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だるまちゃん

「からすのパンやさん」でも人気の加古里子(かこさとし)さんの絵本。うちも母子ともに大好きで何冊か日本から持って来ています。

中でも「だるまちゃん」シリーズが娘のお気に入りです。私も大大大好きなので、かこさとしさんの本の読み聞かせは、私も自然と紙芝居風に張り切って読んでしまいます。昭和風にノリノリに読み聞かせるから娘も好きになってくれたのもあると思うのですが、やはり、子供の心を引きつける遊び心のある細かい絵の描写と知恵と好奇心を誘う物語はいつの時代でも感じることは一緒なのかなあと思います。

親子代々多くの人に愛されている「かこさとし」さんの絵本。だるまちゃんシリーズはすでに50周年を迎えているそうです。生前600冊以上の本を子供たちに向けて作り続けてきた かこさとしさん。絵本作りの原点、20歳で敗戦を迎えた時の決意を婦人公論のインタビューでこう答えているそうです。(かこさんは昨年2018年5月に92歳で永眠されています)

「戦争で死ぬはずだった生命を残してもらった。自分の判断力のなさと勉強不足を猛烈に反省し、次の世代を生きる子どもさんたちが、僕と同じ過ちを二度と繰り返さないように、自分の「余命」を使おうと考えた」

若い日に仕事の傍ら子どもたちへの福祉活動に力を入れ、そこで出会った子どもたちへ紙芝居を作ったことが絵本作りのきっかけだったそうです。絵本もそうですが、からだ、しぜん、かがくに関しての専門的な絵本もわかりやすくて、大人の私でも全部欲しくなってしまいます。

「子どもたちが、自分が好きになった対象を通して自分が生きている世界の成り立ちを知る、その理解の輪を広げてあげたい。専門書を、子どもが理解できる言葉と物語で絵本として描きたい。」


ちなみに、歯がそろそろ抜け変わる時期の娘は「はははのはなし」で食べ物、栄養、運動の大切さを興味を持ちながら学んでいる模様です。ことばのべんきょうも可愛い絵と名前が沢山出てくるので、絵が好きな娘にはぴったり。日本語の勉強にもとても役立っています。かこさとしさんの絵本は昔の言葉も沢山出てくるので、「はこぞり(箱ゾリ)ってなあに?」(ことばのべんきょうより)「たんげさぜんってなあに?」「ざとういちってなあに?」(だるまちゃんとうさぎちゃんより)などなど、たびたび古い言葉を質問されたりしますが(笑)それでも、細かい描写で遊び心たっぷり描かれているので、娘も1ページ1ページ本当に楽しそうに読んでいます。

家庭での話し言葉というのは限られたフレーズばかりで、私もうっかり「ちゃんと食べてね」とか、「こっち持ってきてね」などなど、随分簡略した言葉ばかり使ってしまいがちです(反省)。そう考えると書き言葉で書かれた、そして、豊かな表現力の宝庫とも言える絵本というのは、様々な表現方法も学べる貴重な機会で、絵本の読み聞かせの大切さをしみじみ感じています。

同じ事を学ぶ時、正しい事を言う人より、楽しい事を言う人に子供は共感し集まるものだよと教員をしていたうちの父も良く言っていましたが、まさに かこさとしさん の絵本はそんな絵本だなと思います。子供の福祉活動で常に子供たちを見つめ、未来を考え、そして子供からも学んできたかこさんの姿。親である私も見習いたいなと思います。

ちなみに、私の1番のお気に入りは、なんでも真似したがるだるまちゃんと、とっても褒め上手なてんぐちゃんのお話、「だるまちゃんとてんぐちゃん」です。何度読んでも愛らしいです♡

今日もお読みいただきましてありがとうございました!





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