意外と知らない前方関節包が持つ2種類の安定化機能
こんにちは、運動器認定理学療法士のTakuです!
今回は、肩関節周囲組織の中でも破綻頻度の多い、
前方関節包について取り上げます。
ここは、水平内転や外旋運動が反復された場合は損傷が起こるところですね。
今、水内転や外旋と言いましたが、
どちらも「前方関節包が影響するだけ」で完結させていませんか?
関節包は関節の安定化に関与するものですが、
肩関節の安定化機構を知ると、肩関節の治療にも活かすことができます。
今回は、前方関節を例に、
治療につながる肩関節安定化機構を解説します。
今回のポイントを抑えることで、より効果的な介入をすることができるので、ぜひ抑えて行ってください。
関節包が持つ役割
関節包が持つ役割は、「安定化機能」です。肩の安定化機能には、第1〜第3まであり、それぞれ以下で構成されています。
第1:関節窩の構造
第2:関節包
第3:腱板や肩甲骨
今回取り上げるのは、第2の安定化機構として働く「関節包」です。関節包は肩甲骨に付着する角度とその張力を使って、骨頭に求心力を与えることになります。
関節包からみる外旋と水平外転の違い
先にお話したように、関節包はその張力を使って骨頭を関節窩上に留めます。では、具体的にそのようなメカニズムなのでしょうか。
この働きを外旋と水平外転の違いから解説します。
水平外転時の関節包の働き
まず、水平外転からです。
水平外転が強制されると骨頭には前方への剪断力が生じますが、すぐ亜脱臼することはありませんよね。
この時、関節包には以下の図のようなことが起こっています。
骨頭に前方の剪断力が起こると、関節包が引き伸ばされます。伸ばされた関節包が縮む力が反対方向に生まれます。
その反対方向の力を水平成分と垂直成分に分割すると、ズレたものを中央に戻す力が強いことがわかります。
これが、水平外転時にズレる骨頭を元の位置に戻すという役割があることがわかります。
外旋時の関節包の働き
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