自分のマインドセットを変えた2人の患者さんの介入経験とその後の行動
この記事は、今後に迷っている若手の理学療法士に向けた記事です。
なぜこんな内容を書くかというと、実際にぼく自身が散々迷ってきたからなんです。
「このままでいいのか」「意味ってある?」と感じながら自分なりの仮説を立てて、それを検証し続けてきました。ここまでやってきた一端をアウトプットする機会にしてみます。
🔸自分の考えを変えるに至った2人の患者さん
ぼくは養成校時代に行った実習先に就職しました。小さいことはいろいろありましたが、大きなトラブルはなく仕事に打ち込みました。
日々の臨床に合わせて、論文を読んだり研修や勉強会に参加したりと積極的にインプットにも時間を費やながら、失敗や成功体験も積んできたと思います。
その中で、2人の肩関節疾患の患者さんの出会いがぼくの考えを大きく変えることになります。
🔹ケース1:セッションごとに悪化する
もう10年くらい前の話です。転倒して腱板損傷の診断を他院で受け、一定期間をリハビリ通院をしたのち、転勤か引っ越しかの理由で当院にリハビリ先が変わったという方でした。
先輩や書籍で介入方法をある程度学びそれをアウトプットする形で進めました。元々肩関節に興味があったので意気揚々と介入し始めたことを今でも覚えています。
結果は、あまり期待できるものではありませんでした。極端ではないものの初期介入の時点よりも徐々に可動域が悪くなっていったのです。
この現状を理解することができず、とても困りました。この経験が一つのきっかけになります。
🔹ケース2:"後方組織が硬い"を信じすぎた
肩関節可動域の改善を阻害する因子に、"後方組織のTightness"がよく謳われます。屈曲時に小円筋や棘下筋、広背筋が硬いために動きかないって考え方です。
ぼくの所属するリハ科でもその思想があり、実習生の頃から積極的に肩関節の介入場面を見てきたこともあり、何度も耳に入ってきて自分のそう信じていました。
このケースに方にもそれを適用して介入をしていたんですが、明らかに後方組織のリリースができているのに可動域が改善しません。しかも、一度リリースできたはずの後方組織が少しするとまた発現していました。
この2つのケースだけではないですが、これらが決定的なきっかけでマインドセットを修正してくことになります。
🔸周りと違うことを始めることの重要性
そこから自分は独自に動くことになります。
最初にやったのは、セラピストの山口光國という方のセミナーに参加することです。このセミナーの参加が自分の理学療法士人生の大きな転機なりました。
この方は、患者さんを”治す”のではなく、苦しみから解放する、本来の姿に導くという、根本的な考え方から教えてくれました。また、セミナーの中でぼく自身の体を触ってもらい体験したり、別の参加者の身体を見ているところを診ていく、いろんなことを学びました。
この中で胸郭や肩甲骨の考え方に変化がおき、自分で勉強しようと思い柿崎先生という胸郭に関する研究している方のセミナーに行きました。自分の短でも胸郭を勉強する人がいませんでした。
どちらも有名なセラピストではありますが、これを臨床で実践している人は多くありません。セミナーに出てから自分の臨床で実践してみても周囲から不思議な目で見られるし、上司に怒られる始末です。
しかし、今ではこうやって人と違うことをしていかないと本質には出会えないと思います。
今回は、ここまで。
次回は、この続きから進めていきます。
それではまた。
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