見出し画像

会社を辞めた夫

先日ついに夫が会社を辞めました。
それまでの経緯について書き記してきましたが、多くなってきたのでマガジンにまとめることに。

今回は自己都合退職のドタバタ劇とその後の手続きなんかを中心に書いていきます。
何かしらご参考になれば幸いです。



辞表の出し方ってドラマと違った

会社を辞めると決めたその日、夫は白い便箋と封筒をわざわざ紀伊國屋で買ってきた。

「100均ので充分じゃない…?」
「いや、こういうのはちゃんとしたい」

筆ペンで仰々しく辞職の理由を書き連ね、封筒の表書きには大きく「辞職願」と書いた。

「どう?完璧でしょ」とドヤ顔する夫に、私は「うん、すごいすごーい♡」と応じる。
夫が何かを成し遂げたらとりあえず褒めるのが夫婦円満の秘訣である。

翌日、夫はお手製の辞表を池井戸潤ドラマ張りにバーン!と上司に出した。
が、30分後に総務の女性がやって来て「退職する場合はこちらの退職届用紙に記入をお願いします」と言われたのだ。

辞職願、圧倒的無意味ッ…!

今後紀伊國屋の便箋と封筒が活躍する機会はあるのだろうか…。



何だかんだで人望はあった

夫が辞職願を提出したという噂はあっという間に社内に広まり、多くの人から声を掛けられたそう。
「辞めないで」と懇願する人もいれば「羨ましい」と愚痴る人もいたり「よく今まで耐えた」と涙してくれる人もいたり。

そして最終出勤日。
懇意の人達が送別会を開いてくれて、終電ギリギリで帰ってきた夫は花束と大量のプレゼントを抱えていた。

定年退職ならスケジュールも分かるので予定を組むのも容易。
しかし急な退職に大慌てで用意してくれた人がこんなにもいたのだ、という事実に胸が熱くなる。

同期入社の方のひとりが「奥様と使ってください」と、焼き物のペアグラスをプレゼントしてくれた。
手紙が同封してあり、夫から「凛ちゃんも読んで」と言われたので読ませてもらったが、あたたかい言葉の数々に目が潤んだ。

夫は確かにこの会社で「仕事」をした。
あまり好きではない会社だったかもしれない。
それでも感謝してくれる人がいることが、何よりも足跡ではないだろうか。



確認事項は色々ありまして

花束やプレゼントの他に、夫は記入書類を多く持ち帰ってきた。
この項は手続き関連なので興味ない人は飛ばしてください


任意継続被保険者手続き

会社を辞めるということは健康保険の種類が変わるということ。
ただ、任意継続というシステムがある。

簡単に言うと、手続きをすれば退職から2年間は引き続き現行の社会保険が通用し、扶養者もその範囲内。
ということで夫も私も現在の健康保険証を2年間はそのまま使えることになった。


失業手当もらう?もらわない?

倒産やリストラなど会社都合退職の場合は即失業保険が適用されるが、自己都合退職の場合は失職後から支給されるまでに3ヶ月かかる。
3ヶ月の間ハローワークなどに出向けば、その後最長6ヶ月の失業保険がもらえるのだ。

この9ヶ月をどう過ごすか。

のんべんだらりと過ごして楽しいならそれも良いだろう。
しかし毎日が夏休みという状態に耐えられる人間は多くない

夫は「再就職したい」と言っているので、おそらく失業保険の受給要件を外れて仕事を始めると思う。


退職金の使い方

結婚した時に夫は居住地としてマンションを買った。
もちろんローンを組んだ。

無理のない返済計画にし、退職金でローン残高を払おうとしていた。
が、数年前に義母が亡くなった際に相続をし一括返済したのだ。
お義母様ありがとう。

そんなわけで退職金が宙に浮いたので、これを運用することにした。
元々資産運用はしていたが、この機会に分散投資をしようと。
あと、少額ではあるけど能登に寄付しました。


最近の夫

「バイクの免許取りたい」と言い出したり「やっぱやめようかな」と言い出したり、まぁ自由気ままに過ごしています。
もう仕事をする気がないなら代わって私が仕事をしようと思っていたのですが、意欲はある様子。

先が定まらないので決めることもできず宙ぶらりん。
まぁそれでも元気だから良いのです。

というのも、退職を決める数ヶ月前、夫は5kg痩せました。
5kgも痩せる仕事のストレスから解放され、現在は元通りの体重になっています。

それが全て。

もしも今、仕事でストレスを感じて心身に不調を来している人に言いたい。
あなたが背負うデメリットを、会社は請け負ってくれませんよ?

キツイなら辞めちまえ。

国は何もしてくれないと思っている人も多いかもしれません。
けれど最低限生きていける保障をこの国は提供しています。

バブル世代だろうとZ世代だろうと、無理なら頼りましょう。
そうした情報を得ることが何よりも大切。
知識こそがあなたを助けるのです。


いいなと思ったら応援しよう!