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わたしがずっと一緒に、生きていく人。
2024年は、われら夫婦にとって激動で、特別で、愛すべき一年だった。
わたしたちは、ふたり家族から3人家族になったのだ。
いや、激動だったのはわたしの心身か。
荒ぶるメンタル、広がる骨盤、不眠、抜け毛、歯痛、手首痛、脚むずむず。
妊娠・出産・産後の約1年半にぎゅっと濃縮された、頭のてっぺんから足先までのあらゆる変化と不調を経験した。
それに比べて夫は、変わらない。
あたりまえのことを言うけれどつわりはないしお腹は大きくならないし、母乳も出ない。
あの出産の壮絶さをいくら語ってもわかってもらうことはできない。
これまで通り働き、夜も昼も眠くなったら寝る。お風呂からなかなか出てこない。家事のスピードも変化なし。
いやほんと、男って何も変わらんのな…ってジトッとした目で見てました、正直。
しかし一年を思い返せば、
わたしは夫のその「変わらなさ」に、救われた。
「わたしは、この奇跡のような息子の命を、守らなければ!!!」
息子をつれて家に帰ってきて、なにもわからない「育児」が始まった。
世界の何もかもがガラッと変わったように映り、わたしは一日中息子のことで頭がいっぱいになった。
抱きしめては愛しさに涙が流れ、離れると(ベビーベッドで寝ているだけだけど)不安で何度も覗きこみ、息子がぷるぷる震えただけで心配で泣いていた。
そんなわたしに、夫はこんなことを言った。
「あなたとまたふたり暮らしするのが、楽しみだなぁ。」
なーにをのんきなことを言っているんだと一瞬そう思った。でも、この言葉のあたたかさに気づいたわたしは、またポロポロと涙をこぼしていたのだった。
わたしは息子に出会うために生きてきたんだなと本気で思うけど、息子はわたしたちのために生まれてきたのではない。
息子は、自分の人生を生きていく。
でも、もしも。毎日必死になって子育てして、自分のことはすべてあとまわしにして、すべてを息子を中心に考えて走り続けたとして…
その先にまつ未来が、子どもと口を開けば喧嘩、家ではそれぞれスマホばかりいじって、一緒に暮らしているのに会話しなくなって、家の中に穏やかさや幸せな雰囲気がぜんぜんなかったら…
もしそんなふうになってしまったら、わたしは…
こんなに頑張ってきたのにって、ぽっかり穴があいてしまうだろうか。気づくとほかになにも残っていないような人間になっていたら。そのとき友人も仕事も趣味もなかったらどうしよう。
そしてもしも、夫とも不仲になっていたら…? わたしが夫とのコミュニケーションを粗末にした結果、夫の心が離れていたら…?
産後の荒ぶるホルモンの影響なのだと思うけれど、そんなことを本気で考えていたのだ。
でも、夫は言ってくれた。
めまぐるしく変わるわたしを、変わらず一番大切に想ってくれていた。
大丈夫、わたしには、心が帰る場所がある。
息子が巣立っていったあとも、わたしは夫と生きていく。
唯一、一緒に生きていくと、自分で決めた人なのだから。
あなたとずっと楽しく暮らしていけるよう、がんばるよ。
珈琲次郎さんが企画されている【仲良し夫婦サークル】に初めて記事を投稿させていただきました。
素敵な企画をありがとうございます!