最適なデートの形を考える
前回お互いの誤解からウッカリ別れそうになった私とテオ君。
実はその後、もう一波乱あった。
私の人生波乱しか起きてなくない?
連絡が来ない
お互いの気持ちを確認してから数日間は普通にやり取りしていた。
が、ある日突然、私の何でもない挨拶に対して返信が来なくなったのだ。
普段からそこまでやり取りが多くない間柄なら問題にもならないが、「おはよう」から「おやすみ」までを欠かさない人間から返信が来なくなると焦ってしまう。
思い返せばこの数日のやり取りは何となくよそよそしかった気がする。
あぁ、多分気持ちが切れたんだろう。
これはもう私にはどうしようもないことだ。
しかし「別れる」という言葉が大袈裟に感じるほど、私達はまだ何も始まっていない。
セックスもしてないのに「別れる」なんて、まるで中学生のごっこ遊びではないか。
そこで私はこんな文面を送った。
「色々考えたんだけど、1回友達に戻ったほうが良いんじゃないかな?この状態で遠距離ってやっぱり無理ある気がするし…。東京に引っ越してきた後、もし会いたいと思ったらその時に考えよう」
別れ話なんて誰だって面倒で憂鬱なものだ。
「一旦友達に」という形を取ることで彼も受け入れやすくなるだろう。
私なりの精一杯の配慮だった。
急展開
しばらくして返信が来た。
「え!!俺は別れたくないよ!!」
えぇ…。
どういうこと…?
「もう私のこと面倒くさくなったのかと思ってたんだけどw」
「なんでよ!!ごめんね昨日体調悪くてずっと家で寝てたから返信できなくて…」
それなら「体調悪い」と一言送ってくれてれば済む話だろ。
君は言葉足らずが過ぎるぞ…。
「大好きだし早く会いたいねんけど今は我慢の時だと思って頑張るよ…!」
彼曰く「ちゃんと時間が取れる時に会いたい」とのこと。
でも現状、丸一日デートするような日は確保できないのでは…。
これは協議が必要だ。
会い方を模索
危機的状況は脱したわけだが、このままではマズイと判断。
今後どういった形で会っていくか、についてふたりで相談した。
彼は週1回東京に来るが、あくまでも仕事のため。
1日目はホテルで仕事をし、2日目はオフィスに出社する。
その間にも細切れにミーティングが入っていたりするので、長時間連続で会うのは難しい。
話し合いの結果、「テオ君が仕事をしているホテルの部屋に私が昼間に訪問し、そのまま夕飯を一緒に食べて帰る」という形で妥結。
これを提案したのは私だが、彼は最初難色を示していた。
「ホテルに呼び出すなんて俺めっちゃ悪い男やん!凛さんのこと全然大事にしてないように思われたら困る…」
真面目か!!
「いやいや大丈夫だよそんな風に思ってないから。仕事の邪魔になるといけないから私は本でも読んで大人しくしてるよ」
「本当に来てくれるの!?めっちゃ嬉しい!!でもそんなん仕事しながらエッチしちゃうやん!」
どんだけ器用なんだよ。
やれるもんならやってみたまえ。
あとエクスクラメーションマークの多い男だな君は。
「やっぱり私がいたら気が散るよね…?」
「そんなことない!多分我慢できなくてエッチはしちゃうけど…。仕事速攻で終わらす!それか夜にまとめてやる!」
テオ君の仕事の扱いが「学校の宿題」にしか見えなくて笑う。
新しいデートの形を作る
彼の仕事が何時に終わるかは分からないので、夕食の店は予約しないことにした。
終わった段階でふたりで近くの店を調べて相談しながら決める形に。
大人になってから、私は「デートの店は絶対に予約する」と決めていた。
そういうものだと。
でもこういう形もアリなのかもしれない。
むしろ「店に空きがあるか無いかチャレンジ」みたいなものも面白いんじゃないか。
人生はいくつになっても発見の連続だ。
自分と全く違う世界の人と会うことで、可能性は無限に広がる。
なんか良いこと言った、みたいな〆にしてみたけれど、単に次のデートが待ち遠しいというだけの話。
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