弁護士秘書が直面するブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事)について
私は都内の法律事務所で働く弁護士秘書である。
昨今「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事」が話題になり、弁護士秘書の仕事の中にも間違いなくブルシット・ジョブがあると感じた。
それらを見つめ直してみると、おおかた「弁護士が生んだブルシット・ジョブ」ではないかと思うのである。
新卒の頃は弁護士秘書という仕事を愛せず、実際に一度退職したが、色々と思い直して今はまた別の法律事務所で秘書として働いている。それはなんだかんだこの仕事にそれなりに納得しているからである。また、自分を含め多くの女性にとってやはりこの仕事は働きやすいものと思っている。
しかし、前職を退職する際には多くの秘書が「私も早く辞めたい」と漏らしていた。まだまだ社会人5年目のヒヨッコな私であるが、弁護士が時にブルシット・ジョブを生み出して秘書に押し付けてしまっていることが、秘書の働きがいを奪っているのではないかと推察している。
前々から「弁護士の業務を円滑にするためにあるべき秘書の姿」についてはよく説かれるものの、「秘書の業務を円滑にするためにあるべき弁護士の姿」については特に触れられていないことに対しては疑問を持っていた。
確かに国家資格である弁護士の方が事務所にとっては貴重な戦力であろうが、実際にその事務を担う秘書も長く働いてくれる優秀な人材でなければ、弁護士業務のパフォーマンスも著しく低下し、法律事務所の存続を脅かす。であれば、秘書の働きやすい環境を整えることが事務所にとってもプラスであり、秘書に直接指示をする弁護士の在り方というものについて、しっかり事務所がケアをすべきではないか。
これから書く記事は、一部の弁護士等にとってはとても不快に思われるかもしれない。「弁護士秘書の分際で偉そうなことを言うな」「嫌なら他の仕事に転職すればいい」等々。しかし、先に述べたとおり、多くの女性にとっては基本的に働きやすい仕事であろうし、「困っている人の最後の拠りどころ」ともなる法律事務所の持続可能性というものを考えたとき、やはり今秘書として働いている人がこれからも秘書として長く働けること、弁護士秘書をやりたいと思う人が一定数確保されていくことは、重要である。だから、私は「この点が改善されたら、もっと働きやすくなるのだけれど」と感じる点を、一弁護士秘書として綴っていきたい。
もしこれを読んでいるあなたが弁護士秘書であれば、「そうそうそう」と共感いただき、励みになったならば嬉しいし、弁護士であれば、「ちょっと業務の頼み方を見直そうかな」などと思っていただけたら大変幸いである。
また、法律事務所に限らず、おおかたの「上司と部下」の関係にもあてはまることがあると思うので、ぜひ参考にしていただきたい(特に「上司」の方)。