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【パラリンピック】パリ2024お茶の間観戦記・大会9日目

昨日の日本はメダルラッシュ!
金3個・銀2個・銅2個と、今大会で一番獲得数の多い日となりました。

なるべく色々な競技を紹介したいと思っているのですが、自分の心にグッと来た試合を優先的に書くため、結局同じような競技に集中しちゃってますね…。
感情のアウトプットとして書いている側面が大きいため、ご容赦下さい。

では大会9日目のレポをお届けします。




【車椅子テニス女子ダブルス決勝・オランダ戦】田中愛美まなみの覚悟が引き寄せた金メダル

女子ダブルス決勝戦の舞台に立った4人の中で、田中愛美は異質な存在でした。
オランダのふたりは世界ランキング1位と3位、ペアの上地結衣は2位。
一方の田中は9位と、ひとりだけ明らかに地力の差があったのです。
もちろん彼女自身もそれは十分すぎるほど理解していて、だからこそ負けるわけにはいきませんでした。

「上地選手はオランダのペアに勝利した経験があるので、『ペアを組むのが田中だから負けた』とは言わせないと思って、最後まで集中力を切らさずにプレーできた」

試合後のインタビュー

金メダルを目指す上地結衣の足を引っ張るわけにはいかない。
自分のできることをやろう。

ビッグサーブを持っているわけでも精密機械のような正確さがあるわけでもない。
だからこそ丁寧に、一球一球を拾い続けました。
着実に、堅実に、相手がミスをするまで粘り強く。

日本女子ダブルス初の金メダルは、上地結衣の力に田中愛美の献身的なプレーが合わさったからこそ生まれたのです。



【車椅子テニス男子シングルス準決勝】言ったからにはやる男、小田凱人

車椅子テニスの試合中継に関して、当初からNHKは決勝のみを放送する予定でした。
が、小田凱人のシングルス準決勝を、当日になってから急遽生中継することに。
実はこのドタバタ劇には裏がありまして。

今月1日、自分の試合のテレビ中継が無いことを知った小田凱人が、初戦の直前に自身のインスタのストーリーを更新しました。

「試合はあるけどテレビ放送はないらしいです。多分試合は日本時間日曜日のゴールデンタイム。なんのためにメディアに出て、演出してきたか分かんなくなりそうだけど、これが現実。とりあえず試合で魅せます」

NHKのアスリート番組「スポーツヒューマン」の密着取材を受けるなど、積極的に競技の周知に努めてきた彼はガッカリしたのでしょう。
5日になってNHKから準決勝の放送が決まったことを受け、彼はストーリーを投稿。

「この放送に関わる全ての人に感謝致します。なので存分に暴れさせていただきます

言葉通り、本当に大暴れして2-0のストレート勝利。
試合後の車椅子クルクルが面白かったので動画載せておきます。

インタビューで決勝への意気込みを聞かれて「負ける気しないんで(ドヤァ)」とボクサーの会見みたいな受け答えしてたんで、多分勝つでしょう。
完全にイキってますけど、こう見えてまだ高校生なんで…。

自分の要望を通すからには必ず結果を出す。
彼はそういうアスリートです。



【ゴールボール男子決勝・ウクライナ戦】初めてのメダルが金メダル

決勝の相手・ウクライナとは予選リーグで一度対戦して負けています。
しかし8-9という非常に競ったスコアだったので「絶対に勝てる」と信じて観戦していました。

開始早々に先制して勢いに乗る日本でしたが、ペナルティなどでウクライナから追い上げられて3-3の同点に。
ここは攻撃に徹するべき、という場面で解説の永野さんも興奮して「防御なんかクソくらえですよ」とNHKを凍りつかせるような発言も飛び出しました。
永野さんいいキャラしてる。

同点のまま延長戦に入ります。
ゴールボールの延長戦は先に1点入れたほうが勝ちとなるゴールデンゴール方式。
ひとつのミスも許されない中、その瞬間がやってきました。

延長前半1分、佐野優人選手の放ったボールを一度は止めたウクライナでしたが、後ろにこぼれてそのままゴールに吸い込まれたのです。
静まり返っていた会場が一気に沸き立ちました!

選手達はぶつかり合いながら大喜び。
アイシェードを付けている状態なので、喜びすぎて転んで倒れる選手もいたりと大混乱でしたがみんな笑顔です。

年間200日という合宿の成果、ここにあり。
ゴールボールのみなさん、金メダルおめでとうございます!



大会10日目の予定

車椅子テニスの2試合はEテレで20:30から生中継されることになりました。
そして以前ご紹介したユニバーサルリレーがあります。
時間的に生で観られる人はかなり少ないと思いますので、私がみなさんの分までしっかり応援しておきます!


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