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東京デート日記・後編
最後のデートからお別れまで。
前編はこちらです。
3日目・朝 しじみの味噌汁
オール明けでボロボロの身体にムチ打ってなんとかシャワーを浴び、ふたりして泥のように眠る。
…はずだったのですが、3時間ほどで目が覚めてしまいました。
ふと隣を見ると、なんだか様子がおかしい。
「どうしたの?」
「頭が…ガンガンする…」
おぉ、勇者よ。
二日酔いになってしまうとは情けない。
私はピンピンしておるぞ。
彼の名誉のために言っておくと、酒は強いほうです。
恐らく私がその上を行っていただけなのです。
こういう時はしじみ。
しじみが一番です。
ストックしておいたしじみのお味噌汁をゆっくり飲んでもらいました。
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薬は飲みたくないというので、しばらく横になっていてもらうことに。
私は仕事のメールチェックしたりnote読んで過ごしてました。
3日目・昼 豚モモ卵うどん
ゾンビのように重い足取りで彼が起き出しました。
「少し食べられそうになってきた」
「雑炊とうどんだったらどっちがいい?」
「うどんかなぁ…」
冷凍庫を探ると鶏もも肉と豚モモ肉を発見。
あっさり度重視で豚モモを選択し、だし中心のつゆで煮てアクを取り、うどんと卵を投入しました。
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温かい食事を取ったおかげか彼も落ち着いてきましたが、今度は私の眠気がMAXに。
結局そのままふたりでお昼寝に突入。
途中で運動したりまた寝たり、夕方までグダグダと過ごします。
3日目・夜 エビマカロニグラタン
ついに最後の晩餐。
というわけでシャンパンを用意しておきました。
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私が一番好きなシャンパンです。
Amazonで買うといつも6,000円ぐらいだったのですが、今回なんと10,000円になってました。
円安って怖いね。
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・エビマカロニグラタン
・アスパラとホタテのマリネ
・シャンパン
私はタマネギの食感が苦手なので、完全に柔らかくなるまで炒めないと食べられません。
時間がかかってしょうがないので、ホワイトソースは手作りではなくハインツのホワイトソース缶にいつもお世話になってます。
お互いに口数が少なくなり始めたものの、頑張って笑顔で会話しました。
「一緒にいる間は楽しく過ごそう」とふたりで決めていたので。
3日目・深夜 「フューリー」
Netflixで「フューリー」を鑑賞。
戦争映画は必ず主人公側が正義として描かれるものですが、お話としてはそれでいいと思います。
人を殺し合っている以上、どちらかが絶対的な正義というのはありえません。
やらなければやられる。
それが戦争というものだ、ということを改めて教えてくれる映画でした。
4日目・昼 オムライス
最後に何が食べたいか聞くと「オムライス」と言われました。
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その昔「ランチの女王」というドラマがあり、舞台となっている洋食屋のオムライスは卵で巻いたケチャップライスにデミグラスソースをかけるというスタイル。
家庭的な、ケチャップライス+ケチャップが当たり前だと思っていた私は、このふたつのソースで仕上げるこだわりにとても感銘を受けました。
それ以降、オムライスにはデミグラスソースを作ってかけることにしています。
と言っても本格的なデミグラスではなく、赤ワイン・ケチャップ・ウスターソース・醤油・砂糖・バターをフライパンで煮立たせた簡易的なものです。
すみません、少し饒舌になりすぎました。
このオムライスを食べた時のことを、あまり覚えていないのです。
別れ際に何を伝え、どんな言葉をかけるか。
別れる瞬間のことを、ずっとシミュレートしてきました。
けれどもいざその瞬間になったら、何も言葉が出て来なかったのです。
何かを口にする度に、私の細胞がボロボロと崩れ落ちていくような感覚に襲われて。
それでも「ありがとう」「楽しかった」「元気で」の3語だけは伝えました。
伝えたと思います。
伝えた気がしますが思い出せません。
それから今に至るまで、私の心はずっと棺の中にいます。
健全な社会生活を送るために食料を口にし、水分を摂り、眠れる時には眠っていますが心は死んだままです。
ただ、待っているだけでは何も解決しない。
だから私は行動します。
人と会い、様々な話を聞き、美味しいお酒と食事を心から楽しめるように。
私のLevel4の恋の話にお付き合い頂いたみなさま、ありがとうございます。
最後にあとひとつだけ記事を上げて、このお話は終わりにするつもりです。