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季語 「霾(つちふる)」

句集を読んでいると読めない漢字によくであいます。

冷戦以後や惨事便乗型資本主義(ショックドクトリン)の血の霾る
関悦史『花咲く機械状独身者たちの活造り』

「霾る」が読めませんでした。内容の読みもなかなか歯がたちませんが(汗
調べてみると、この句の季語が「霾る」でした(汗。汗

歳時記を見ると「つちふる」だけでなく、他の読みも難しい…。
霾(つちふる)
霾(ばい)
霾ぐもり(よなぐもり)
霾風(ばいふう)
霾天(ばいてん)

霾は、黄砂のこと。

春、モンゴルや中国北部で強風のために吹き上げられた多量の砂塵が、偏西風に乗って日本に飛来する現象(『俳句歳時記 春 第5版』角川書店編)

この句は、ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』を読んでの句であるとの前書きがあります。

『ショック・ドクトリン』の紹介文によると「惨事便乗型資本主義」とは「大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のこと。
冷戦後、「資本主義の勝利」がうたわれたけど、はたして降るのは血の黄砂。環境問題と資本主義の関係なども示しているのでしょうか。
漢字が読めなかったという意味でも、資本主義の限界を思う意味でも印象に残る句となりました。

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