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エセ中学生恋愛日記

【11時】

起床。
LINEを開いたらテオ君から「どうしたのー!?」というメッセージが入っていた。

昨日の深夜、ひどく飲んでいたせいで寂しくてたまらなくなって変なLINEを送ってしまったのだ。
こういうの本当に良くない。

「ごめん。ちょっと酔ってた」
「ううん、全然良いよ!」

テオ君は23時に寝て7時に起きる、という非常に健康的な生活をしている。
だから私と生活リズムは合わないのだが、そういう「ちゃんとした人」なところも好きだったりする。

起きてニュースをチェックした後、体重計に乗った。
私は毎朝(朝じゃない時間も多いけど)起きたら必ず体重を測る。
その日の体重によって1日の食事の摂取量を決めているのだ。

私のベスト体重は42kg。
BMI指数を計算すると「低体重」に分類されるが、この体重の時の身体が一番好きなのだ。

お腹が出ていないからピタピタのタイトスカートも履けるし、脱ぐことに抵抗が無い。
そして身体が軽いので瞬発力も高まって緊急時に反応が早くなるのだ。
私は人生はサバイバルだと思っているので、いざという時に素早く動ける身体でいたい。

なお「ぽっちゃりしている女の子が好き」という男性も世の中には多いため、別に痩せていることが正義だとは思っていない。
私だって出来ることなら巨乳として生まれたかったよチクショー。

体重計に乗ったところ、41.1kg。
ヤバイ。
今日はちゃんと食べよう。

40kgを切ると健康に支障が出るので、今日は炭水化物を2食摂ることに決定。
その昔、39kgになった時に病気に罹って入院したので、自分の中で40kgをボーダーラインにしている。


【12時】

YouTubeの動画を見ながらリビングで日課の有酸素運動&筋トレ。
終わってからご飯200g・卵2個・鮭缶・万能ねぎでチャーハンを作って食べる。

が、途中でお腹いっぱいになってしまって半分しか食べられなかった。
残りは夕食時に食べることにする。


【13時】

スマホを確認すると、テオ君から次回のデートについての相談が来ていた。
仕事の予定に変更があり、あまり時間が取れないと言う。

「ゆっくり出来そうにないから、軽く夜ご飯だけ一緒に食べ行くなら出来るんやけど、凛さんどうかな?」
「うーん、ちょっと考えるね」

もちろん少しでも会えたら嬉しいけれど、私達の間には今とても重要な課題がある。
セックスをすることだ。

盛り上がって付き合うことになったものの、まだキスしかしていない。
お互いの裸も知らないのに好きな音楽や動画を送りあって「めっちゃ好き」「早く会いたい」とか言っているのだ。
中学生か。

付き合う前に体の相性を確認するのがスタンダードな私にとって、今回のような形はイレギュラーだ。
もしかしたらテオ君がクセ強めな性癖を持っている可能性もあり、そうなればこちらとしても手を打たなければならない。
早いところ肌を合わせる必要があるのだ。

世の中には「3回目のデートまで体は許さない」というお嬢さんもいらっしゃるが、どうせ付き合ったらヤリまくるんだから1回目も3回目も同じだろ、と思ってしまう。
「婚前交渉は出来ません」というカトリック信者の方なら別だが。


【14時】

諸々の雑事をこなしながら考えた結果、やはり今回は見送って翌週に会うことにした。
テオ君にその旨を伝える。

「翌週なら夜は何にも用事ないからゆっくり出来るしね!あと俺は全然急いでないから、当日凛さんがそうゆう気分になれなかったら遠慮なく言うてね!」

彼は令和型の紳士である。
私が淑女でないことが申し訳ない。


【15時】

観に行きたい映画があったのでアプリからチケットを予約する。
平日の昼間だからか、まだ予約数が0のためド真ん中の席を選択した。
楽しみ。

予約を終え、貴族の特権である「昼寝シエスタ」を行使する。


【16時】

雷の音で目が覚めた。
いつの間にか空が暗くなっていてジャンジャンバリバリ雷が暴れている模様。

私は雷の音が苦手で、この年になっても「ヒィィ…!」とビビってしまう。
すぐさまテオ君にLINE。

「雷がバンバン鳴っててすごく怖い…」
「えー!大丈夫??大阪は晴れ散らかしとるよw」

「〇〇散らかす」の〇〇の部分に入るのは「ハゲ」だけだと思っていたので、思わぬ用法に感心してしまった。
他にも「〇〇散らかす」の有意義な使い方を知っている人がいたらゼヒ教えてください。


【22時】

「仕事終わったぁ!」とテオ君からLINE。
彼も中々仕事人間だ。
大阪にいる時は完全リモートワークのため、合間にちょくちょくLINEをくれるので今のところ問題無いけれど。

寝る前に少しやり取りをするのがルーティンになっていて、テオ君は必ず「今日も好きだよ」と言ってくれる。

今日「も」のところがすごく良いなと思う。
だから私も「今日も一日中好きだったよ」と送った。

そうしてふたりでキャッキャして、おやすみを言って眠るのだ。
中学生か。


おやすみ。
何の約束も出来ないけど、明日もきっと好きだよ。


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