたが、予選リーグからミスが目立ちました。

プレーオフを制して滑り込んだ準々決勝。
相手はタイのエースです。

3-1でリードして迎えた最終エンド。
ボールが密集した状態となり、秘技・スギムライジングを狙える局面です。

※スギムライジングは↓の動画をご覧ください。


しかし不発に終わり、逆に相手にライジング返しをされてしまいます。
逆転負けで準々決勝敗退。

今後の予定としては団体戦が控えていますが、実は日本のボッチャチームにちょっとしたトラブルがありまして…。

団体メンバーの廣瀬選手のボールが1球「規定に合わない」らしく、使用できず。
ボッチャのボールは自前で用意するので、6球必要なところを5球でしか戦えない状態なのです。
団体戦までにどうにかなるのか今のところ不明なため、続報を待ちます。


【競泳男子50m自由形(S11)】木村敬一選手が見る世界

先天性疾患により、2歳で視力を失った木村敬一選手。
「物を視た」という記憶は無いそうです。

全盲の世界で生きる彼は特別支援学校で水泳部に入り、すぐに頭角を現します。
ロンドン・リオ・東京と、出場大会の全てでメダルを獲得してきました。

彼は非常にストイックな思考をしており、過去のインタビューではこんな言葉を残しています。

「パラリンピック選手は、五輪選手よりタイムが遅くても、周りの人は自分をアスリートとして扱ってくれるし、褒めてくれる。それが悔しい。その気持ちに甘えて、五輪選手よりタイムが遅いことを全盲のせいにしたら、成長は止まってしまう」

チャレンジド」より

視えないこと、障害があることを言い訳にしない。
彼がトップアスリートたる所以ゆえんです。

33歳で迎える今大会では出場を2種目に絞り、頂点のみを目指しています。
そして最初の種目、自由形で見事に自己ベストを叩き出しての金メダル!

実は次のバタフライが本命種目。
彼ならきっと目標を達成するはずです。


【番外編コラム】パラリンピックと24時間テレビについて

8月31日の夜から日本テレビ系列で「24時間テレビ」が始まりました。
謂わずと知れたチャリティー番組で、全国の「頑張っている人や大変な人(主に障害者)」を紹介して視聴者に募金を呼び掛けるという内容。

番組の是非はさておき、ちょうどパラリンピックと重なっているため「日テレは24時間テレビやるぐらいならパラリンピックを放送しろ」という意見も目にします。
確かに一理あるでしょう。
そこで個人的な見解を述べます。

パラリンピックに出場するレベルの選手は完全にアスリートです。
多くの選手は企業に所属したりプロ契約を結んでいます。

つまり社会的に自立しているのです。

もちろん経済的に余裕が無い中、常に支援を求めている競技団体はたくさんあります。
けれどそれは健常者のマイナースポーツも一緒です。

少なくともパラアスリートと一般の障害者は分けて考えるべきだと私は思います。
チャリティー番組で紹介される障害者と、パラリンピックに出場するアスリートではカテゴリーが違うので、そもそも同じ土俵にあげること自体が間違っているのでは?と。


大会5日目の予定

ついにスケジュールが限界突破。
パラは日数が少ないので試合がギッチギチです。

車椅子テニス男子シングルス、小田凱人が初陣。
ブラインドサッカーも始まります。

車椅子ラグビーは決勝への切符をかけて世界ランキング1位のオーストラリアと対戦。
絶対に負けられない戦いはここにある!!


いいなと思ったら応援しよう!