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lie lie lie(映画に関連して頼まれた原稿)
正確なことは覚えてない(テキストの日付は1997年)。映画関連で頼まれたような気がするのが、以下のテキスト。
大手商社の代表取締役を名乗る男が実は稀代の詐欺師だった-豊川悦司演じる相川は胡散臭さたっぷりに登場する。この相川が行った詐欺というのが「取り込み詐欺」である。映画の中で行われた手口をご覧になれば、おおよその見当はつくと思うのだが、そもそも「取り込み詐欺」とはどんな行為をさして言うのだろう
クロサギ2022 詐欺解説最終話
さて、最終話です(個人的事情で遅くなりました)。
出てくる詐欺はファンドを装った融資詐欺ですね。融資詐欺というのは多くて、小さなものから巨額のものまで様々です。基本的には、融資を受けたいと思っている相手から、担保や保証金などの名目で金をだまし取ります。
勘の良い方なら思い浮かぶと思いますが、これはM資金詐欺が源流にあります。M資金とは日本を占領していた米軍のマーカット少将が、隠匿物資などを押収
クロサギ2022 詐欺解説第九話
今回もあまり詐欺の話は出てきませんでしたね。「クロサギ」は基本、どのエピソードも詐欺がフィーチャーされてます。とはいえ、ドラマはまた別物ですから。
唯一詐欺っぽい話が、黒崎が海外ファンドの偽装日本法人を作るところでしょうか。
これはいわゆる「詐欺は門構え」というやつでして、ハッタリをきかせればきかせるほど、人は信じてしまう、そこを狙っています。
皆さんはご存じかどうか分かりませんが、一時期、
詐欺に遭わないために
なんであんなものに騙されるんだ。
詐欺被害を取材していると周辺人物から出るのが、これです。しかし、そんな疑問を打ち消すように誘導するのが詐欺師です。
絶対に誤解してはいけません。悪いのは騙すやつです。騙された人に対して「欲があったんだろ」「儲けたかったんだろ」といった批判は、詐欺師以上にたちが悪いです。セカンドレイプです。天地がひっくり返らない限り、悪いのは「騙したやつ」です。
それを踏まえ
詐欺被害に遭われた方に
詐欺、あるいは悪徳商法に被害を受けた方へ。
クロサギはあくまでもフィクションの話です。詐欺に対して詐欺を行えば、残念ながら犯罪になります。
私は偉そうに「儲けようと思ったんだろ」「欲をかくからだ」「自業自得」とは思いません。騙すやつが悪いに決まっています。
ただ、心の隙間を狙われるということは覚えて欲しいなと思います。日本のようにゼロ金利政策が続く国では、どうしても「より効率のよい資産形成は
クロサギ2022 詐欺解説第八話
今回は医療法人を相手にした詐欺です。大手病院の多くは医療法人化しています。それには様々な理由があるわけですが、やはり、経営と医療の切り分けによる効率化、経営状態の改善が大きな目的の一つになります。医は仁術、とは今時誰も信じないでしょうが、いかに真面目にやっても、赤字では病院は維持できませんからね。
以前に取材したある医師はこう言っていました。
「はっきり言って、いまの保険制度では技術料というの
クロサギ2022 詐欺解説第七話
第七話に出てくる詐欺は二つですね。
一つは前話から続いている「導入詐欺」ですが、これは正確には導入預金詐欺です。バブル末期にはよく見られたやり方です。
バブル末期、総量規制が行われて不動産業者は融資を受けられなくなりました。しかし、土地はあるわけで、その資金として様々な手法がとられました。そのひとつが「社員に住宅ローンを組ませて、その金で不動産売買を行う」というものです。
私が取材したケース
クロサギ2022 詐欺解説第六話
第六話、前話の分というわけではないでしょうが、いろいろ詐欺がでてきましたね。
クレジットカードで現金を作る、というのは「ショッピング枠現金化」として、登場しました。キャッシング枠よりも高額枠なので、それを利用しようというわけです。元々は借金で困った人が、手持ちのクレジットカードで現金化できる商品を購入して換金していました。新幹線の回数券が有名ですね。しかし、自転車操業ですから最後はパンクします。
クロサギ2022 詐欺解説第五話
さて、第五話では……と書こうとして、はたと困りました。詐欺、ほとんど出てきませんね(笑)。原作では御木本が仕掛ける詐欺などを扱っているのですが、ドラマ版ではほぼ出てきません。これでは「解説」のしようがないのです。
一瞬、話だけが出てくる「銀行で関係者を装って受け取る」というのは、古くからある「籠脱け詐欺」というやつです。銀行など信頼が得られそうな場所を利用し、あたかも、そこの人間であるかのよ
クロサギ2022 詐欺解説第四話
今回登場する詐欺は「ヘッドハンティング詐欺」と「M&A詐欺」です。御木本が登場していること、白石が黒崎に協力していること、オヤジが気にしていることなどから、四話にしてかなり、なんというか、ダイナミックな感じになりましたね。
さて「ヘッドハンティング詐欺」ですが、これはバブル前後から増えた詐欺で、本来のヘッドハンティングが増えたことにも由来しています。今の自分が本当に評価されているのか、もっと評価
クロサギ2022 詐欺解説第三話
第三話で扱われたのは「知的財産詐欺」、原作では新クロサギ12巻に収録されています。
知的財産…あんまりピンとこないですよね。でも、この新クロサギの時代はもちろん、現代ではより注目を集めています。知財裁判所という専門の司法機関まであります。
ドラマの中でも出てきたように、海外では特許権を巡っては莫大な賠償金が支払われています。これは法律の違いによるもので、特にアメリカは先発明主義を取っていて、特
クロサギ2022 詐欺解説第二話
第二話は複数の詐欺が登場します。
「出会い工作詐欺」「送りつけ詐欺」「カード詐欺」の三種ですが、メインは「出会い工作詐欺」です。
この詐欺はかなり根深いものでして、探偵や興信所が関わる詐欺として知られています。出会える、だけではなく、いわゆる「別れさせ屋」も同じカテゴリーに入ります。
※ドラマに直接触れることはしませんが、今回はちょっと驚きました。ジャニーズのアイドル主演でこのネタをよくやっ
クロサギ2022 詐欺解説第一話
毎週金曜日22時放送の「クロサギ」で扱われている詐欺について、補足や解説をしようと思っています。
まずは、第一話で扱われた「セミナー詐欺」から。
原作では「フランチャイズチェーン開業詐欺」として扱われたエピソードを現代風にアレンジしたものです。原作連載時にはフランチャイズチェーン開業を謳い、退職金などを狙った詐欺が横行しました。職種は様々で、簡易印刷業や清掃業、携帯代理店などがありました。