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【労働日誌】隗(かい)より始めよ

みなさんお疲れ様です。
夢の中でも仕事をしている夏木です。

その昔、初めてのバイト先だったファミレスで上司に「うちの入店チャイム(出入り口の自動ドアが開くと鳴る)が夢でも聞こえるようになってからが一人前」と言われたのを思い出します。

さて仕事先で最近起こった雑多なトピックスを勝手に綴る労働日誌です。


新記録達成

出勤日は歩数をスマホの万歩計アプリで計測している。
平均して一日15,000歩前後なのだが、先日めちゃくちゃ忙しい日があり、ついに20,000歩の大台に到達。

単純に歩いた歩数での計測となっているけれど、実際には小走りだったり忘れ物をしたお客様を追いかけてダッシュをかましたりしているので中々の運動量である。

運動するためにジムへお金を払っている人がいるというのに、運動しながらお金がもらえるなんて凄い職種だなぁと改めて思う。


ロックスター来店

都内の飲食店に勤めていると、結構な確率で有名人に遭遇する。
俳優・アイドル・スポーツ選手など、割とみなさん変装せずに(する人もいるけど)普通に来店されるのだ。

これまで私が一番感動したのは、銀座のカフェで働いていた時に現れた元・貴乃花親方。
とにかく大きくてビックリした。
あと大変紳士でした。

さて先月のこと。
某有名ロックバンドのボーカリストがマネージャーと思しき女性と来店し、接客させて頂いた。

彼は我が青春時代を彩るロックスターだが、私は基本的に有名人に対して余計な話し掛けはしない。
プライベートな時間ぐらいは静かに過ごしたいだろうから。

食後、席を立ってレジへ向かったのを見届けてからバッシング(席の片付け)に向かった。
と、彼の座っていたソファーに手袋が落ちているのを発見したのだ。
ハッとして店の入口を見やると、もう外へ出た後。

手袋を握り締め、私はBダッシュで走った。
まだ遠くへは行っていないはず。
フロアのエスカレーターに向かって歩いている彼を発見し、あまり大声にならないよう音量に気遣いながら声を掛けた。

「お客様。お忘れ物でございます」
「あっ、忘れてた!ありがとうございます」
「いえいえ。お気をつけて行ってらっしゃいませ」

そう言って深々と礼をして見送った。
本当は「応援してます」とか「頑張ってください」と言いたかったのだけれど。
「有名人」と認識されたら気軽に来にくくなるかもしれないと思い、グッと堪えた。

またのご来店、心よりお待ちしております。


忘年会、開催。

12月初旬。
20代の社員・サリナさんから驚くべきお誘いを受けた。

「今月末に店の忘年会があるんですけど、凛さんも来ませんか?」

聞くと、店舗スタッフのほとんどが参加すると言う。
もちろん店長も。

「行きます。這ってでも行きます」

そこから私は忘年会に何を着て行くか悩みに悩んだ。
決めかねた挙げ句、執事のマサキに相談。

「ミニスカのニットワンピ(脚強調)と、タートルネックニット(おっぱい強調)+ロングスカートだったら、どっちが良いと思う?」
「女性も参加するんだよね?だったら露出は抑えたほうが良いんじゃないかな。タートルネックニットなら、おっぱい強調は不可抗力だし」

執事として満点回答を出してきやがった。
ぐうの音も出ないので正答の格好をして行くことに。

当日。
残念ながら店長とは席が離れていたのであまり話は出来なかった。
が、私より年下だという情報だけはゲット。
やはり私の男レーダーは年下に向かうらしい。

持ち込みOKの居酒屋だったので、主任(50代女性)がワインを買って持って来てくれていた。
ここは新人の私の仕事!と思い、居酒屋からソムリエナイフを借りて抜栓。

彼は普段厨房にいるので、ワインのサーブ姿を披露するのは初めてだ。
緊張しながら片手でフルボトルを持ってグラスに注いでいると、店長の「になるなぁ」という呟きが聞こえてきた

今日来て良かった…!

なお、二次会は無くサッとみんな帰って行った。
真面目かよ。


優しさか好意か

忘年会の翌週の勤務日。
オーダーミスで料理が一品余ってしまったので、それを私がまかないとして食べることになった。
休憩時間はまだ先だけれど、ラップしてチンすればいいやと思って。

すると、それを聞いた店長が憤慨しながらやって来たのだ。

「夏木さんにそんなの食べさせられないですよ!俺が作りますから、出来立てを食べてください」

嬉しいけど…!
嬉しいんだけどオーダーミスの料理を廃棄にするのも勿体無くない?

と、若干モヤモヤしつつ店長お手製のまかないを頂いた。
めちゃくちゃ美味しかった…!
やはりこの人の料理の腕は本物だ。


ドキドキの呼び出し

年明け最初の出勤日。
店長から声を掛けられた。

「ちょっと話があるので、退勤後に時間もらって良いですか?」

えっ。
ロマンス的なやつ!?

などとソワソワしながら仕事を終えた後、店長の元へ行くと。

「実は、夏木さんの時給を上げようと思ってまして

…はい?
まだ働いて2ヶ月ぐらいなんですけど??

詳しい話を聞くと、いつも私の仕事を見ていてくれる主任から猛烈なプッシュがあったらしく。
「夏木さんの能力だったら他に引き抜かれるかもしれない。もっと時給上げないと駄目」と進言してくださったそうで。

実際に私は他店舗から高時給でスカウトされて職場を変えた経験が過去にある。
おそらく主任自身もそのような誘いを断った経緯があるのだろう。

別に私は今の職場にも時給にも不満は無い。
ていうか店長いる限り辞めないだろうし。
とはいえ仕事を評価されたのは素直に嬉しい。

もしかしたら「隗より始めよ」の郭隗の話
的な昇給かもしれないけど、だとしたら主任は大人物だいじんぶつだ。

主任、ありがとうございます!
わたくし精一杯働かせて頂きます。

というわけで時給が上がりました


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