死にたい時はドキュメンタリーを見ろ
今日は短い小話を。
数日前、プライベートでひとつの大きな決断をした。
私の人生の中でも五本指に入るぐらいの決断だ。
後悔していないと言えば嘘になるから、その日から毎晩のように酒を浴びるように飲み、毎朝腫れた瞼で起き上がる。
そうした生活をしていると、ふと「このまま死のうかな」などと魔が差してしまう。
これは良くない傾向だと思い、底抜けに明るい曲を聞いたり好きな本を読んだりするのだが。
ほんの些細な、「明の中の暗」とでも呼んだらいいのだろうか。
作中にある僅かな言葉がきっかけで涙が溢れてくる。
笑うために手を付けたのに、結局泣くことになるのだ。
そんな時、あるドキュメンタリー番組を見た。
「野球がくれた宝物 神戸弘陵学園 女子硬式野球部」だ。
白球を追う女子高生たちの挫折と成長。
この番組を見終わった時、私は不思議と気持ちが落ち着いているのを感じた。
そうか。
人は自分以外の人間の生き様を見ることで冷静になれるのだな、と。
断っておくが、これは「世の中にはこんな人間がいるんだから自分はまだマシだ」とか、他者を見下して安心感を得るという話ではない。
自分と全く別の人生を歩んでいる人の現実を見ることにより、自身の人生に対して客観的になれるのだ。
内向きになっていた視点を、外向きにする効果。
映画やドラマといった創作作品ではあまり得られないように感じる。
あくまでもドキュメンタリーという「きれいなオチにならないリアル」にのみ与えられる効果ではないか。
環境も境遇も異なる世界で泣いたり笑ったり、藻掻きながらも生きている人がいる。
それを第三者の視点から撮影したドキュメンタリーこそ、人に生きる力を与えてくれるのかもしれない。
ジャンルは問いません。
みなさんも死ぬほど落ち込んだ日には、ドキュメンタリーを見ることをオススメします。
少なくとも私はそれで救われました。