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膝伸展の可動域制限は3つパターンで診ることが必要
膝の伸展可動域は、整形外科に関わるPTにとって関わることが多いポイントであり、問題を抱えることも多いです。
しかしながら、十分に解決できていないことも多いのではないでしょうか。
今回は、膝関節伸展の可動域についても問題を考えるにあたって意識すべき介入ポイントを解説します。
主に、他動的な操作をしながら量的ではなく質的な評価をすることにフォーカスを絞った解説になります。
🔸大腿骨に対する下腿の伸展
これは一般的で運動学の考えに基づいた伸展です。大腿骨を基準として、下腿を屈曲位から伸展させていく操作になります。
膝伸展の可動域の経時的な変化を追っていくのであれば、この手技で得られて膝伸展可動域の数値を記録していき、その数値を追って行けば十分でしょう。
この手技で質的な評価をするのであれば、下腿を操作するときに同時に腓腹筋の緊張をモニターしてみてください。
🔹具体的な方法
腓腹筋を手のひらで把持しながら下腿を操作します。ゆっくり伸展させていくと手のひらで腓腹筋の緊張を触知できることがあります。
緊張が触知される時は、大腿骨と脛骨間の動きが崩れることを察知した腓腹筋がその動きを是正しようとした緊張であることが多いです。
この操作だけでは、「下腿を伸展させたら腓腹筋が緊張した」という事実が見えただけで、解決すべき問題は見えてません。
ここで、たとえば固定している大腿骨の肢位を変えてみるという変数を加えます。屈曲位にしてみたり、外転位にしてみたり。
また、実際に把持している下腿のアライメントを変えながら操作してみることも効果的です。
これらの変数間の関係を解釈していくことで可動域の制限されている理由を考えていくことができます。
🔸下腿に対する大腿骨の伸展
ここからはあまり一般的なではないものにありますが、ぼく自身が臨床で試していく中で重要だと思っているところです。
さっきとは反対に、下腿に対して大腿骨を操作していきます。
あまりピンとこないかもしれませんが、人が荷重下で活動していくときには基本的に下腿に対して大腿骨が動くことが多いことを考えると納得できるのではないでしょうか。
🔹具体的な操作方法
股関節のある程度屈曲位にしてから、下腿をベッドと水平になるように把持します。この時の注意点としては、下腿だけ持ち続けると、大腿骨に対して前方への剪断力を生み出すさないようにすることです。
下腿とベッドの水平位の関係を保ちながら、大腿骨を伸展する方向に誘導します。
下腿の動きは作られていないですが大腿骨だけ伸展していくことで、結果的に膝関節が伸展することになります。
この時の腓腹筋の緊張をモニターできるとバッチリです。
🔹解釈や関連付けのポイント
評価とはあくまでも一つの情報で決めるというよりも、複数の情報を関連づけることで考えていきます。
下腿に対して大腿骨を操作する時の腓腹筋の緊張、大腿骨に対する下腿の操作時の腓腹筋の緊張を比較してみると面白い情報が得られます。
どの操作でも緊張が生じるのか、どちらかの操作のみで緊張が生じるのか、このような違いを見ることでどのポイントに問題があるかが確認できます。
🔸骨盤帯に対する下腿の伸展
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